76回目の「原爆の日」を迎えました。

朝、中学生の娘に「今日は何の日か知ってる?」と聞くと、「知らない」と一言。

「今日は広島に原爆が落とされた日だよ」というと「ああ、そういえばそうだったね」とようやく思い出しました。

戦後76年、先日の「黒い雨」訴訟に象徴されるように、いまだに原爆による被害に苦しんでいる方がいる一方で、戦後生まれが社会の大多数を占めるようになり、人々の記憶の中で、原爆投下は次第にその片隅の方に置かれつつあります。

しかしいまや核兵器を途上国も含めたいくつもの国が持つようになり、また近年、米中露など核大国間の対立が激化し、核兵器が利用される危険性はかつてなく高まっていると言っても過言ではありません。

一方で今年1月には、日本は批准していないものの、核兵器禁止条約が発効しました。

唯一の被爆国として本来、日本は率先して批准すべきですが、まずは来年批准国が集まって行われる最初の締約国会議に、日本は批准国以外でも加わることができるオブザーバーとして参加すべきです。

広島にある原爆死没者慰霊碑の碑文「安らかに眠ってください。過ちは繰り返しませぬから」。

原爆投下が多くの人にとって歴史の一ページとなってしまった、まさにこれからが、この碑文の言葉を未来永劫守り抜くために正念場です。