マイナンバーカードでミスやトラブルが相次いであきらかになっています。

私はマイナンバーの制度設計に最初からたずさわり、国家戦略担当大臣時代には名前をマイナンバーに決め、法案を作って国会に提出するところまで自分の責任でやりました。

番号制度の導入については、当初からプライバシー保護の観点から懸念を持つ声も多く、制度設計をする際にはこうした懸念を払拭できるよう、細心の注意を払いました。

また利用範囲や利用方法を決めるにあたっても、まずは制度に対する国民の信頼が確立されることを最優先とし、それまではきわめて限定した範囲でのみ利用することとしました。

そうしたこともあって制度に対する信頼が少しづつ確立し、コロナ禍やDXの流れもあって世の中で「もっとマイナンバーを活用すべき」という声が広がってきて、良かったと思っていました。

ただ政府があまりにも急速かつ広範に活用範囲を広げることを決めたのには少し驚きました。

そうした状況で今回の一連の問題があきらかとなりました。

これらはマイナンバーそのものに問題があったから起きたことではありませんが、しっかりと対応しないとマイナンバーに対する国民の信頼そのものが揺らぐことになりかねません。

私は今回の背景には、あまりにも短兵急に活用範囲を拡大しようとしたことがあると思います。

ここはいったん立ち止まって、しっかり準備期間を取った上で活用範囲を広げていくべきです。

「急がば回れ」です。