スイスの山深い保養地ダボスで、「世界賢人会議」とも呼ばれる世界経済フォーラム年次総会、いわゆるダボス会議が先日、開催されました。

通常、1月下旬に開催されるダボス会議ですが、今年は新型コロナウイルスのため5月に延期しての開催となりました。

今回、ウクライナへの軍事侵攻を行なったロシアの参加を排除するという、ダボス会議としてはきわめて異例の措置が取られました。

というのもダボス会議は、立場が違う者が一堂に会する場を提供するところに意味があると考えられてきたからです。

もともとダボス会議が世界の注目を浴びるようになったのは、東西冷戦終結後です。

ダボス会議の起源は、東西冷戦時代に東西の指導者が休暇と称してダボスに行き、スキーを楽しむ一方で密かに行われていた指導者同士の会談にあります。

それが冷戦終結につながったと言われているのです。

その場をアレンジしていたのが、世界経済フォーラムの創設者シュワブ博士です。

それがその後、次第に大きくなって、いまや世界中から数千人の人が集まるほどの会議となったのです。

したがって今回のようにロシアを排除するのは、もともとの会議の趣旨からは外れるものなのです。

それゆえ今回の対応に「ダボス会議は変質した」との声が出ています。

私はこれまで13回ダボス会議に参加しましたが、私もそう思います。

はたして今後、ダボス会議はどうなっていくのでしょうか。