『忍びの国』を読んで | ほぼテンダネスのブログ

ほぼテンダネスのブログ

韓流・華流ドラマが好きです♪
時々更新する気まぐれブログです。
よろしくお願いします☺❤

最近の戦国映画と言えば岡田准一君の『関ヶ原』か、戦国時代ではないけれど、侍っぽい『銀魂』が超人気ですよね。『銀魂』シリーズは1度も見た事がないですが、CMを見るとドンドン気になる〜♪

1ヶ月程前かな、テレビで映画『忍びの国』の予告編を見ました。興味を持ちましたが、わざわざ見に行く程ではないかと見ていません。
そしたら、先日知人が「読む?」と原作本を貸してくれました。最新版ではなくて2008年発行の初版本です。
「こんな前に出てたんですか?」「そうなの。最近映画でやってるから、久しぶりに本棚から出して読んだんだけど、面白いよ。私は、同じ作家さんが書いた『のぼうの城』より こっちの方が好きだわ」とおっしゃるので読みました。
面白かったです。
話の内容は楽しかったし、アクションは飽きませんでした。
ただ、映画予告編のインパクトが強くて、その印象と重ねてしまいました。

映画の主演は嵐の大野智君。


大野君は、沢山の作品で主役をされている中『怪物君』『死神君』とCGを使った物にも出てます。『怪物君』実写化なんて・・・と最初は鼻で笑ってたのですが、大野君だからできたんだな〜と感心しています。

『忍びの国』も実写化にはウラワザが必要な作品です。忍者の動きは、普通の人ではできないですもんね。スポーツエンターテインメント番組『SASUKE』や消防士さん達の「消防救助技術大会」とか見ていると、小説の動きが可能に思えますが、事実はどこまで小説に近かったのかなと思ったりします。

子供の頃、伊賀上野に行きました。忍者屋敷を見たり、手裏剣飛ばしを見た記憶があります。お屋敷にはドンデン返しの壁や 床から侵入できる廊下、床の間の掛け軸の裏の抜け道などがありまして、案内の忍者さん達が実演してくれました。面白かったなぁ
さて、忍者の特技は高く飛ぶこと。
訓練で、筍の上を毎日ぴょんぴょん またぎ、段々竹となって伸びていくのを飛び越えていくうちに高く飛べるようになる・・・という話を聞いた事があります(笑)
鍋の蓋の様なウキを足裏に括りつけて、アメンボのように水の上を歩く技とか
呼吸用の筒を水面に出し、水の中に潜る水遁の術や 筒を土の上に出し土の中に潜る土遁の術は有名ですね。
小説では土遁の術が出てきました。忍者が自分の入る穴を掘っていましたが、地味な下準備が必要な、ちょっと面倒な技です。しかも本文中では、息をするための筒が強敵にばれて、数人は土から出る前に 槍で突き殺されました。悲しい技だわ。
ところで、昨日知ったのですが、今夜(8月21日)夜7時半にNHK「ヒストリア」で忍者について放送されるみたいです。タイミングいいなぁ

『忍びの国』の主人公は無門という伊賀忍者。ひょうひょうとしていて、自分の利益になる事以外は動かないし興味もない。けれど、一旦仕事を引き受けたら、笑顔まで浮かべて暗殺や惨殺をする伊賀一の忍び。
このマイペースで、時々見せる ひょうきんな様子が大野くんに合ってると思います。仕事となるとカッコよく こなしてしまうのも似てるかも。
ただ、無門は残忍で悪魔の様な顔も持っています。これは伊賀忍者の代名詞です。人情がなく部下や仲間の命なんかは何とも思っておらず、それが当然と考えている。
そんな「人間ではない」集団の上にいるのは地侍と言われる66人の小領主達。この地侍も下人を道具としか思わない残忍で強欲な者達。
しかし、いざ外から伊賀に攻め入る敵があれば、66人の中から選ばれた12人が中心となり、伊賀を結束させる。
今回小説の中心となる 実際にあった織田信雄(のぶかつ)と伊賀の里との戦は、強欲な地侍達が裏で画策した事だった。

A地侍とB地侍が戦をし、その戦の中でA地侍の次男 が殺される。しかしA地侍は少しも悲しまない。それを見て長男は父親も含めた伊賀の者達の非情さに愛想をつかし「人にはあらず」者達を消してもらおうと、織田信雄の下へ行く。
しかし、これはA地侍の計画通りで、次男の死で長男がこうなると見越し、わざと自分の息子(次男)を無門に殺させ、長男に信雄を焚き付けさせ、信雄が伊賀を攻めるよう仕組んだのだ。
なぜなら
もし伊賀が織田に勝てば(勝つと思っている)伊賀忍者の評判は高まり、色々な城主に忍者を雇ってもらえる。そうすれば外貨(伊賀の里の外からお金)を稼げ、地侍の懐が温まるという訳だ。
お金のためなら息子を殺したり敵に回す。ひどっ
そんな戦の中、伊賀一の忍者 無門は自分の利益を求め走り回る。
無門の唯一の弱点は安芸のある大将の館で見つけた お国という美女。
初めての出会いで、睡眠術をかけ拐かそうとしたが、術がかからず、逆に圧倒される。
強引に伊賀に連れてくるも、大金を稼ぐまで夫婦の契りを結ばないという約束で、お金のない無門は夫になれない。凄腕の忍者も最近人殺しの仕事が減り、貧乏だった。
そして、死神の様な無門は、この戦でお金のために活躍するうち、いつの間にか、お国を守るためだけに戦うようになる。お国が無門を人間らしくしてくれたのだ。
戦の終わり頃、お国は心から無門を心配し、その事で無門は幸せを感じる。
しかし、敵に囲まれた無門を助けるため、国宝を壊して敵の気を引きお国は死ぬ。
悲劇です。
けれどほぼテンは、人殺しを生業としてきた無門が、一番大切なものを失ったというのは因果応報かもしれないと思うのです。

結局、伊賀の里は織田軍に勝ちます。
超人相手に織田軍もよく頑張りました。
ほぼテンは織田軍を応援してたんだけどなぁ、歴史はシビアでした。

追記
NHKヒストリア見ました
『忍びの国』では織田信雄軍の負けとなっていましたが、2年後織田信長が攻めてきた時は半端ない攻撃に伊賀が負けたみたいです。毎日何人も酷い殺され方をしたなんて、忍者の里が可哀想だったわ。それに『忍びの国』とは違う、家族想いの人達の姿がありました。だから敵の目を眩ませて逃げた人達が沢山いたと知って、ほっとしました。・・・やっぱり忍者はかっこいいんじゃ。