新しい1年がスタートしました。
みなさんいかがお過ごしでしょうか。
さて、今年も1年、できることをコツコツと積み重ねていきます!
今回は、半年間、真面目に努力した飼い主さんの話です。
いま頑張っている人へのエールとしてこの記事を投稿したいと思います。
◯半年間の積み重ね
「マテができないし、アトへもできないんです。すれ違う犬にも吠えるようになって…」そう話す飼い主さんの足元には、大きくて力の強い犬。
リードは手放せないし、いつ急に飛び出すか、吠えだすかわからない。
リードを持つ手からは「気が抜けない!」という雰囲気。
犬が動き出すとリードに引きづられるように制止することもしばしば。
…それから半年。
ひたすらコツコツ積み重ねて、いまはピタッと待てるように!!
「マテ」のままリードを放して、1歩2歩…数メートル離れても制止しています。
聞くと、病院でも「マテ」ができるようになったといいます。
今までは、診察待ちで他の犬に吠えていたけれど、「マテだよ」と何回も伝え、犬も応えてマテをし続けてくれたそうです。
これは本当に大きな成長!
犬も飼い主さんも、本当に根気強く頑張った成果だと思います。
◯次のステップへ
最近は、時々犬が逆らってくることと、自分では成長しているのかが分からず「できてない」と思ってしまうことがキツイといいます。
でも、自分はどうなりたいのか、どうなれればいいんだろう、を考えた時に、「最終的には叱らなくて良いようになりたい」、「叱らなくなるためには今頑張るしかない」そう思ってトレーニングをしているとのこと。
ブログを読んでくださっている方にも、ある程度継続して練習をしていると、同じような悩みにぶつかる方もいると思います。
でも、叱るのはしんどいしエネルギーも必要です。
逆らいも強くなると心が折れそうになります。
こういう「叱り方」「反発」に悩んだときのポイントは
・「叱る」を減らすために、「できることに戻る」こと。
・「強く叱らない」こと。
この2つです。
まずは難易度を少し下げて練習する。それでもできなければもっと下げる。
ミスった、またミスった、またミスった…を繰り返すよりも、
「ここまで下げて、できました」のほうがいいんです。
ただし、「ここまでできたから、次も!」と思うと、また失敗する悪循環に陥ります。
できて、褒めて、終わる。
この「良い思いで終わる」は、次につなげるために大事なことです。
そして、もうひとつのコツの「強く叱らない」は、「強く叱ることが増えれば、強く反発が来る」ものだからです。
ですから、ちょっとのことでは強く怒らないこと。
強く叱るときは、大脱走や噛んだ時、バカにした態度をとるときくらい。
それ以外は、「それは違うよ」を静かに伝えることが大事なんです。
◯頑張っている自分を信じること
では、練習を長く継続していると「成長しているのかが分からない」状態になり、「(自分は)できていない」と感じてしまうことにはどのように対処すべきでしょうか。
実は「できていない」と感じるときは自信がない時が多いです。
また、自分が頑張っていることを自覚していない、認めていないことも多いです。
でも「自分はそんなに偉くも、頑張ってもないので。。。」と思ってませんか?
子供が勉強を頑張っていたら「偉いね」と思います。
同じく、犬のトレーニングを頑張ったら「頑張った私は偉い!」です!
自分のしていることは自分が一番知っています。
誰が見ていなくても、コツコツ努力をしていること、時間を割いて頑張ったこと。
これらを一番知っている自分が褒めてあげないで、一体誰が自分を褒めるというのでしょうか。
それから、「すごいね!頑張ってるね!」という周りの声は信じていいんです。
トレーナーである自分も頑張っている人には素直にそう口から出てきます。
ですからまずは、「できる」「できない」の前に、自分は「頑張ってるんだな」と思うことから。
「頑張ってる」と自覚できれば、それは自信につながります。
頑張ってる自分を信じてあげること。
自信は自分を信じることからです。
自分を信じることができれば「できる」「できない」に惑わされずに「大丈夫!」と思えるし、自信があるだけで雰囲気が変わります。その雰囲気を犬は感じるんです。
練習も積み重ねが大事です。
自信も、日々積み重ねることが大事です!
◯おわりに
コツコツと積み重ねていけば、犬のしつけは必ず成果が見えてきます。
でも毎日の変化や成長は気が付きにくく、ときに自信を失うこともあります。また、練習の段階によって新たな悩みがでてくることもあります。
でも、大丈夫です。
積み重ねたものは間違いなく、あなたにも愛犬にも蓄積されています。
そのひとつひとつが、努力の賜物です。
蓄積されたものが、次に進むための土台になっていきます。
冒頭の「待てない」と悩んでいた飼い主さんは、半年前、「この子のやりがいを見つけてあげたい」、それから「自分のことをキラキラした目で見てもらいたい」と話していました。
今はまだ、悩んだり考えたりすることが多いかもしれません。
でも、ふとしたときに見せる、犬の「応えよう!頑張ろう!」という目線、
飼い主さんが犬の反応を敏感に察知する様子、
そしてひたむきに取り組む空気感。
それは、この子がキラキラと飼い主を見つめながら、やりがいを感じる何かに取り組むときが、「もうあと一息というところまで来ているな」と感じさせる瞬間でした。