多くの方から「是非、見るべきだ」と勧められ、先日、映画「シン・ゴジラ」を鑑賞しました。
かつて私が内閣官房副長官として勤務した官邸の中の部屋が総理室を始め、調度品も含めて若干の違いはあるものの、きわめて精巧に再現されているのにまず驚きました。
ストーリーは先の原発事故をモチーフにしたものでしたが、話が進んでいくうちに私にはゴジラが“財政破たん”の暗喩のように思えてきました。
というのも冒頭のゴジラの登場場面、東京湾羽田沖で大量の水蒸気が噴出し、アクアラインでトンネル崩落事故が起きるのですが、その原因について主人公の矢口官房副長官が巨大生物の可能性を指摘するも「そんなことがあるわけではない」と一笑にふされてしまいます。
これは「財政破たんなど起きるわけがない」という声とよく似ています。
またゴジラが上陸し、東京の街を破壊していく中で、日本経済は機能麻痺に陥り、株安・円安・債券安が起きるところも、まさに財政破たんが起きた際に起きることです。
さらに日本だけでゴジラ鎮圧をすることができず、最後には国連の多国籍軍にまで頼ろうとするところは、財政破たんに陥り、日本がIMF管理の下に入ることに通じるように思えました。
ストーリーとは全く関係のない、こんなことさえ想起させる映画「シン・ゴジラ」。
噂にたがわず、見るに値する映画だと思います。