人間と同じように、犬にも様々な性格があります。

 

トレーニングをするときはその性格も考慮して接していくと効果的です。

 

例えばこちらのトイプードルは、とっても元気。ちょっぴり甘えん坊でいつも飼い主さんにベッタリです。

 

ふわふわの見た目と愛くるしい表情は見ているこちらも癒やされますね。

 

けれど気を付けないといけないことは、この甘えん坊の度合いがすぎると、どんどんわがままになってしまうことです。

 

そこでトレーニングでは、甘えるときと、いまは話はきちんと聴こう・指示を聴こうというときのメリハリをつけることから始めます。

 

 

こちらの写真は甘えている様子。とても安心して体をすっかり預けています。

 

 

それがトレーニングではこの表情。

一言も聴き漏らさないぞ!という雰囲気が伝わってきます。

 

 

特に、目はしっかりと指示を出す人の方に向いています。

意識を集中しているのです。

 

毎日の生活の中でメリハリをつけるには、このように集中するときと、安心して過ごすときをしっかり区別することが大切です。

 

もちろん集中させるときは怒ったり叩いたりせず、その子のペースにあわせて教えていきます。

 

このとき、教える側がまずは真剣にならなければいけません。

 

犬の目が指示を出す人の方に向いているのは、指示を出す人が真剣に犬を見て、真剣に伝えようとしているからです。

 

「目は口ほどにものを言う」とは言いますが目をそらさず、しっかりと犬の目を見ることで、真剣さが伝わります。

 

犬が見ている視線の先に、自分の視線を受け止めてくれる人がいること。

 

それは自分のことを思っていてくれて、安心して自分をゆだねても良い存在だということ。

 

それを感じ取るから、その人が伝えようとしていることを理解しようとするのです。

 

真剣さは、愛情そのもの。

 

だから、気まぐれに、または感情にまかせて伝えてはならないのです。

 

感情や気まぐれでトレーニングをすると、どんなときに何をすればよいかの基準がバラバラになるので、どれが正しい指示なのかが分かりにくく、混乱させてしまいます。

 

また気まぐれなトレーニングでは、教える側にとっても、犬にとっても「別に指示を聞かなくても良いな」という、なあなあの気持ちが芽生えることになり、真剣さが伝わりません。

 

 

 

真剣になるときは、長時間でなくて構いません。

 

短い時間でも、「あ、いまは本気だ」と思う瞬間が犬に伝われば問題ありません。

 

愛情をもって真剣に向き合うことができれば、犬は「指示を聴く」ということができるようになります。

 

それができてはじめて、「ふせ」や「まて」などを覚える次のステージに進むことができるのです。