機能不全が叫ばれて久しい国連ですが、ロシアのウクライナ侵攻以降、その機能不全がますます顕著になってきました。

ここまでくると国連の在り方を根本から見直して、さまざまな世界的課題に対して、もっと機能する新たな国際的枠組みの構築を考えるべき時に来ているのではないでしょうか。

もともと国連は第二次世界大戦の戦勝国によって作られた枠組みです。

日本では「United Nations」を「国際連合」と訳していますが、本来、これを直訳すれば「連合国」となります。

それは国連の公用語である中国語では「聨合國」になっていることからも明らかです。

日本の外務省がよくやることなのですが、わざと「United Nations」を意訳して「国際連合」と訳したのです。

その「連合国」を作った戦勝国の一国であるロシアが、自分たちで作った「国連(連合国)憲章」を明確に破りました。

自分が作ったルールを自分で破ってしまったら、そのルールに基づいた枠組みをいくら維持しても、いまより機能するようになることはないのではないでしょうか。

もちろん国連の下にある組織の全てを一から見直すことまで必要だとは思いませんが、安保理などの国連の基本的枠組みについて、根本的な見直しが必要だと思います。

国連発足時には日本は敗戦国であり、その枠組みづくりには関与できませんでした。

だからこそ今度は日本は新しい国際的な枠組みづくり作りを積極的に提唱し、参加していくべきです。