アメリカでトランプ政権から次期バイデン政権への政権移行プロセスがようやく動き出しました。

しかし依然として敗北を認めていないトランプ大統領の下で、どれだけきちんとした政権移行が行われるか、心配ではあります。

政権交代が起きた時の政権移行プロセスはきわめて重要です。

政権交代がしばしば起きる国では政権移行プロセスがきちんと決まっています。

それだけでなく旧英連邦のイギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド4カ国では、政権交代が起きた場合の円滑な政権移行のあり方を常に改善していこうと、政府間で定期的に情報交換する仕組みがあるくらいです。

私は日本の政治の構造的な問題の一つに、きちんとした政権移行プロセスの欠如があると以前から考えています。

したがって鳩山政権で国家戦略室長になった際に、この4カ国の枠組みに日本も入れてもらおうと動きましたが、それが実現する前に政権を失ってしまいました。

民主党政権下での失敗のいくつかは、自民党政権からきちんとした引き継ぎを受けずに政権についたがために、ぶっつけ本番、手探りでやることになり、そのために起きました。

「きちんと引き継ぎを受けた上でやっていたら、あんなことにはならなかったのに・・・」と今にして思うと反省しきりです。

政権交代のある政治体制に不可欠な政権移行プロセス。

いまはすっかりこうした議論が行われなくなってしまいましたが、もう一度こうしたところから議論を始めたいと思います。