結局、自分の価値を決めるのは、自分自身。
このところ、20代後半から40代の、年商100億円規模の会社を率いる経営者の方々とお話しする機会が増えています。
これが、本当に面白い。
もちろん、皆さんそれぞれ個性も違うし、経営スタイルも違う。
でも、対話を重ねていると、ある共通点が見えてくるんです。
それは、「視座」と「メンタル」。
そして、もう一つ。
幸せそうな経営者は、ほとんどのことを笑っている。
これ、最近とても興味深く感じていることなんです。
見ている世界が違う
まず、視座。
同じ出来事に遭遇しても、そこから見えている景色が違う。
例えば、何か問題が起きたとき。
「誰が悪いのか」「なぜこんなことになったのか」「自分はどう評価されるのか」
というところに意識を向けるのではなく、
「さて、ここからどうしようか」
「これ、何か面白い展開になるんじゃない?」
「もっと大きな目的から考えたら、どう判断する?」
という方向に思考が向かっている。
問題が起きていないわけではないんです。
むしろ、会社の規模が大きくなればなるほど、背負う責任も、直面する問題も大きくなる。
それでも、出来事に飲み込まれない。
目の前の問題を、もっと大きな全体の中で捉えている。
そして、時には笑い飛ばしてしまう。
これって、すごいことだと思うんです。
メンタルが強いとは、傷つかないことではない
メンタルが強いというと、何があっても落ち込まないとか、傷つかないとか、いつも自信満々でいることだと思われがちです。
でも、私が感じるのは少し違います。
彼らだって、当然迷うし、悩むし、失敗もする。
大きな責任を背負っているからこそ、私たちには想像できないようなプレッシャーもあるでしょう。
でも、そこで簡単に自分の存在価値そのものを疑わない。
ここが大きいのではないかと思うんです。
心理学には「自己価値の随伴性」という考え方があります。
これは、自分の価値を何に結びつけているか、ということ。
例えば、
人から褒められたら、自分には価値がある。
成功したら、自分には価値がある。
認めてもらえたら、自分には価値がある。
逆に、否定されたら、自分には価値がない。
失敗したら、自分はダメな人間だ。
こうして、自分の価値を外側の評価に委ねていると、人生はとても不安定になります。
だって、他人の評価も、結果も、自分では完全にはコントロールできないから。
でも、自分の価値を自分で認めている人は、失敗しても、自己の存在価値まで失わない。
失敗したのは、今回の判断かもしれない。
足りなかったのは、知識かもしれない。
改善すべきなのは、行動かもしれない。
でも、それは「自分という人間に価値がない」ということではない。
この区別ができることは、ものすごく大きいと思うのです。
幸せな経営者は、なぜよく笑うのか
そして、ここからが今日、特に書きたいこと。
私がお会いする経営者の中でも、幸せそうな方々は、本当によく笑うんです。
失敗談も笑う。
想定外の出来事も笑う。
自分のちょっと情けない話なんかも、面白おかしく話してくださる。
もちろん、何でも笑って済ませるという意味ではありません。
深刻に向き合わなければならない問題には、きちんと向き合う。
でも、問題には真剣でも、自分自身を必要以上に深刻にしない。
ここが、とても素敵なんです。
心理学では、困難な状況をユーモアによって捉え直すことが、ストレスへの対処に役立つ場合があると考えられています。
ユーモアには、目の前の出来事と自分との間に、少し距離をつくる働きがあるんですね。
例えば、何か大失敗をしたときに、
「ああ、もう最悪だ。自分はなんてダメなんだ」
と捉えるのか、
「いやあ、これはまた、すごい経験をしてしまったな(笑)」
と捉えるのか。
起きた出来事は同じでも、その後の思考や行動は大きく変わります。
もちろん、笑えば何でも解決するわけではありません。
でも、笑えるということは、そこに少し余白があるということ。
自分の失敗さえも、人生の一場面として眺められる。そして、その余白があるからこそ、次の一手を考えられる。
笑いは、現実から逃げるためではなく、現実に向き合うための力にもなる。
私は、そんなふうに感じています。
自分の価値を守るために、人生を小さくしていないか
私たちは、知らず知らずのうちに、
自分の価値を守ろうとします。
失敗したくない。
恥をかきたくない。
人から能力がないと思われたくない。
だから、挑戦しない。
あるいは、自分がすでに評価されている場所から出ようとしない。
でも、もし自分の価値が、成功や他人の評価だけで決まるものではないとしたら?
もっと自由に、失敗できるのではないでしょうか。
もっと素直に、人から学べるのではないでしょうか。
そして、自分の失敗を、もっと笑えるのではないでしょうか。
私は最近、ここに大きな違いがあるように感じています。
自分の価値を証明するために生きるのか。
自分の価値を信じて、人生を使っていくのか。**
似ているようで、まったく違う。
前者は、いつも何かを証明し続けなければならない。
だから、失敗が怖い。
他人の評価が気になる。
時には、自分を大きく見せなければならなくなる。
でも後者は、証明することにそれほどエネルギーを使わなくていい。
失敗したら、修正すればいい。
知らなかったら、教えてもらえばいい。
うまくいかなかったら、もう一回やればいい。
そして、時には、
「いやあ、やっちゃったあ!」
と笑えばいい。
その軽やかさが、次の挑戦を生み出すのだと思います。
視座が上がると、自分への問いが変わる
そして、面白いことに、この「視座」と「メンタル」と「笑い」は、つながっているように思います。
自分がどう思われるか、ということばかり気にしていると、どうしても視野は狭くなります。
でも、自分の価値が揺らがなくなると、意識をもっと外へ向けることができる。
自分の会社は、社会に何を生み出せるのか。
自分たちの事業は、次の世代に何を残せるのか。
この人の可能性を、どうすればもっと引き出せるのか。
自分を守るための思考から、何かを生み出すための思考へ。
ここに、大きな転換があるのだと思います。
もちろん、売上が大きいから人間として優れている、という話ではありません。
100億円の会社を経営しているから、その人の価値が高いわけでもない。
むしろ、私が感じているのは逆なんです。
売上や肩書によって自分の価値を決めるのではなく、自分の価値を他人に預けすぎないからこそ、大きな挑戦に向かえるのではないか。
そして、その挑戦の過程さえも楽しんでいる。
そんなことを感じるのです。
人生は、もっと面白がっていい
私自身も、まだまだ学ぶことばかりです。
新しい世界に入れば、知らないことだらけ。
昨日までの経験が通用しないことだってあります。
でも、それでいいんだと思います。
知らないなら、学べばいい。
できないなら、できるようになればいい。
間違えたなら、修正すればいい。
そして、できれば笑っていたい。
だって、人生って、思い通りにならないことだらけじゃないですか。
それを全部、深刻に受け止めていたら、なかなか大変です。
もちろん、悲しいときは悲しんでいいし、苦しいときは苦しんでいい。
無理に笑う必要なんてありません。
でも、少し時間が経ったときに、
「あれも、なかなか面白い経験だったなあ」
と思えたら。
それは、人生を生きる力なのではないかと思うのです。
そして、これは経営者だけの話ではありません。
子育てでも、仕事でも、人間関係でも、人生のどんな場面でも同じ。
誰かに認めてもらうために、自分を小さくする必要はない。
誰かに否定されたからといって、自分の価値まで差し出す必要もない。
もちろん、他人の意見に耳を傾けることは大切。
謙虚に学ぶことも大切。
でも、他人の意見を受け取ることと、他人に自分の価値を決めてもらうことは、まったく違う。
結局、自分の価値を決めるのは、自分自身。
だからこそ、もっと自由に学べる。
もっと大胆に挑戦できる。
もっと人生を面白がれる。
そして、自分のことばかりではなく、誰かのために、社会のために、未来のために、エネルギーを使える。
最近、若い経営者の方々との対話を通じて、そんなことをあらためて考えています。
自分の価値を証明する人生から、自分の可能性を使い切る人生へ。
そして、できることなら、その道のりを笑いながら歩いていきたい。
真剣に生きることと、深刻に生きることは違うのだから。
私も、まだまだ次のフェーズへ。
いやあ、人生って、本当に面白いですね。
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