このところの日本は、物やサービスの価格も給料も、なんでも外国と比べると安くなっています。

円の購買力を表す実質実効為替レートが1970年代前半並みの水準まで落ち込んでいることも「安い日本」の一因です。

こうした状況が続くのは、きわめて由々しい事態です。

これまで外国人による土地買収が問題になってきましたが、これからは土地だけでなく、会社もどんどん外国人や外国の会社に買われて、ほとんどの日本人が外国人オーナーの下で働くことになるやもしれません。

そうなるとまるで発展途上国です。

こうした状況を生んだ一因が、アベノミクスの一環として採用された異次元金融緩和による円安誘導です。

異次元金融緩和の副作用の一つが「安い日本」なのです。

とはいえ今、金融緩和をやめられる状況ではありません。

かといっていつまでも続けていたら、そのうち何もかも外国に買い漁られてしまうかもしれません。

そうならないためにはどうすべきか。

「安い日本」からの脱却を大きな政策目標として掲げ、その実現のためにさまざまな手段を講じて行くことが必要です。

私は「安い日本」からの脱却の必要性を、強く訴えたいと思います。