昨日、先日がんでお亡くなりになられたジャーナリストの岩見隆夫さんのお別れの会が開催されました。
私は岩見さんにはおよそ20年前、大蔵省を辞めてしばらくたった時期に、岩見さんと同じ元毎日新聞記者四方さんの紹介でお目にかかりました。
以来、折に触れていろいろとご指導いただいてきました。
岩見さんはいつも「言葉が大事」と言い、演説も「原稿なしでなく、きちんと原稿を作ってやるべきだ」とおっしゃっていました。
そう言われながらなかなかこれまで実行できないできてしまった自分自身に忸怩たる思いです。
お別れの会でいただいた資料の中に岩見さんが長年執筆してきた「近聞遠見」のいくつかの記事がありました。
その中のひとつ1990年1月23日の「坂田道太『薄氷の哲学』」の中の坂田元衆議院議長の言葉に目がとまりました。
いわく「武田信玄が言っているんだが、いくさには五分五分で勝つのが上、七分で勝つのが中、十分で勝つのは下。十分ではおごりがでる。七分は怠りが生じ、五分は励みになる。実戦からでた哲学なんだね。選挙もまさにそうなんで、三百議席とれたからなんでもできると思うのは間違いだ。議長のころ、伯仲で薄氷を踏むことがしばしばだったが、不十分ながら定数是正もやったし、長い目で見れば、伯仲の方がうまい政治ができた。おごりを生じないように、薄氷を踏む思いで政治をやるのがいい」。
お別れの会には安倍総理も来ていました。
安倍総理はこの言葉に気づいたでしょうか?