来年度税制改正議論が佳境に入っていますが、政府与党から聞こえてくる話はほとんど増税の話ばかりです。

私はこれは明らかにこのタイミングを狙って出してきていると思います。

と言うのも総選挙も終わり、来年は大きな選挙がない年です。

一方、再来年には統一地方選挙や参議院選挙があります。

したがって再来年は政治的に増税をしたくないのです。

だからこそ政府与党は「増税するなら来年」と考えて、今、いろいろな増税案を提案しているのです。

これは国民に対してきわめて不誠実な態度です。

そもそもなぜ先の総選挙でこうした増税案をきちんと国民に提案しなかったのでしょうか。

安倍総理は消費税増税延期を決定するに際して「税制の大きな変更を伴う場合には民意を問うことが必要」と言ってきました。

「消費増税延期」や「借金返済財源から教育無償化財源に消費税の使途変更」と言った国民に耳障りのいい話だけは選挙公約に大きく掲げておきながら、国民に新たな負担を求める増税については、選挙公約にきちんと掲げず、選挙が終わるや否や増税を打ち出すのはあまりにも不誠実です。

いかなる税制も国民の信頼なくしては成り立ちません。

税制議論は内容以前にこうしたプロセスのあり方もきわめて重要なのです。