安倍政権が「余人を持って代えがたい」との理由で、これまでの法解釈を変えてまで定年を延長してその地位に留任させていた黒川東京高検検事長が、賭けマージャンで辞任しました。

訓告処分となりましたが、黒川氏が置かれていた立場に鑑みれば、私は懲戒免職にすべきだったと思います。

異例の定年延長から賭けマージャンまで、黒川氏をめぐる一連の出来事は、まさに「晩節を汚す」という言葉がぴったりです。

私がかつて勤務した財務省の先輩である福田元事務次官や佐川元国税庁長官はじめ、このところ公務員生活の最終盤に至って「晩節を汚す」幹部公務員が相次いでいます。

残念でなりません。

国家公務員は自分や自分の所属する組織、その時の政権の利益のために仕事をするものではありません。

国家国民のために仕事をすることが求められているのです。

そこのことは憲法15条にも明記されています。

まして幹部ともなれば、その責務の重さから考えて、よりその遵守が求められます。

こうしたことが続くと、その人自身の晩節を汚すことにとどまるだけでなく、国家公務員全体に対する、ひいては政府に対する国民の不信にまでつながります。

そのことを国家公務員、特に幹部の皆さんには是非、認識してもらいたいと思います。

もちろん私自身も、自らの立場と責務をもう一度、肝に銘じて参ります。