日銀が「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」という金融政策の新しい枠組みの導入を決めました。

2%のインフレ目標達成のためにはどんなことでもやる、という黒田総裁の強い意志が感じられます。

「その意気や良し」と言いたいところですが、そうは思いません。
「そこまでやって本当に大丈夫?もしもの時に責任はどう取るの?」と思います。

特に今回、これまで日銀自身が「コントロールはできない」と言ってきた長期金利を「10年国債利回りゼロ%という目標数値を掲げて、この程度で推移するように国債買入れを行う」という形でコントロールすると宣言しました。

これまでも市場に出回る国債の多くを日銀が買うために、債権市場において市場機能が失われてしまっていると言われていたのに、これをさらにコントロールするというのです。

こんなことをいつまでも続けていたら、いつか市場の「見えざる手」が働いて、大きな調整が起きることは間違いありません。

その時には経済全体が大きな混乱に陥ります。
おそらくこのことは黒田総裁も十分に理解しているはずです。

にもかかわらずこうしたリスクをきちんと説明することなく、市場のひずみを蓄積する政策をどんどんと進めるのは、無責任という非難を免れません。