昨年12月、私は党税制調査会長として、民進党がめざす税制改革の基本構想を「日本型ベーシックインカム構想」という形でまとめました。

この構想について最近、あちこちから問い合わせがくるようになりました。

これは今年のダボス会議の大きなテーマのひとつがベーシックインカムであったように、グローバル化の中で進む格差拡大と社会の分断を食い止める方策として世界的にベーシックインカムに対する関心が高まっているからだと思います。

ベーシックインカムとは「最低生活に必要な金額のお金をすべての国民に現金で等しく給付する」というものです。

しかし私たちが提唱している「日本型ベーシックインカム構想」では、現金を給付することは考えていません。

ならばなぜ“ベーシックインカム”という言葉を使うのか。

それはともに最終的にめざす社会のあり方が同じだからです。

すなわちベーシックインカムが実現すれば生活保護制度は必要なくなりますが、「日本型ベーシックインカム構想」でも、生活保護制度の必要のない社会の実現をめざしているからです。

生活保護制度が必要のない社会になれば、生活保護の不正受給もなくなりますし、生活保護を受給するのを我慢して餓死してしまうなどという悲惨な事件もなくなります。

もちろん生活保護制度が必要のない社会は一朝一夕に実現するものではありません。

しかしその実現に向けての突破口としての税制改革案を示したのが「日本型ベーシックインカム構想」です。

今後はこの構想を社会保障制度も含めて徐々に具体化する作業を進めて参ります。