『ほむぅ 2』から続き。

※以下ネタバレ

『BD』でいうところの誰の夢の中なのか、まどマギ的には誰の結界の中なのかという、
(↑これは永遠のテーマというかさ、今生きている現実が本当に現実なのかどうか…寝てて夢を見ている真っ最中なのか、死の寸前の走馬燈なのか、誰かの夢の中なのか、意図的に偽装されたものなのか、上位存在に作られたものなのか…押井作品でよく出てくるけど。
実生活でも寝てて夢を見ててさ、これまで生きててこんな人物知らないぞ、こんな場面見たことないぞってのが出てくるわけよ、見たことないものがなんで出てくるのか!? そういうとこからも自分が現実と思ってる、その外が実はあるのではないかと推測されるんである。)
それが実はほむらはすでに魔女になってたという衝撃の2転回目に突入するわけだが、最初にこの世界に疑念を持ったのがほむらなのに、判明したらほむら自身の結界だった=第三者でなく本人が気づくというのがまた解かりづらいよ(苦笑)。普通思い込みというのは自分自身で覆すのは難しくてさ。覆し得るのは大抵第三者であって。客観的であるからこそ指摘できるというか。
…この、ほむらが自分で事実を確認・証明するシーンも、ほむら&杏子バス循環シーンに負けず劣らず印象的。世界の終末みたいな、事実を認識したほむらの衝撃と哀しみの気持ちが映像で炸裂!

そしてほむら魔女化の衝撃も冷めないうちにすぐ訪れる3転回目。ほむらが真実を認識したのでキュゥべえ登場、半魔女化してるほむらをキュゥべえが隔離して実験中であること、現実のほむらの魂と肉体は今どこにあるのかを補足説明する。
キュゥべえの動機は前作ラストのほむらとキュゥべえの会話ですでに暗示されている。
キュゥべえは功利主義なんで、再編前の宇宙でどれだけのドラマがあった末に円環の理が実現したかなど関係ない。合理を優先して再編前の宇宙を再誕させようとする。

キュゥべえの干渉遮断フィールドは他人の外からの侵入は遮断してるけど中から連れ込むことは出来る説明は論理的と思われないけど、ここで他の主要登場人物たちは連れ込まれた本物であったことがわかる。
「外部の犠牲者の誘導、捕獲。これこそまさしく、いつか君が説明してくれた魔女とやらの能力そのものだよね」 でもそれって無作為だったよな?
「君が、無意識のうちに求めた標的だけが、この世界に入り込めるんだ。」 んー、じゃあほむら自身があの虚構世界を成立させるために必要なメンツということでまぁ納得しよう。
「ここまで条件を限定した上で、尚も円環の理なる存在が、あくまで暁美ほむらに接触しようとするならば、その時は君の結界に招き入れられた犠牲者という形でこの世界に具現化するしかない」 んー…どうだろ。
「実際、君が作った結界には現実世界には既に存在しないキャラクターが奇妙な形で参加している。とりわけ興味深いのは、過去の記憶にも未来の可能性にも存在しない一人の少女だ。」 それはたしかなんだけど、

「外からの影響力が一切及ばない環境に閉じ込めたとき何が起こるのか?」 これよくわかんないんだよなー。ソウルジェムを隔離して円環の理を起こさせなければ魔女が発生する、それを観測したかったのか? すると円環の理を観測できない。干渉遮断フィールドの中で魔女化すると円環の理に関知されないとキュゥべえのセリフで語られている。(※「感知」ではなく「関知」の方が言い得てると思う。どっちの字で書くか迷ったんだけどさ・苦笑)
魔女を観測したいなら隔離するのが道理なんだけど、円環の理が起こるのはむしろ通常状態だろう?
だからまどかをほむら結界=遮断フィールド内部に引き込んでいる? 内部で再編前宇宙法則を再現?
そういや「浄化が間に合わなくなる、って干渉遮断装置とやらで遮断するのと同時にある程度ソウルジェム浄化してたってことだよな。グリーフシード使う以外にも浄化する手段を出しちゃうのはどうかと思った。」ってツッこんでる人いて、あぁそれもそうだ!

この虚構世界を成立させるために結界の主である半魔女ほむらは彼女らの記憶操作してたそうで、だからまどかは円環の理を忘れているって、この説明酷いなと思うけど。
魔女にそんな能力があるとはこれまで描写されたことないだろう?
「QB(※キュゥべえ)の目をそらすためにまどかは記憶と力を置いて行っただけで結界の効果だってのはQBの誤認」
「ああ、あいつ誤認した情報をドヤってペラペラ解説してたのかw 奴の説明の正しい部分とミスってた分の区別が難しかったんだ。ありがとうございます 」
ってレスあり。
あぁたしかにさやかがなんかそんな説明してたっけな…じゃあまどかは記憶を忘れさせられてるのではなく、最初から記憶をさやか&シャルロッテに預けて遮断フィールド内に乗り込んできてるってわけだ。
ただ、預けちゃってるんで神になる前のただの魔法少女だった頃の状態というわけか… ←遮断フィールドで囲ってようが関知されてたわけだ?)
…つまりここにも混乱が在る。キュゥべえもカン違いしてる部分がある。キュゥべえの説明セリフを全部額面通りにとると、理解がおかしくなるのだ。

ともかく円環の理を発動しないのであればキュゥべえも手の出しようがない、と。
(っつーか「円環の理」って言葉、前作のラスト近くで突然初めて出てきて、今なんつった?って思ったんだけど(苦笑)。←神まどかにより魔法少女が最期魔女化せず消滅する現象)
だがほむらが事実を認識したから、膠着状態が崩れるだろう――

本作のキュゥべえは再編後のキュゥべえなんで、さやかとシャルロッテ(=なぎさ)の正体を知らない、と。(でもアイツほむらと一緒に宇宙の終わりを見たよね? ←でも再誕時(宇宙空間?でのまどかとほむらの2人だけの会話シーンや、まどかがさやかをあの世へ連れていくところ)にはキュゥべえの姿はなくて、再編完了してから(ラストシーン)再登場してたっけ? ここで“再編後”のキュゥべえに切り替わってるのか)
前作で円環の理によって魔女が発生しない宇宙になった、だからさやかもシャルロッテも救済されあちら側(あの世側・神まどか側)の存在になっている。
(同時に魔女の存在が無い世界観に転じたんでマミと杏子の死もなかったことになって、再編後の宇宙では2人は生きている(←だからこの2人は魔獣を知ってるけど魔女は知らない)。…ってコレは前作のクライマックスで描かれてたなそういえば。「まどか…」「まどかって誰だよ?」のとこ。さやかは魔女化せず消滅し、死亡したはずのマミと杏子が存命している。)
キュゥべえは円環の理=まどかを認識できなかったからこの実験をおっ始めたが、さやかとなぎさも円環の理側の存在なんでキュゥべえの認識の埒外にある。「現実世界には既に存在しないキャラクターが奇妙な形で参加している」というのはこの2人のことなわけだ。
「さやかとなぎさって何で記憶失わなかったの??まどかには効いたのに」ってツッコミあり。それは↑2つ前の段の話で説明つくわけだな?
さやかとなぎさはほむらに引き込まれたのではなく神まどかに遣わされた? 現世の登場人物には記憶操作は有効だが、円環の理側の存在にはそんなものは効かないというわけだ?
ちょっと整合性ついてきたぞ?

…ロジックはあるんだけど構造や設定が単純でなくてついていくのがいっぱいいっぱい(苦笑)。さらにどうも整合性とれてないらしきところもあるし。またそれが整合性とれてないのかこっちの理解不足なのか…
もう「わけがわからないよ」 (苦笑)

映像の情報量が多いのがまたね。イヌカレー(後述)の絵にいろいろ裏ネタというか、セリフでなく絵で語ってるというか…がある。カット数も多い。
前作について個人的にはあまり映像推しはできないみたいなこと言ったけど、『叛逆』の映像は相当キテる。キレイ。奥行きがある。映画的。加えてゴージャス。情報量の多さ。もうね、かなり凄まじい。相当観応えがある。なんせメタファーの意味がわからなくても観入ってしまうぐらいのグレード。

音響は前作同様音圧あって迫力ある。

音楽も、俺的には前作ほどではないにしても部分的にはいいっスよ。個人的にはほむら&杏子バス循環シーンの不可思議な曲、ほむらvsマミの曲、後述するクライマックスの『misterioso』は好きだね~。

『ほむぅ 4』に続く。