生前、歴代総理の指南役と言われた四元義隆先生に、私は最晩年に師事しました。

政治の世界に入るべく大蔵省を退職した直後、高校の先輩に連れられて初めて四元先生に初めてお会いし、その際、渡されたのが西郷隆盛の言葉を集めた「南洲翁遺訓」です。

以来、「南洲翁遺訓」は、私にとってバイブルとなりました。

その中で特に私の目にとまったのが「命もいらず、名もいらず、官位も金もいらぬ人は、仕末に困るもの也。此の始末に困る人ならでは、艱難を共にして、国家の大業は成し得られぬなり。」という言葉です。

政治に携わる者は常にこうした思いでなければならないと思いつつも、自分自身、実際に政治に関わる中で、ともするとこうした思いが後ろに下がってしまうことがしばしばあります。

その度にこの言葉を思い出して、自らの立ち居振る舞いをただす努力をしてきました。

いまあらためて南洲翁のこの言葉を胸に刻んで、日本の政治に新しい道を切り拓くべく、新たな一歩を踏み出したいと思います。