日本の人口は昨年約80万人減り、1億2,242万人となりました。人口のピークだった2009年から14年連続の減少であり、減少幅は数、割合ともに過去最大です。

また1973年の調査開始以来初めて、すべての都道府県で人口が減少しました。

こうした数字に直面すると、あらためて日本が本格的な人口減少時代に突入していることを実感します。

その一方で同時進行しているのが高齢者割合の増加です。

現在でも65歳以上の高齢者の割合はすでに29%あまりですが、今後、この割合はさらに高まり、人口が1億人を切ることが予想される2056年には37.6%に達する見込みです。

まさに「異次元の高齢化」が進んでいます。

この割合を18歳以上の有権者人口で考えるとおよそ5割となり、実際の投票率から考えるとさらに増えて6割になります。

人口減少時代は同時に「シルバー・デモクラシー」の時代でもあるのです。

こうなると政治は「高齢者の高齢者による高齢者のための政治」になりかねません。

そうさせないためには、何らかの形で若い世代の声が政治に反映されるよう工夫すべきではないでしょうか。

その意味では選挙制度を見直すにあたっては、人口減少だけでなく、「異次元の高齢化」についても考慮に入れて検討することが必要だと思います。