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本好きな古本屋が読んだ本

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レイジ



またまた久しぶりの更新となりました。

本の紹介前にちょっとお知らせ。これまでは面白かったものでも、つまらなかったものでも読んだ本を何でも紹介していました。

今回からはおすすめ出来る本や、紹介したいと思った本だけ取り上げていこうと思います。また、最後に個人的な満足度として星評価もしていましたが、それもやめます。


というわけで、改めまして今回紹介する本は誉田さんの「レイジ」です。

誉田さんの作品は久しぶりに読んだ気がしますね。

誉田さんと言えば、「ストロベリーナイト」が有名ですし、警察小説を想像する人も多いと思います。ですが、個人的にはこの人は青春小説という感じなのです(誉田さんの警察小説読んだことないし…)。

誉田さんの青春小説と言えば、剣道に打ち込む女子高生を描いた「武士道シックスティーン 」が代表作になるかと思います。また、音楽の世界を描いた「疾風ガール 」もありますね。

今回紹介する「レイジ」は、「疾風ガール」と同じく音楽の世界を描いたものです。

音楽好きな中学生の礼二と航が主人公となっていて、2人の視点で交互に物語が進んでいきます。

礼二はとにかく歌が上手くて、曲作りも自分するストイックな感じの男の子。
航は洋楽を好きになったことから、バンドを作ろうとするちょっと軽い感じの男の子。

この2人がバンドを組んで、ケンカしたり、挫折したりしながら少しずつ成功に向かっていく物語…

かと思いきや、まったくそういった展開にはならないのですね。

中学2年で航が礼二を誘って、同じバンドメンバーとなりますが学園祭で行われた最初のライブが終わると、礼二は脱退してしまうのです。

で、その後はそれぞれが別々に音楽活動をしていくことに。

2人の関係はほとんど断たれてしまいますが、一人の女の子が間に入って薄く縁が繋がったままにはなっているのです。


その後はまあ音楽を志す若者が経験しそうな、挫折の繰り返しという感じがずっと続きます。

これだけだと飽きが来てしまいそうなところですが、航と礼二の2人の成長が微妙なすれ違いがありながら物語になっていくので楽しめてしまいます。


物語の時代背景としては、1990年代が主人公たちにとってちょうど青春時代という感じ。年代でいうと中学2年~30代中盤あたりまでを描いています。2人の成長を丹念に追っていくという感じではなく「人生をダイジェストでまとめました」みたいな勢いでストーリーがどんどん進展していきます。


音楽を志す若者の青春物語で、著者の経験(元々ミュージシャン志望)を活かしたのでしょうがライブに至る経過や、ライブの実態などなどかなり細かくリアルティがありますね。

物語の最後まで成功するのか?しないのか? そもそも航と礼二はまた交わるのか? と興味惹かれる内容になっていて適度に焦らされるので一気に読んでしまいました。


私が今35歳なのですが、この前後くらいの年代の大人が読むとかなり感情移入できて楽しめると思いますよ。もっと上の年代で若い頃の気持ちとか薄れていると楽しめないかも。

あと、誉田さんの小説は会話や言葉使いが自然でいいですね。久しぶりに誉田作品を読みましたが、やはり他作家さんのような、現実にはあり得ない固い会話と比較すると読みやすいですし、感情移入しやすく引っかかることなく読めます。


若返りたい人はぜひどうぞ。



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