Netflixでイ・ビョンホンさんのミスターサンシャイン視聴完走しました! | S美先輩の観劇・エンタメブログ

S美先輩の観劇・エンタメブログ

映画やドラマ好きに始まり、韓国ミュージカル沼、さらに日本の舞台にもはまってしまった私。日々思いついたことを綴っていきます!

ネットフリックスで、イビョンホンさんのミスターサンシャイン、視聴完走しました!
抗日時代の義兵の物語。日本人には少し覚悟がいる時代ではありますが、イビョンホンさんのアイリス以来のドラマは貴重だし、見て学ぶべきことの多い時代だからと、もともと見る予定の作品でした。
 
24話のこの作品、まず、見て本当によかったです!43億円もかけたドラマ。1話1話がまるで映画のようで、壮大です。そして作家が大好きなキムウンスクさん。私の人生最高のドラマ、シティーホールの作家さん。見ないわけにはいきません。
そしてここ半年見たドラマの中では一番泣きました。号泣通り越して嗚咽・・・。こんなにも気持ちを持っていかれるとは思いませんでした。
 
1800年代後半、アメリカ・ロシア・日本・中国などの国々が朝鮮半島を奪い合っていた時代。
アメリカがフィリピンを統治する代わりに、日本が朝鮮半島を支配するようになっていった時代。
自分の国を失うまいと、立ち上がった、名もなき義兵たちの物語です。
登場人物はかなり多くて、日本の大河ドラマ風ですね。
 
 
イビョンホンさん演じる主役のユージーン・チョイ。奴婢の息子で、些細な理由で雇い主の両班に
父親は撲殺され、母親は息子を助けるために井戸に身を投げ自害。9歳のユジンは生きるために単身
アメリカに密航し、青い目の宣教師に助けられ、アメリカ海軍の軍人、ユージーン・チョイとしてアメリカ人の人生を生きる。自分の祖国はアメリカだし、人格もすでにアメリカ人として形成されているユジンが、
朝鮮半島に赴任し、そこで両班の娘コ・エシンに出会ったことから大きく人生が変わってしまいます。
はっきりいって、軍服にとっても弱い私です^^。登場シーンからもう素敵でした、イビョンホン様!
ファンではないのにこれもすごい!
 
両班の娘、エシン。祖父は王様を指導したほどの名家のお嬢様。しかし両親は抗日紛争のため、
日本で死亡、本人も家族には隠れ、義兵として10年間を過ごす。同じ両班の婚約者がいるものの、
10年も日本に留学して全くあったこともなく、すでに28歳に。ユージーンとエシンが出会ったときには
ユージーンは38歳なので、10歳前後の歳の差ですね。
エシンを演じたキム・テリさん、映画「アガシ(お嬢さん)」で拝見していました。あの映画、かなりエキセントリックで、地味な女子の役でしたが、この両班のお嬢さんの役、とってもお似合いでした!
絶世の美女ってわけではないのですが、世間知らずな一面も大きい貴族階級のお嬢様、とっても
上品で、話し方や立ち振る舞いもお見事。でも義兵なのでスナイパーでもあり。
ユージーンのために英語を学ぶ場面も本当に愛らしかったです。
 
こちらはピョン・ヨハンさん演じるキム・ヒスン。お金持ちの両班の長男で、エシンの婚約者。
典型的なお馬鹿なおぼっちゃまキャラなんですが、個人的には大好きでした。
おひげもとってもお似合いで、美しく。エシンに恋におちてからは、どんどん好きな女のために変わっていく様もすてきでした。
 
こちらはユ・ヨンソク君演じる浪人役のク・ドンメ。ペクチョンに生まれ、朝鮮時代では最下層の身分。
早くに両親を亡くし、日本にわたり、浪人として長い時代を過ごす。こちらも、子供時代にエシン
に救われた過去があり、エシンへの屈折した思いを抱えた不幸な男。
ユヨンソク君は医師生活やキムサブの優しいお医者さんのイメージだったので、意外な配役でした。
個人的には、このノアール感満載の役をこなすには、ちょっと弱かったですね・・。
あと非常に日本語の多い役で、日本に長年いた役なので、もうすこし日本語が堪能な俳優さん
でやってほしかった。
私の妄想キャスティングでは、チュジフン君みたいな圧倒的な美しさのある俳優さんにやっていただくと
よかったかなと。おひげが似合う俳優さんを希望します。(ひげフェチなのでW)
 
キムミンジョンさん演じる工藤ヒナ(イ・ヤンファ)。貧しかったが頭の良かった父、イ・ワンイク。この方がまあ極悪人です。(日本語がすごいお上手!)
いわば、国を日本に売ろうとしている朝鮮人役です。
頭脳と努力で通訳官として地位を築き、金のために娘を歳をとった日本人に嫁がし、ほどなく夫が
なくなり娘はグローリーホテルのオーナーになる。親の愛を渇望するも、強く美しく頭の良い女性。
それが工藤ひな。
キムミンジョンさんは、ドラマ「アイルランド」で見たばかり、ほかにもいろいろなドラマで拝見していますが、この役は本当に素敵でした!
 
日本の籍を持っているため、着物をきたり、ドレスを着こなしたり。
着物の着こなしもお上手でした。
さらにはフェンシングもお上手で、銃も使いこなす。
いつも冷静沈着、クールなオーナー姿、個人的にはエシンよりもこちらに感情移入してしまいましたね。
日本語もお上手だし、英語・フランス語まで流暢でいらっしゃいました。
でもいつもユージーン・チョイへの報われない思いを抱えている役で、時に気持ちを吐露する場面、胸が痛かったです(涙)。
 
男性3人の中ではユージーンが一番好きでしたけれど、あとの二人の中では、クドンメよりもキムヒソンが秀逸でした。(ここは好みですよね^^)
ミセンでも思いましたが、若いのにヨハン君演技がうまい!優しく紳士で、しかも面白いこのヒソン役。
ともすれば軽薄になりがちなんですが、笑いの中にエシンへの想いや朝鮮への想いを挟み込んできて・・・。ほかの作品もまた見たい俳優さん。ヘドウィグのミュージカルも演じてらっしゃって、大人気でしたよね^^。
 
三人とも全く性格も出自も違うのに、ヒソンがいるからこそ、この三人が仲良くなってました。
この三人並びの構図も大好き^^。みんないちいち一言多いし(笑)。
 
このドラマのすごいところはメインキャストの5人以外の俳優さんも、全員うまいこと!もう名優ぞろいで、
それぞれにストーリーがあり、最後は泣かされっぱなしでした・・・。
義兵のボスを演じたキムガプスさん。陶工の老人を演じながらも実は義兵のトップ。この人のおかげで
ユジンはアメリカに渡れたので、恩人の一人。キムガプスさんは大好きな俳優さんで、いつも外れなし!
そのしたは、エシンに銃をおしえたスング。まっすぐな性格の猟師。最後は王様も護衛する立場に。
スングにも最後もう涙涙・・。
 
image
こちらはエシンを護るお二人。じいやとばあや的な方々ですが、このお二人の漫才コンビも毎回おもしろい。でもエシンのためにはすべてを投げ出す二人。特にハマンテを演じた女優さんは、椿が咲く道の
お母さんでも泣かされました。このドラマでも、セリフが重い・・・。二人の人生はすべてエシンのためにあり、エシンのために終わっていくのです(涙)。
image
9歳のユジンを追うチュノだったこのお二人、仕事がなくなってからは機転を利かせ、何でも屋兼質屋の
「ヘドゥリオ」を開く。相方は絵師だったので、偽造書類もお手の物(笑)。この二人もユジンをアメリカに逃がすのに手を貸していて、この店にユージーンとして何度も訪れ、なんどもユージーンを助けることとなる。この二人の掛け合いも楽しかった!
 
image
こちらは私のお気に入りとなった、ユージーン・チョイの上官カイル。これがまあ好みのいい男で♪
人種差別に苦しんだユージーン・チョイの良き上司・友人で、なんどもユージーンを助けます。最後の最後まで。
「太陽の末裔」では悪役だったけれど、今回はとっても良い役で、明るいアメリカ人役・。
イビョンホンさんの英語があまりにも流暢なので、カイルと話すときも全く違和感なしです!
さすが世界のイビョンホンさん♪ここが片言だと、がっかりしちゃいますもんね。努力の人!
 
image
こちらはアメリカ軍の通訳イム・グァンス。これがまたいいんです~。ユージーン・チョイと話すときに
結構軽口たたいたり、いつも物静かでクールなユージーンも、彼の前では冗談も皮肉も言ったり。
プチ漫才状態でいつも楽しみでした~^^。
この方も最終回では、泣かされました。メインキャスト5人のストーリーが終わって泣き崩れているところに、スーツを着たこの通訳がでてきて・・・。最後の最後まで心を持っていかれます。皆さん、最後の最後まで目が離せませんよ(涙)。
 
image
しかしなんといっても私にとってはイビョンホンさんの魅力が大きかったです。
子供時代は椿の咲く道のあの子役がやってます!
キムテリさんと年齢差20歳もあるんですが、全然そんな風には見えませんでした。
年齢的に、アイリスのころより枯れた感じの紳士になっていて、それもツボ♪おててもきれい~♪
グローバルスターなので、英語は昔見た映画のころよりも明らかに流暢、しかも日本語もさすが韓流スター、お上手です!
このドラマでちょっとハードルが高い点として、日本語のシーンが非常に多いということ。作品的に、
まず日本人が出るのは難しいと思いました。作品の中でネイティブな方は2,3人のみ(在日韓国人の俳優さんだということでした)。あとは片言になる俳優さんがほとんどなので、聞き取りができないことも
ちょいちょい。(そのためか日本語の字幕が付きますね)。稚拙な日本語が気になりますが、それを
乗り越える必要があります。
その点イビョンホンさんの日本語はお上手でした^^。
逆に、朝鮮語は流ちょうに話せてもハングルが読めない役だったので、エシンにばれたときが可愛かったです。そして可愛がっている朝鮮の少年にハングルを教えてもらってる姿もツボ。パッチム11個も
あるから大変とかいったりしてw。わかるーーー^^。
 
ほら、二人並ぶとおにあいでしょ?こんなクラッシックな衣装、お二人ともとってもお似合いです♪
 
数年前のスキャンダルの影響もあるかとは思いますが、エシンとユージーン・チョイのラブラインは
本当にプラトニック。こういうアプローチも両班のお嬢様にはぴったり。
このエシンに靴を履かせるシーン、ものっすごいときめきました。こういうところはアメリカ人ですものね。
 
いつもクールで冷静沈着、感情をあまり出さない優秀な軍人ユージーン・チョイ。これがときおり
エシンの前でみせるかわいいところや悲哀、そのギャップがもう駄目でした、素敵すぎて。
雄弁じゃない男って、いいですよね♪おまけにあの声。あまりにもいい声でいらっしゃって、その上
さらっと短く冷静にお話をなさるので、いちいち恋に堕ちそうになります(笑)。
 
キムテリさんは本当に素敵な女優さんなのですが、エシンっていうキャラクターには実はあまり肩入れ
できませんでした。
三人の男に想われながらも、三人とも不幸にしてしまいました・・・。特にユージーン・チョイは何度も
エシンに突き放されて(涙)。女って時に男より全然残酷ですからね。
あたしなら間違いなくアメリカ行きの船に乗るな!って思ったり。
それでも、エシンとユージーンがともに過ごす場面は、とても胸に刺さるセリフや場面が多かったです。
片言の英語を覚えて果敢にユージンに話すエシン。それを優しく直したり教えたりするユージーン。もう
その一言一言に愛情があふれていて。たとえそう簡単に手をにぎったり触れたりしなくとも、ユージーンの視線だけでその気持ちが痛いほど伝わります。(個人的には手の早い男が好きですが)
時折笑うとこれがまさにキラースマイル♪さすがイビョンホンさん♪
 
時代に翻弄されたメインキャストのラブラインや人生、さらに義兵の人生も丁寧に描いたこの作品。
日本と日本人は完全悪として描かれているので、そこはドラマとして受け取りつつ、近い事実があったからこそこの脚本が生まれえる、と、のり越える必要があります。
また朝鮮人の中にも差別や悪が描かれていることも胸が痛く、考えさせられる作品でした。
義兵として国を救おうと命を懸けるエシン。しかしユージーンが奴婢だと知った時の心の動揺。
その時代、奴婢は両班の財産でしかなく、生かすも殺すも主人次第、もののような存在だったから。
同じ朝鮮人の中での差別。ユージーンから「誰のための国をつくるのか?そこでは奴婢は、ペクチョンは
住めるのか?」と問われ、あまりにも狭い社会しか知らなかったことに驚愕するエシンの反応も、この時代ならでは、でした。
 
見る人によって好き嫌いが間違いなく分かれる作品だと思います。恥ずかしながら近代史を学ぶ機会が学生時代には全くなく、成人してアジア圏の友人が増えてから日本とアジアの近代史を学びだしたので、個人的には、この時代の作品を見ることは必要だな、と思っています。
知らないということは、気づけないし、理解ができない、だから判断のしようがなくなりますからね・・。
ここは個人の考え方次第でしょうか。
 
そのうえで、役者が素晴らしい作品だったので、このドラマをみられたことは本当によかったと感じています。しかも感情移入あまりにもしすぎて、翌日からすでにユージーン・チョイロス。
ある意味愛の不時着のリジョンヒョク越えでした(笑)。
愛の不時着より、5倍は泣いてしまい・・。不時着より泣ける作品が今期あるとは
思っていませんでした。
北朝鮮からソウルにくるのも大変ですが、
1900年初頭に朝鮮から日本経由でニューヨークに行き来するの、大変よね、船だし・・。
一人の女のために、すべてを捨てて笑顔で舞い戻るユージーン・チョイ、惚れないわけがありません!
楽曲もみな秀逸で、観終わってすぐにOSTもぽちりました(笑)。
 
このドラマは、私の好きなドラマの一つになりました。多分少し時間をあけて、もう一度見ると思います。
重い作品ではありますが、名作です!あっという間の24話、見るチャンスがあって幸せでした!
エシンに、「別れる時の言葉はGood bye ではなく、SEE YOU AGAIN」だと笑顔教えていたユージン。
最後に「クロン、グッバイ」と優しい声で語るユージーン・チョイにまた会いたいから。