『スターダムのウラ 28』から続き。

 

決定し発表された3.3武道館大会のカードを、私見を交えながらみていこう。

 

プロローグファイト第1試合:ハイスピード選手権試合/30分1本勝負

王者・AZM(Queen’s Quest)VS挑戦者・なつぽい(Donna del Mondo)

この「プロローグファイト」と名付けられてるのが2試合、これがダークマッチみたいなもんで、

その後「ゴールドファイト」とか名付けられてて、ここから第1、第2… 試合という扱いになっている。

小川いわく

「今回、全8試合。私的にはこの8試合はすべてメインイベントだと思ってます。ですので、セミとかメインとかいう言い方はあまりしたくないということですね。ですので、ふだんダークマッチと言われている規定の時間よりも早くやる試合が2つあるんですけど、それもプロローグファイトという名称で、これはあえてダークマッチではなくてはじまりの闘いという意味で、その2試合が終わりますとゴールドファイトという黄金の闘い、スターダムの本戦が始まるという意味合いでそういう名称をつけました」

とかなんとか。何言ってやがんだって感じだけど(笑)。うーん苦しいなァロッシー。プロローグと黄金の戦いって誰が聞いたって黄金の方が上じゃねぇかよ。どんなお題目言おうが試合順・カード内容は団体内の序列を表している。

…あるいはね、「すべてメインイベントだと思ってます」って言い方してるけど、これはある意味で本音である可能性もある。言い換えると“順列をつけたくない”。

自分の序列の現状に不満を持ってる選手たちがいるのかもしれない。それ言ったら普段の大会の試合順だってそうだが、武道館大会ということで小川がそのへんナーバスになってるのか? それでなくてもデカい大会で考えることがいっぱいあるのにそんなことに煩わされたくないみたいな?

けど興行としてはね、映画がクライマックスに向かって盛り上がってくように、イベントや興行というものもやはり盛り上がりという意味で後半になるほど目玉をもってきたい、もってこざるを得ない。

それにこの大会、開場時間16:30 (←ダークマッチってこの間にやるの?→) 開始時間18:00、ちなみに3月3日は水曜、これ、祝日でもなんでもなくただの平日だろ? カレンダー見たけど、何の日でもない。

なんでそんな集客上げづらいようなスケジュール押さえたんだろう? 平日の方が会場の使用料が安いから?

本当のところ武道館大会をやるのはスターダムの台所事情的には実は厳しいのか?

それはともかく、『スターダムのウラ 18』(←最後の方)で言った通り、この試合はAZMが陥落させられてなつぽいが戴冠する可能性がある。

実力的にはAZMの方が上でしょう。

なつぽいが獲ったら“あぁ、会社はAZMを下ろしてなつぽい推しに入ったな”と思っていい。

そしてそれはなつぽいが“売れ線”であることもあるが、もうひとつ、ジュリアとなつぽいの例の謎の同盟関係も関連している可能性がある。

 

プロローグファイト第2試合:ゴッデス・オブ・スターダム選手権試合/30分1本勝負

王者チーム・舞華&ひめか(Donna del Mondo)VS挑戦者チーム・刀羅ナツコ&鹿島沙希(大江戸隊)

図らずもこのダークマッチ第2試合に出る鹿島沙希が記者会見でこう言ってる。

「このカードがねえ、武道館でタイトルマッチ挑戦決まったのはいいけど、後楽園でナツコが言ってたように、ひめか、オマエが中途半端なせいで、ウチら本戦にも入れない。中途半端な試合順で、客もまだまばらななか、中途半端ななか試合しないといけない。オメエのせいでベルトの価値下がってんじゃねえの?」

やっぱりそうだろ? 小川がどう言おうと現場の選手たちにしてみればやっぱり試合順が選手の序列なんだよ。

仕事終わってから来る人とか最初の方の試合見れねぇからな。

そうするとやっぱ目玉の試合は後の方に持ってきたいのが団体・主催者側からすれば当然であってさ、小川がどう言おうがやはりこの武道館大会もカードの順列に商品価値の順列が比例されてると思うよ。

ただ、スターダムファンからするとひめかと舞華の試合がこの位置にあるのが意外であり、となると小川が言ってることもまんざらデタラメでもねェのかな?という気もしなくもないが。

どっちかってのは、どっちが勝つかで判断できんじゃない? 大江戸隊が勝ったらホントにひめか&舞華の序列は低いことになる。…と解釈できる?

 

★STARDOM BUDOKAN Gold Fight★

第1試合:スターダム・オールスター・ランブル/時間無制限

ビー・プレストリー、白川未奈、ウナギ・サヤカ、スターライト・キッド、飯田沙耶、ゴキゲンです☆、レディ・C、長与千種、井上京子、下田美馬、松本浩代、さくらえみ、門倉凛、星月芽衣、愛川ゆず季、美闘陽子、脇澤美穂、美邑弘海、まなせゆうな、はるか悠梨、コグマ、中西百重

うわっなんだ? なんか名前がいっぱいある…。

あ! 白川未奈の名前が! ここで復帰か!

まず思ったのがそれで、

次に思ったのが なんかこのカード雑過ぎや、と。

もうメンツがしっちゃかめっちゃかじゃね?

まずスターダムOG全部ここに押し込んだのかよ! こういう形でブッ込まれるとは思わなかった。ちゃんと、なんかタッグマッチとかやるのかと思ってた。

何よりスターダムと全然関係のない選手の参戦がいつの間にかこんなに増殖しちまって!

最初に他団体から参戦が決まった世志琥と高橋は元スターダム関係者だから本大会に出場するのはなんら不自然じゃなかったけど、それ以外、

長与と門倉は先日岩谷使って参戦アングルを慌てて(?)ブッ込んでたけどスターダムの歴史に関係ねぇし、ましてやアングルもなく急に名前が入れられてる連中は何だ? (小川はなんだかんだ言っとりましたが)全然関係ねーじゃん。節操のまるでないブッ込み方のバラつき加減が酷い。

そんなチケット売上げ伸び悩んでるのか?

もはやスターダム10周年と関係ない様相を呈している。

やっぱまだスターダムといえど女子プロ1団体単体で武道館クラスをやるのは無理があるということなんだろう。

そしてスターダム所属選手でありながらこれといった試合のない選手も全部ここにブッ込み! 飯田なんて一応ベルト持ってんじゃん。でも防衛戦は組まれず、バトルロイヤルに放り込まれてお終いってひでェな。

スターダムが自分のとこの所属選手をあまり大事にしてないことが垣間見えるね。

それにさぁ、他団体からこんなに呼んで、人数増えれば選手に払うギャラも増えちまう。この人たち呼んだって観客動員数それほどハネ上がるかぁ?

金の使い方間違ってるよ。無駄金はたいて他団体から客引きに繋がるか繋がらないかわからないような戦力投入するより、自社の選手だけでどうにかしなさいよ。

どうにかならないんだったら身の丈に合わないキャパではやらないか、ゲストでハラミちゃん呼んでピアノ弾いてもらったら? ってそれは乱暴か(笑) でもハラミちゃん遂に武道館で演奏!っつったら、なんで呼んだのかわからない選手呼ぶより断然客入るぜ。(ちなみにワタクシ ハラミちゃんは世間で話題になるよりもうちょっと前から動画見ておりました。)

ただね、小川はスターダム及び女子プロレスを世間に広めるとかは全然考えてないらしいんだよね。というよりそれを避けてるフシすらある。

というのも、スターダムのチケットってスターダムのファンクラブの無料会員でなく有料会員でないと購入できない。月会費¥770。チケット代+¥770。当日券だと¥1000アップだって(普通¥500とかじゃね?知らんけど)。ほんとアコギだよな…

これ自分の首絞めてるのわかんねーかな… スターダムにちょっと興味持ってちょっと観てみようかなーと思った一般人を弾くんだよねコレ。

チケット販売をわざわざ購入のハードル上げて一般客の集客を逃している。これビジネス的にダメでしょ。

ソフト(DVDとかブルーレイ)でも、大ヒットした映画のソフトの値段は安めで、アニメのソフトなんかは高い。それはアニメはアニメファンとか作品のファンが買うから高くしても売れるからね。大ヒット映画のソフトは浮遊層(ファンやマニアではない一般層)の購買が見込めるから安め。別に映画ファンじゃなくても買う人多い。安いからこそちょっと買ってみてもいいかな、ともなる。

一般よりファン・マニアで手堅く売り上げる? スターダムのグッズの値段の高さとかシャレにならんもんな。今サイトに載ってないけど、コレがこんなするの!?というビックリする値段のグッズいくつか見かけたからね。原価からいってこの売価はアコギすぎるだろ!っていう。

リング上のスタイルを一元化してるのみならず、商売の方でも、世間に認知されるとか広めるってことを放棄してるもんな。

間口を広げたり敷居を低くしたりでより広範囲にファン層拡大というビジネススタイルではなく、逆に限定的にしてファン・マニアからのみ絞り取れるだけ絞り取るというやり方。

その事もだし、他スタイル排除でジュリアスタイル1本化というリング上のスタイル的にも、どうみても小川のやってることはマニアックな世界に向かっている。地下プロレス的な方向性。

ブシロードはこれを一体どう思ってんのか?

 

第2試合:10周年記念試合(1)/30分1本勝負

渡辺桃(Queen’s Quest)VS高橋奈七永(SEAdLINNNG)

桃はクイーンズクエストのリーダーなのに、同じユニットの詩美と上谷がセミファイナルで赤ベルトのタイトルマッチということで、会社が詩美と上谷を推してることがわかる。

でもダークマッチではなく、ちゃんとシングルを組まれてることから、桃の序列・評価は低くはないことがみてとれる。

でも前に言ったけどこの試合は高橋が勝つブックでしょう。

逆に言えば桃が勝ったならこれは会社が桃に一目置いてることになる=桃を上げる算段で高橋が噛ませ犬ってことになる。

 

第3試合:SWA世界選手権試合/30分1本勝負

王者・朱里(Donna del Mondo)VS挑戦者・小波(大江戸隊)

ふーん、朱里はスターダム内では扱いがわりと上の方なんだ?

…ということがこのカード編成からわかる。

同じDDMの、ジュリアは会社推しだから最早別だが、ひめか・舞華・なつぽいはダークマッチに出されてるのに対して、朱里は桃より上で岩谷より下という位置なわけだ。

岩谷の上はもうセミファイナル赤のタイトル戦だ。(今の岩谷はセミより下ということでもある。)

と考えると朱里の扱いはわりと悪くない。

どっちが勝つかって? TCSの件でもわかる通り小波は“黒”だから、小波が勝つ可能性はあるっちゃある。

 

第4試合:10周年記念試合(2)/30分1本勝負

岩谷麻優(STARS)VS世志琥(SEAdLINNNG)

さて、これが髪切りマッチの次にどうなるのかってな気になる試合だったわけだが。岩谷の去就が注目されるというね。

が、ここ最近の岩谷の発言だと先がありそうなんだよな… 少なくともコメントからは退団が控えてるという感じがしない。

といって散々書いてきてるようにスターダム内における岩谷の現状からすると、明らかにトップからは外されてるし。

なんだろう、ギャラダウンを岩谷が受け入れて、スターダムに格落ちで残留と相成ったのかね?

…とか思ってたら2月20日、

「ルアカがSTARSを裏切り、大江戸隊入り!STARSと大江戸隊は全面戦争へ!」

お、岩谷を入れた新展開が始まった。

ってこたやっぱりギャラダウンで残留となったようだ。

というコトは武道館大会での岩谷の退団はございません!

小川がまさか俺のエントリを読んで出方を変えたなんてことはないだろう(苦笑)。

勝敗的にはどっちが勝っても別に。岩谷のシードリングへの移籍がなくなったのなら、ただの10周年記念大会懐かしマッチでしょう。実現したこと自体に意義があり、結末は意味ない。

それとも今後業務提携→シードリングがスターダムに吸収されるとか? その第一段階なんですかねこの試合は?

ところでスターズと大江戸隊の抗争開始ってことだが、こんな新展開おっ始めて、スターズとコズエンの対立はどうなったんだよ?ってとこだが、コズエンはおそらく会社的には抹消させる方向で進めてると思われる。そのへんは『Live Free or Die Hard 31』で話すことに関係してくるけど。

 

第5試合:ワールド・オブ・スターダム選手権試合/30分1本勝負

王者・林下詩美(Queen’s Quest)VS挑戦者・上谷沙弥(Queen’s Quest)

セミファイナル。

詩美を王者にしたってことは会社は詩美推しなわけだが、なぜ今武道館で上谷なのか?

これもまぁこれまで書いてきてるように、会社的には詩美を下ろして上谷推しに転換かな、っていう、だから俺の現段階での読みでは会社は赤ベルトを詩美から上谷にチェンジするのではないかと感じられるんで、この大会の後 詩美の序列はガクンと下がることが予想される。

しかし…ほんとパンチに欠けるタイトル戦だなァ。俺的には林下も上谷もまだ顔じゃないって感じなんだよねぇ。

 

ということで次はメインイベントの中野たむvsジュリアについてだが、これも一旦アメンバー限定記事で。3.3後に全公開する。

 

『スターダムのウラ 30』に続く。