真摯な財政健全化計画策定を

政府がこの夏までに決める予定の財政健全化計画。

国際公約となっている2020年のプライマリー・バランスを黒字化させるためには、名目３％、実質２％の経済成長を続けても2020年でまだ9.4兆円の赤字が存在します。

この赤字を解消する方策のひとつとして、政府は経済成長による税収増を見込む方向との報道がなされています。

しかしこれはまじめに財政再建を行うつもりがない、きわめて無責任な姿勢と言わざるをえません。
なぜなら9.4兆円の赤字という数字は、すでに経済成長による税収増分を盛り込んだ上での数字だからです。

しかもそれはこれから2020年まで毎年平均で名目３％、実質２％の経済成長をすることが前提で見込める税収増です。

そもそもこれだけの高い経済成長を続けられる保証もありません。

にもかかわらずさらなる税収増を想定して、それで赤字額の削減を見込むというのは、あまりにも現実離れです。

このようないい加減な財政健全化計画を立てて、それが実現しなかったらどうなるでしょうか。

まさに財政に対する信認が失われ、財政破綻という最悪のシナリオが実現しかねません。