大作映画『ディープインパクト』が中古DVD¥110で投げ売りされてたんで買って観たんだけど、これクッソつまんねーな!

地球に彗星衝突でパニくるディザスタームービーなんだけど、

(ディザスタームービー:災害を題材にした映画。地震、火災、豪雨、竜巻、火山噴火、津波、最大級のだと彗星が地球衝突とか)

あまりのつまんなさに途中から早送りし始めて、最後まで特に見どころなくてあったまきた。

テレビの2時間ドラマだろこんなん。映画になってねーよ!

 

とにかく災害とか宇宙空間とか以外の場面が多過ぎる。ずーっとマスコミだの一般人だの大統領だのなんだのがセリフ言ったりなんだりの場面ばっか。

 

あのさぁ… もう当ブログでは耳タコなぐらい何べんも言ってんだけど、映画とテレビドラマは全然違うから!

映画は劇場でデカいスクリーンと効きのいい音響で観るものだから、体感するもの。臨場感を堪能し、疑似体験するものなんだよ。

一方、小さい画面・スカスカ音響の内臓スピーカーで見るテレビドラマは映像と音は堪能しようがないので脚本と出演者で引っ張る他ない。

だから映画鑑賞はプラネタリウムに近い。テレビドラマは永遠に映画にはなれない。

逆に言うと映画足り得てる映画をテレビ画面とかPCのモニターなんかで見ると非常に窮屈に感じる。当たり前だ。デカいスクリーンを大前提に作られてるんだから。

テレビ画面で見てて面白い映画は、映画足り得てないから。ストーリーが面白いのならテレビ画面で見てても面白いだろう。でもそれは映画になってないってことなんだよ。

 

本作が失敗した第1原因はシナリオだろう。いや物語だのセリフがどうとかキャラがどうとかじゃない、根本的に見当違い。映画でテレビドラマをやってる。ディザスタームービーなのにディザスターな見せ場がほぼない。

これ映画だぞ!? 何やってんだよって話でさ。

阿鼻叫喚どーした? 何がディープインパクトだ、全然ディープじゃねーし。

 

失敗した第2原因はディザスター場面のあまりのショボさ。

いつンなったら派手な見せ場来るのかと思ったら、クライマックスだけ。

しかもモロCG・デジタル合成な映像で興醒めもいいとこ。軽い軽い。人が呑み込まれるカットも呑み込まれる感ゼロ。質感とか重量感とか臨場感がまったくゼロなんだよ。稚拙な映像なんでまったく迫力ない。これアニメーション?みたいな。

 

監督はミミ・レダーって人なんだけど、大ヒットテレビドラマ『ER』の監督の1人で、『ピースメーカー』で映画監督初進出(←女性の監督が撮ったとは思えない骨太な映画)。その次に撮った映画が『ディープインパクト』。

ミミ・レダーって『ディープインパクト』のあと名前全然聞かなくなったよなーと思ってたけど、本作観ると納得!

1998年製作作品で、予算8千万ドル?(98年時の予算8千万ドルはかなりデカい) それで出来上がった映画がコレなら、もう大作は撮らせてもらえないっしょ。当たり前だ。

なんせ一番の見どころが初っ端で科学者の車がトラックとぶつかって爆発炎上しながら崖落っこってくカットだもの。しかもコレ、ディザスターでもなんでもない。単にお互い脇見運転してただけっていう。

8千万ドルの映画で最大の見せ場がそこ!?

あ。あともういっこ見どころは、道路が車でいっぱいのカット。これはちょっと壮観かも。

って道路が車でいっぱいなだけで満足するわけねーだろが!

っつーかミミ・レダーの責任というよりシナリオがこれじゃね。これ書いた脚本家アホ? よくこんなシナリオでスタジオもゴーサイン出したな。しかも予算8千万ドル。スタジオの連中、決定した時 酒飲んでたんじゃないのか? まともな判断じゃない。もうシナリオ見たらコレ映画にならないってわかるだろが。

でもミミ・レダーもミミ・レダーだよ。なんでこんな映画的見せ場をほとんど撮りようのない糞シナリオの映画の監督引き受けたのか。その点では自業自得といえる。

 

ディザスター物はまさに映画向きのはずなのに、彗星衝突で8千万ドル使ってこれだけハズしまくる、失敗するってのがむしろ不思議。

ほんとクソ映画。なのにネット上では「71% のユーザーがこの映画を高く評価しました」とか出てる。アホかおめーら。

 

Wikiの本作のページ見ると

「一般的に、この手のパニック映画では派手なCG演出で逃げ惑う人々の混乱などを描くことが多いが、本作では世界的な危機に陥った状況下の各登場人物の人間関係と、政府の危機管理対策を主軸として描いている。」(←この文書いた奴CG使うのが当たり前な感覚で映画観てることがわかるのがムカつくんだが。)

と書かれてるが、

だったらテレビドラマでやれって話よ。映画って器と吊り合ってない企画。

だいたいそういう内容なら8千万ドルも要らねーだろ! 1千万ドルすら要らないんじゃないか? 金の使い方もわからないらしい。

ところで8千万ドルって日本円でいくらよ? えーと… ざっくり単純に98年時は1ドル150円くらいだったらしいから150×8千万=120億円!?

120億円もかかるような映画かコレ!?

1千万ドルすら要らないんじゃないかと言ったが、1千万ドルだと15億円。

15億円すら要らない映画だぞコレ。

当時のCG費用がえらく高かったのかね? だったら特撮でやりゃいいのに。特撮ならこんなに金かかんねーだろ。金かけまくってCGでやって出来上がったのがリアル感ゼロなペラッペラの安い映像って、金ドブに捨てまくってるなー。

いろんな意味で頭が足りない映画だな。

これがテレビドラマだったならCGでも別にいいんだけどさ。テレビドラマは映像を堪能するものじゃないからペラい映像でも全然問題ない。

でも映画はそれでは許されない。

特撮ってのはリアル現実で撮ってるからミニチュアですらも質感や空気感があり、それは延いては迫力につながるんだよ。

なんで映画界は特撮を捨ててCGに走ったのかねぇ? そしてなんでいまだに反省して特撮に回帰しないのか…。

 

というワケで、いやーあまりのつまらなさに思わず1エントリアップすることにしちゃったもの(苦笑)。

 

ディザスタームービーでは『ダンテズ・ピーク』 『ボルケーノ』はなかなかいいっスよ。どっちも火山噴火だけど、臨場感ある。まだCG・デジタル合成がのさばりまくる前の映画だから。火山噴火が起きた状況を疑似体験できる。

『ツイスター』は最高やね! 未だに当ブログでちゃんと取り上げてないのが不思議なんだけど、あれは映画としてかなりイケてる!

ディザスタームービーに入るかどうかわかんないけど消防士を描く『バックドラフト』は火炎の描写や爆破連打が見どころ。迫力!

『カリフォルニア・ダウン』は俺の大嫌いなデジタル系映画ではあるのだけど、それほどショボくないのよ。映画館で観たらなかなかのアミューズメント体験が出来る。

ちなみに同じ彗星衝突モノならマイケル・ベイの『アルマゲドン』の方がはるかにマシ。あれは映画足り得てる。