犬の変化は短期間では見えにくいものです。
生き物を育てるのですから、長期戦の覚悟は必要ですし、長い時間の中で様々な変化や向き合うべきことが起こります。
◯犬に伝わるのはずっと後
犬とともにしばらく生活をして、この飼い方ではダメだと気がつく。
この飼い主の意識の変化だけで、たいてい1年2年と結構な時間がかかります。
そこからしつけについて学び、ようやく犬に伝えようとします。
もちろん最初は伝え方や技術が不十分で、試行錯誤の連続になると思います。
そう考えると、犬に伝わり出すのはずっと後のほうです。
人間の成長や変化より遅れて、犬の変化が訪れます。
人間の意識が変わって、そのあとやっと、犬の意識が変化するんです。
◯家族の変化、家族の協力
さて、しつけに熱心に取り組むことで、家族にも変化があるようです。
こんどっくに来る方々の中にも、
・しつけについて家族で話すようになった
・犬との過ごし方の考え方が変わり、共通の考え方で犬と向き合えるようになってきた
・家族も、「ダメなことはダメ」と叱れるようになった
などと話してくれる方はいらっしゃいます。
このように、家族で同じ意識を持つことは理想的です。
一緒に生活をする人が同じ意識でいるほうが、協力してしつけをすすめていけます。
◯甘やかすと崩れる
しかし、「しつけは◯◯(例えば母親)が担当でおまかせしている」という家庭も多いです。
このようなとき、家の中の誰かが「ひたすらかわいがりたい」、「遊ばせてばかりでダメなことは叱らない」など甘やかす方に偏ってしまうと、犬は一生懸命しつけをしている人の言うことを聞かなくなります。
家族間で方法が違えば、犬は当然、甘やかしてくれるほうがラクだからです。
どんどんオヤツは食べるし、イタズラもする。そして、甘やかされたい。
高い目標を犬が自ら掲げるわけはないんです。
甘やかした部分から崩れていきます。
「甘やかし」はしつけに大きく影響します。
ですから、一緒に生活をする以上、家族の中で話し合い、理想は協力体制、少なくともしつけについて同じ方向を向くことは本当に大切です。
(後編に続く)