30年前の1993年8月9日、55年以来、長きにわたって政権を維持してきた自民党がはじめて下野し、非自民非共産の細川政権が誕生しました。

ここに55年体制が崩壊し、今日にまで至る新しい政治の流れが動き始めました。

あれから30年。

最近、当時の動きを振り返る動きが始まり出しています。

昨年スタートした令和臨調では「平成デモクラシー史検証会議」が設けられ、衆議院選挙制度協議会では細川政権で導入された現行選挙制度に関する検証を行っています。

こうした動きの背景にあるのが、この30年の歩みが、当時、多くの人が期待したようには進んでこなかったことがあります。

なぜ期待するように進まなかったのか、問題はどこにあったのか、それを検証することで、今後、進むべき新しい方向性が見えてくると思います。

すでにこの間の検証で、この間、巷間で政治のあるべき姿として提唱されてきた「二大政党制」は、実は当時、政治改革を主導していた人たちはめざしておらず、「穏健な多党制」をめざしていたことがあきらかとなりました。

この点の認識のずれが、その後の政党、特に野党の動きに影響を与え、無理な結集、そして分裂という現在の状況を招くに至ったと考えられます。

「二大政党による政権交代」ではなく「穏健な多党制による政権交代」をめざしていたならば、この間の一連の野党勢力の離合集散はもう少し違った形になったのではないでしょうか。

今後、さらにこの30年の検証を進めて、その検証の上に新しい方向性を見出していきたいと思います。