犬のしつけをする上で、「褒める」ことは有効な手段です。
「しつけ」というと怒ったり叱ることをイメージする人も多いと思いますが、そうではありません。
また以前の記事でもふれたように、犬が褒められていると理解していることは大切なことです。
犬も、人間と同じく褒めてもらえると嬉しく感じます。ですから、褒めることを基本にしつけをしていきます。
ただし、褒めることは慣れるまでは意外と難しいもの。
ポイントは、小さなことでもできたことを褒めること。
「まて」や「ふせ」、散歩中の歩き方など、何度も何度もトレーニングしていることは一生懸命覚えていることです。
もし昨日できなかったことが、今日少しでもできるようになったとしたら、それはその分、頑張って覚えたということ。
見た目には小さな変化でも、一生懸命頑張っているのです。
昨日より10秒長く「まて」ができた。
リードを引っ張って伝えなくても声の指示だけで「ふせ」ができた。
いつもはグイグイとリードを引っ張って歩いてしまう散歩中に、意識を飼い主のあなたに向けることができた。
(目や歩幅を合わせながら歩けた)
…など、ほんの少しのことでも、それは頑張った成果です。
そのような小さな成長を喜び、優しく声をかけたり、なでたりしながら、できたことをしっかり認めてあげます。
褒め方には特別なスキルは必要ありません。
できたときに、「OK、OK」「いいね」「できたね」「頑張ったね」と笑顔で何度も優しく声をかけたり、時々おやつをあげたりすることで、褒めていることは伝わります。
犬はとても耳が良いので、人間の小さな声や低い声も聞こえています。
また、怒る回数を減らす工夫も大切です。
「絶対吠えそう」「イタズラをしそう」など、良くない行動をしそうだと気がついたら、事前に回避できるよう対策をたてます。
犬が口にしてはいけないものを届く範囲におかないようにする、
散歩中に遠くから大きな犬が近づいてきたら、興奮する前に「まて」や「ふせ」をさせて落ち着かせる
など、先手をうってトラブルを防ぎます。
そうすることで、怒る回数を減らし、その分褒める回数を増やすことができます。
そしてなにより褒めることで、「褒められて嬉しい」「自分のことを見ていてくれる」という気持ちが生まれ、犬との信頼関係を深めることができるのです。