イギリスでトラス新政権による大規模減税策の提案がきっかけとなって起きたトリプル安(通貨安・株安・債券安)は、対岸の火事ではありません。

日本が近未来に直面するかもしれない姿です。

イギリスは足元で亢進するインフレを抑えるために、景気を冷やす効果のある金利引き上げを行う一方で、大規模減税という景気刺激策を行うという、ブレーキとアクセルを同時に踏むような矛盾した財政金融政策をとっています。

それが市場の不信を招き「トリプル安」につながっているのです。

日本でもマイナス金利を含む異次元の金融緩和を今後とも続けると言いながら、一方で円安阻止のために金利上昇方向に動くドル売り円買いの為替介入を行い、そこだけ見れば矛盾した行動をとっています。

今後、日本の財政金融政策がさらにアクセルとブレーキを同時に踏むような矛盾した政策をとっていけば、いつかイギリスと同じようなトリプル安に陥るリスクは間違いなく高まっています。

いまの政府日銀や与党の動きを見ていると、いったいどれくらいの人がこうした認識や危機感を持っているのか、はなはだ疑問です。

今国会では、こうした問題についてもしっかりと議論していきたいと思います。