大人になってから、うまくいかなくて「泣くほど悔しい!」と思えるような、一生懸命になれるものはありますか?

 

アジリティや服従訓練などの大会への参加は、飼い主の意識を大きく変えるものがあります。そこには、「飼い主の成長」があります。

 

前回に続き、大会参加後に聞いたリアルな感想をご紹介しています。

2組目の感想をどうぞ!


 

 

  ◯こんなに泣くとは思いませんでした

 

 

悔しい気持ちでいっぱいでした。

もう本当に、全体が悔しかったんです。

 

最終的に、圧倒的に練習が足りないと思いました。

それが大会は形になってでてしまう。

 

普段の練習では、家でも、トレーニングに通っているときでさえ、練習してできなければ

「今日はできなかったなぁ。あーそうか」で終わっていました。

 

けれど、大会に出るとハッキリとでてしまうからそんなふうには流せない。

 

だからすごく悔しかったです。

会場でもボロ泣きしたし、帰ってからも泣きました。

 

正直、こんなに泣くとは思いませんでした。


 

  ◯時間は作るもの

 

 

ただし、出場して悔しいと思ったからこそ、練習への力の入れ方が変わりました。

 

「練習足りないな、それならちょっとした自分の時間を削ってでもやらないと!」と思ったんです。

 

それまでは、「自分で作った時間」ではなくて、「時間あるからやろう」でした。今は時間を作らないとダメだ!と変化しました。

 

これは大きな変化だと思います。

 

人間のための、飼い主の成長のための大会出場。

いつも言われますが、結局は飼い主次第だったんだな、と本当に痛感しています。


 

  ◯泣くほど悔しくなれるものはありますか?

 

 

以上が2組目の飼い主さんの感想です。

悔しさと、これからの意気込みがバシバシ伝わってきました。

 

実際私が色々な飼い主さんに「練習しなさい」と伝えてもやるのは15分から30分です。

 

でも、素人ではそれでは足りないんです。とはいっても、それを指摘してもやりません。

「リラックストレーニングです」と濁されます。

 

1日は24時間あるのに、15分しかやらない。それではうまくいくはずがないんです。

 

けれど、悔しい経験をして「全然できない」を体感することで、意識が変わります。

 

だから私は早い時期から大会参加を促します。そこで意識が変わると、1年後2年後に、雲泥の差になると知っているからです。

 

そしてこの、飼い主の気づき、気持ちの変化は、飼い主の人間的な成長となります。大人になってから、成長する機会になるんです。

 

人は大人になるにつれ、恥ずかしさ、悔しさ、新しい挑戦、一生懸命になること…をしようとしなくなります。「現状維持」や「まぁこのくらいでいいか」を好むようになります。

 

その結果、どんどん成長から遠ざかります。


 

実際に、みなさんが最後に「悔しい」と泣いたのはいつでしょうか。

悔しいと泣けるほど、一生懸命になれるものはあるでしょうか。

 

悔しいと泣き、それをバネにして次につなげようと努力する。その試行錯誤の先にあることが成長なのではないでしょうか。

 

子どもは1年や半年、ときには数日といった短期間で見違えるほど成長します。

それは、経験の乏しい子どもにとってはすべてが挑戦で、そこに体当たりでぶつかるしかなく、考えて、試して、色々なことを吸収していくからです。

 

大人も、いつでも、今からだって成長できます。

悔しい!に立ち向かうことさえできれば。

 

悔しい!をバネに、犬との向き合い方を見直すことは、自分自身とも向き合うことになります。その過程で、人としての価値観や考え方にも良い変化が表れます。

 

それをあなたと今一緒に過ごしている、愛犬の存在が教えてくれる。

 

犬はただのペットではありません。一緒にいる私達を成長させてくれるかけがえのないパートナーだと思うのです。