しばらくブログを更新しておりませんでしたがね、生きてはいるんだよ…

前にも言ったことあるけど状況が安定してないとブログ更新滞る傾向があって、なのに崖っぷちの最中の3月19日、なぜかワタクシ両国国技館におりまして。

というのはコレ!

東京女子プロレス GRAND PRINCESS ’22

会場:両国国技館

 

崖っぷちになる以前の1月頭にもうすでにチケット買ってたんでね… 崖っぷちだろうがなんだろうがチケットは手元にある。だったら行くだろうがよ! ってかこんな時こそ行かねばならない! でないと人として大事なものを失う。

人は決して! 起きて飯食って仕事して排泄して寝るだけが人生ではない! それのみの人生送ってる奴もいるけど、そいつの人生はもう終わってる。たとえ銀座や丸の内あたりで働いてるとしてもだ。

どの席を購入するかかなり迷った、金銭的に。マス席(←両国国技館特有!)と2階席で迷ったが(マス席よりさらに前は俺の経済事情では難しい)、東京女子の10周年、遂に辿り着いた両国大会をちゃんと見届けたいということと、コロナ禍のせいでエンタメ離れせざるを得なかった&自分の状況もよろしくないのであえて、マス席購入を敢行したのだった。

 

この両国大会はヒストリーが重要なので始まりを説明しておかないとならない。

男のプロレス団体で破天荒な事ばかり繰り広げてきたDDT

『ファニーでアグレッシブなドリーマーDDT ①』

『ファニーでアグレッシブなドリーマーDDT ②』

『ファニーでアグレッシブなドリーマーDDT ③』

『ヨシヒコにたぶらかされていたい♪ ①』

『ヨシヒコにたぶらかされていたい♪ ②』

の女子部的な感じで設立された団体、東京女子プロレス。

設立は2012年に発表、選手1人に練習生3人(山下実優、木場千景、KANNA)だったが、選手が辞めてしまったので練習生3人でスタートする。

2013年1月にプレ旗揚げを行うが、3人では興行として成立しないのでライブハウスで、アイドルたちとのライブのコラボで、試合はリング無しで床にマット敷いて行い、これを度々開催し(この間に中島翔子が入団する)、8月にDDTの両国国技館大会のダークマッチで4人が正式デビュー戦を迎え、12月に東京女子の正式旗揚げ戦を開催(のの子や坂崎ユカはこの時デビューしている)。

この初期メンバーでゆくゆくは東京女子単体で両国でやりたいねと夢を語り合っていたそうで。

山下は空手で全日本3位ではあるがアイドルになりたくて上京した女子であり、中島はお笑い芸人だった。坂崎はお笑い芸人志望だったが相方に逃げられ、音楽方面に行く(この音楽活動の時に一緒にやってたのが現在の辰巳リカ)。

…東京女子は単純に純粋にプロレスラーになりましたという選手ではなくエンタメ方面から流れ流れて東京女子に行き着いたという女性が多い傾向がある。

東京女子は既存の女子プロレス団体とは異質で、そもそもDDTがやりたい放題のエンタメ路線であり、それは「男の子」っぽさ(永遠の男子性とかピーターパン性ともいえる・笑)だが、東京女子はDDTから派生してるうえ先述のように芸能方面から来た女子が多い&ライブハウスでアイドルとのコラボから始まってるのがまたエンタメ方面との親和性の高さだろう。

あと女子プロレスってゴングが鳴った瞬間からせわしなくバタバタしてる試合内容なのだが、東京女子は男性プロレスの流れを汲んでたりリング無しのマットプロレスからスタートしてるからか、レスリングの基本がしっかりしていてじっくりした攻防をちゃんとやるのも既存の女子プロとは異質であり、かつ素晴らしいところ。

…選手の卒業や新しい選手の入団などで顔ぶれは入れ替わり、初期のメンバーで残っているのは山下・中島・坂崎…特にプレ旗揚げからのメンツは山下と中島だけになった。でも新たに加わってきた選手たちはより一層の彩りと楽しさをもたらし、団体の層は厚くなり、会場の規模は大きくなっていき、そうして去年の10.9大田区体育館大会で2022.3.19に東京女子単独で両国大会を開催することが発表された(俺はこの時から絶対観に行くと決めていたのだった)。

旗揚げ発表から10年――

 

東京女子の魅力

・個性的な選手が多い

・エンタメ性が高い

・芸能方面から来た人が多め

・歌のコーナーがある

・先輩が優しい、選手内の風通しがとても良い、人間関係が健全(各選手のインタビューなどで度々そういう発言があるのだが、SKE48から参加してる荒井(後述)ですらそう言ってるんだから間違いなく本当だろう)

・おふざけとシリアス半々で鑑賞のバランスが良い

・レスリングの攻防をちゃんとやる

・ヒール(悪役)が存在しない

・平和な団体。楽しい。東京女子に感じるのは多幸感と言っていたファンがいたが、まさにそうなのだ。

山下も中島も坂崎も、以前取り上げた波乱万丈の伊藤ちゃんも、あと角田奈穂なんかも(夢だった公務員の仕事に就いたのだが職場でいじめに遭い退職して女優&プロレスラーに転身)、…そうした各々の人生、当初思ってたのとは違うが流れ着いた東京女子プロレスという場所で、輝く女性たち。そんな彼女たちが迎えるビッグマッチ、3.19両国――。

 

 

 

俺は両国国技館は初。

自販機のジュースの値段の高さにビックリする。ペット1本¥220とかなんとかって。

物販でポスター買おうと思ってたが開始時間にギリ間に合うかどうかという列の長さで、物販やめて喫煙所へ。行くといきなりアッキがいた(次々回エントリで出てくる メイ・サン=ミッシェルを演ってる駿河メイが所属する我闘雲舞というプロレス団体に参戦してるバリアンアッキというインド人の男のレスラーがいるのだが(YouTubeのチョコプロのチャンネルにアップされてる動画『ChocoProLIVE! #200 ‘Day 2’ Minoru Fujita vs Baliyan Akki [Super Asia Title Unification Match]』でマンションだか雑居ビルからダイブする場面が凄い!)、レッスルユニバース(←DDTや東京女子の動画を配信している)の東京女子の海外向け配信の英語実況にも参加していて、その関係で居たと思われる)。

自分のマス席(コロナ対策で1マス1人である)に着くと、意外にリングが近い。もっと距離あると思ってた。肉眼で普通に観れる近さ。

俺の席は西側で、ネット配信の正面映像でいうと向かって右側にあたる。ここからの視点だと右側に選手が登場するステージとリングに向かう花道がある。実際観て思ったのは、花道入場は正面より側面からの方が楽しめる。

コロナ禍のせいでエンタメをあまり観に行けなくなり、こういう非常にライブ的なのは20年1月上旬に音楽ライブを観に行って以来!

それ以降、まぁ舞台挨拶ありの映画上映観に行ったり ある人のトークショー見に行ったりはあったけど、

今回は大音量で音楽が鳴り響く! ロックのライブ観に来た時みたいにド迫力!(デカい会場なので通常会場よりいい音響なのだろうか?) 腹にまでズシズシ響いてくる!(東京女子はエンタメ方面度が高いので他の団体より音楽の割合が多いんである) 特に俺は今回マス席でイスでなく下に直接座ってるからか響く響く、たまらん!

(ただ、俺は床の生活を一切してない人なので(床に座らずイスに座る、床に布団敷かずベッドで寝ている)、足が痛くて困った。常に姿勢変えてた。)

エルボーとか打ち込んだ時に(女子なのに)鈍い音が響き渡ると客席からどよめきが起こることも複数回。映像ではない生音の迫力。

また、プロレスを生観戦したことある人なら知ってると思うが、リングって骨組みがあって板敷いてその上にマットという構造のようだけど、選手が叩きつけられたり飛んで着地した時とかのマットのバンッ!って音が迫力あって、これがプロレス生観戦する時の醍醐味の1つ。

ビッグマッチだけあってライティングやスモーク、マジラビの試合の入場の時の星空チックな光や満月など、演出方面も凝ってた。

生の魅力がもう1つ。これまで映像でのみ見てた選手たちを生で見る、聞く。本物だぁ…としみじみ思う。画面の向こう側で楽しさや激しさやひたむきさを見せてくれていた選手たちだが、生身の彼女たちに会う、同じ時間と空間を共にするのだ。画面の向こう側にいる憧れの存在ではなく、自分と同じ現実を生きる自分と同じ生身の人間であることを体感する。

いや実在することはわかりきってる。しかし人それぞれの事情や状況があり、違った現実を生きている。それが生観戦することで等価の現実になるのだ。

それはかつて俺がSAツアー(仙台在住だった頃の首都圏旅行)やってた頃の特に前半期、“あっちの現実とこっちの現実”と呼んでたもの、旅行で訪れる首都圏と、地方都市での自分の普段の暗黒な現実、それが旅行を重ねてくにつれて“あっちの現実”とか“こっちの現実”とか言うのはもうやめようよ、と思った。それは何度も行くようになって心の距離感が近くなったからこそそう思えるようになったんであって、ほとんど行けずにいたらそれは幻の現実になってた。実在すると知ってはいても自分の人生に縁のないものは自分にとってリアルな現実ではない。…まぁそういう話もSAツアーのエントリでかつて散々したけど。挙句の果てに都内に移住し、今となっては本当に“あっち”も“こっち”もなくなった。都内で生きてるのが当たり前のリアルになった。

それと同様で、生観戦に行くことで、画面の向こうのあの人たちが自分と等価の存在になる。実在することを知識として知ってるのと実際に同じ場を共有するのは、やはり違う。映像で見ているだけでは“あっち”と“こっち”という境界のようなものが厳然と在る。かつて俺が仙台から都内を想っていたように。でも生観戦すればあの選手たちも自分と等価の現実であることを体感できる。

この東京女子両国大会のチケットは、俺にとってかつてのSAツアーでの高速バスや新幹線の切符と非常に近い。

さらに付け加えれば個人的にかなり切迫した状況であり、なんか久しぶりにそうじゃない場に居て、生き返る感あり。やはり人生にエンタテインメントは必要だ。

 

リングアナの難波ちゃんのいつもの前説も生だ。

難波ちゃんはスナップ写真とかでヘン顔してることが多く、明るく楽しそうで好感度高く、東京女子に合ってる。

言い間違えや声の感じからいつもと違い緊張してるのが否が応でも伝わってきた。

ちなみに東京女子では選手のみならず難波ちゃんのグッズも出てたりサイン会には難波ちゃんも出てたり、難波ちゃんも“東京女子の仲間”として扱われてるのがまた東京女子という団体のとても好感度高いとこである。

 

すでに東京女子にいない、プレ旗揚げで山下と共に初期メンバーだった木場千景とKANNAがリングに上がって挨拶。これは感慨深い! (うまく撮れなかったけど…)

 

「アップアップガールズ(プロレス)」(彼女らも選手である。アプガについては次々回エントリで詳述する)の歌も生で初めて鑑賞。しかも今日は2曲!(喜) 2曲目おっ始まった時驚いた。あ、もう1曲やってくれるんだ!ってすげェサービス感を感じた。さすが両国大会!

(ちなみにプロレス会場は撮影OK。ケータイとデジカメで撮ったが、メインのテレビカメラが正面にあるんで、試合は全方位に向けてやるけど挨拶とか歌のコーナーとかはどうしてもメインカメラを意識した向きで、側面からは撮りづらい。あと俺はいまだに2010年代前半~中盤に買ったガラケーや中古デジカメを使ってるからか、この後画質が酷い写真や動画キャプが出てくるけどご了承くださいな。)

 

▼オープニングマッチ 長野じゅりあデビュー戦

鈴芽&遠藤有栖vs宮本もか&長野じゅりあ

 

長野じゅりあは空手家(糸東流空手道世界選手権大会優勝)・看護師・女優・ユーチューバー、TikTokのフォロワー数が89万人だそうなのだが、DDTの社長兼選手の高木三四郎がスカウトしたそうで。(高木はSKE48の荒井優希もスカウトしている)

 

長野じゅりあは空手の動きを使った攻撃はカッコよかった。素早くキメてく構えから繰り出してく突きや蹴り。

同じ空手を打ち出してる山下とまた違って、このコはミニマムでソリッドに速いというか。空手をプロレス向けにダイナミックに転用したと思われる山下は正解だが、今回俺肉眼で普通に見れる距離から見てたからかこのコの動きをちゃんと堪能できた。だからネット配信映像では間違いなく問題ない。

あと今後が非常に期待できる若手の鈴芽も相変わらずいい動きしてた。特に格闘系のバックボーンはないようなんだけど(前職は会社員) キレのいい動きとかわいい顔に似合わずかなり強めな闘争心を見せる選手で、この試合でも長野の空手の動きに対応するキレのいいリアクションを見せていた。

 

『2022年3月19日、至福の両国国技館 ――2』に続く。