アニメ『進撃の巨人』The Final Season 完結編(後編)を見た。
Season1が2013年に始まり、4年空いた2017年にSeason2、その後毎年Season3、Season4、Final Seasonと続いた。
しかし、Final SeosonはPart1(2021年)、Part2(2022年)、完結編と分かれていて、今年の4月に完結編の前編、そして完結編の後編がおととい放送されてやっと終わった。
完結編後編、戦闘シーンをはじめとしてすばらしい出来だった!感動!
原作通りの終わり方だったけど、改変シーンがいくつかあった。
一番印象的だったのは、エレンとアルミンのこの会話。
日本でも「大虐殺を肯定している」みたいな意見があったからだろうか、
アルミンの台詞がアニメでは
「地獄で、8割の人類を殺した罪を受けて苦しむんだ。ふたりで」に変わっていた。
進撃の巨人は海外でも大人気。
2021年4月に漫画が終わったとき、海外ファンの中には結末が気に食わない人がたくさんいた。
当時、英語の勉強にもなると思って、進撃の巨人大好き外国人のtwitterやYouTubeの考察動画、それらに対するコメントをよく見ていた。
そこでは結末をいろいろと予想していて、「ヒストリアのお腹の子はエレンの子で、エレンが仲間も含め全人類を地ならしで滅ぼした後、ヒストリアと子どもの元に戻っていく」という成り行きを期待していたファンがけっこういたようだ。
進撃の巨人は群像劇で、登場人物ひとりひとりの個性や苦悩などがよく描かれている。ヒストリアは重要人物だけど、あくまでエレン、アルミン、ミカサを中心とした物語なので、そのような展開にはならないと思っていた。
【海外ファンの主な不満】
・最後にパラディ島とマーレが手を組み、友情みたいな話になったのがイヤ。
・最後にロマンスみたいな展開になったのがイヤ。
・80%といわず、100%地ならしするような、もっと過激なエレンが良かった。
・ 「ミカサに男ができるなんてイヤだ!」とダダをこねるエレンに「なんだこのエレン?」と呆れ果てる。
・愛すべきキャラクターであるライナーの最後のシーンがヒドすぎる。(ヒストリアの手紙のにおいを嗅ぐ)
・単行本における追加の4ページで、長い年月の後、またパラディ島が戦争で破壊される描写がある。それに対して「エレンがやった事、意味ねーじゃねえか!まだ別冊マガジンの結末のほうがましだ!」→作者は「戦争はそう簡単にはなくならない」と言いたかったのではと思うが・・・
怒り狂って単行本を燃やす人もいた。
彼らにとって、主人公(ヒーロー)が死んでしまうのは納得できないのだろう。
アメリカンヒーローは死なない。外国人には自己犠牲の精神が理解できないのかも。
エレンもミカサのことを思っていたわけだが、それに対して「日本人が漫画の結末に怒らないのは、ミカサがヒイズル国(日本)の血を引いてるからだ!」と不満。
連載が終わったあと、進撃の巨人の担当編集者(川窪さん)のtwitterが荒れた。
英語による罵詈雑言や脅しの書き込みがすごかった。
「おまえが諌山に結末を変えさせた!」「おまえのせいで大傑作漫画が台無しになった!」など。
見るに堪えない画像を張り付けてくる輩もいた。諌山先生のこともボロクソにこき下ろしていた。
海外ファンって過激で怖いなぁなんて。
彼らの一部はアニメオリジナルエンディングを望んでいた。
納得できない仲間で漫画を描き直している人達もいる。AoT no Requiem(Attack on Titan no Requiem 進撃の巨人の鎮魂歌)というサイトがある。同人誌的なもので自分たちで楽しむならそれは自由。
思うのだけど、漫画や小説はあくまで作者のもの。ファンは読んでる過程でドキドキしたり心を揺さぶられたりして楽しませてもらえばそれでいいと思う。
物語の終わり方はとてもむずかしい。
でも、アメリカのAmazonで最終巻のレビューを見ると、4.9なので好意的にみている人のほうが多そう。不満な人は若者などほんの一部だったのかもしれない。
で、書いていてさらに思い出したのがこの映画
『ミザリー』(Misery)
1990年のアメリカ映画。スティーヴン・キング原作の小説。
中年の女が、ベストセラー作家の男性を監禁し、彼の『ミザリー』という小説の展開が気に食わないから、自分の思いどおりに書き直させるというお話。
キャシー・ベイツはこの作品でアカデミー賞主演女優賞を獲得。
若い頃に見たのだが、とても怖かったのを覚えている。
AmazonプライムやU-NEXTに入ってる人は視聴可能。おすすめです!