『残光のガイア』
『Orchestral Fantasia』
立て続けのこの2曲はシャウトといいアクションといい、コメンタリーで本人もビックリして苦笑するほどのテンションの高さ。イッちゃってる(笑)。

その後のアリーナステージでのMCで、水樹は観客への感謝の気持ちから泣き出す。
水樹「おかしいな今日、泣くつもりじゃなかったんだけどね」
喋り続けてるけど結構号泣で、頬が涙ですごい濡れている。
ここから『Sing Forever』というバラード曲にいくのだが、アリーナステージの真ん中はリフターになっていて、歌う水樹を乗せたリフトが上がっていく。
上がってく…上がってく…まだ上がるのか!?
最終的には9mぐらいの高さまで上がる! (「舞台から9mぐらい」と言ってるから、ステージの高さも含めると10mぐらい?ということになる)
アリーナの大観衆の中でこの高さに立ち、スポットライトに照らされバラードを歌う壮観な光景、そして歌い終えた水樹がマイクなしで“ありがとうございました”と言う満ち足りた表情…この時の『Sing Forever』映像は、記憶に残る屈指の名シーンである。
…この前の『~ガイア』 『~Fantasia』の常軌を逸したブッキレ具合とまるで正反対の、静かで、心穏やかで、美しい時空間。
時に激しく、時にしっとり落ち着いた、水樹奈々という人物の起伏溢れる魂の魅力。

アンコールで4曲。
最後の『Level Hi!』で特効キャノン金テープが会場中に舞う中(コメンタリー水樹「あのテープを一度ね全身で浴びてみたくって、だからまだ落ちきってない時にそれいけーっ!て飛び出してました(笑)」)、掴み取った金のテープをブンブン振り回しながら歌う水樹。
ポジティブ曲で締めてハピネス!
コメンタリー水樹「あまりにも楽しくて、ハジケ過ぎたために、帽子(※後頭部にエスニック風なデカい布の飾りを付けている)が落ちました!(笑) ぶわぁーって走ってたら(笑) あまりにも私が暴れ過ぎて取れてしまいました。でもそれもなんか、いーなーと思って」
その後のエンディング。
コメンタリー水樹「この時ね実はね(笑)、『Level Hi!』であたしがあまりにも走り過ぎて、あのぉモニターを聞く為の物を、こう送信機みたいなのを付けてるんですよ、それが(笑)私があまりにも走ったり跳んだりするから全部!外れてビローンって(笑)、今 宙ぶらりんの状態になってるハズです」

これにて終了――
と思ったら、2度目のアンコールで再々登場!
水樹「帰ってきちゃった!」 観客「(歓声)」
(この後用意してたサイン入りフリスビーを投げまくるんで、2度目のアンコールも想定内だった? でも『Level Hi!』の後 すでに恒例のライブの締め(「水樹奈々にかかって来ォーい!」)をやってるんで、2度目のアンコールは突発的に応えた感じもする。)
水樹「せっかく呼んでくれたから、なんかやろっか!」 観客「(歓声)」 水樹「付き合ってくれる?」 観客「(歓声)」
舞い落ちた大量の金テープがそのままになってるアリーナステージで(←この光景結構好き)、観客と共にアカペラで1曲歌い出す。
なかなか帰らない、帰りたくない、水樹と観客。
すでにライブ開始から4時間くらい経過してるらしい。
スタッフがさりげなく終了をうながすように、会場に水樹の曲のCD音源(CDかはわかんないけど原曲)が流れ始める。
しかしそれに乗せて観客が手拍子そして水樹が歌いだしてしまう!(笑) しかもノッて1コーラスでなく2コーラス(笑)。
コメンタリー水樹「あたしがなかなか帰ってこないから、かけたんだって。そしたら(笑) また歌い始めちゃったよーって(笑)
あたしにとっては、私が歌いたいって気持ちを察してくれたのねーって思って(笑)、もうナイス!って思って歌いだしちゃった」
すごい楽しそう。ノリまくり。
なかなか終了しない水樹がすごくいい(笑)。それをほぼ完全収録してるのもナイス!
最後大ジャンプをキメてみせるんだけど、これも元気いっぱいでエナジー炸裂しててイイ!
「みんな大好きだ!」と叫んで投げキスして、満面の笑顔で手を振りながら軽やかに疾走して舞台袖に消える水樹。
なんて気持ちのいいコだろう、なんて気持ちのいいライブだろう!

全24曲! +悪ノリ(?)予定外1曲(笑)
ただ一通りセットリストこなしましたってライブじゃない、(無尽蔵な体力、予定外な行動など)予定や規定値を超えたサムシングが多々あるライブ。
エネルギッシュさと楽しさが詰まっていて、水樹奈々ファンもしくはオタクであろうがあるまいが観ていてエナジーが補填されるようなパワフル&ハピネスなライブ映像。
そういう効能、そういう魅力がある。
桃井はるこもそうだけど、彩りに溢れエナジーが詰まってる。
しかも桃井よりスケールがデカい。…ただ、これは桃井がマニアックなキャラクターなんで、ファン層やキャパが限定されるのは仕方がないというか当然の帰結という感じではある。
それに桃井は濃いとこがいいんだし(笑)。
この濃さみたいなものが水樹にはない。
だから桃井と水樹はある意味では近いとこあるんだけど、決定的に異なる。
ここでファン層が分かれると思う。だから水樹はデカいキャパを有するに至ったのかもしれない。
でも桃井はそうであるが故の心地良さ・安心感があるというか?
路地入ったわかりにくい知る人ぞ知る店でその店オリジナルの旨い料理を食べるか、デカいレストランで派手で美味しいフルコース食べるか、みたいな?
俺的にはその時の気分で観分けるという感じで、どっちの方がいいとかいうのはない。どっちもいいよ。
(ただ、桃井はデカいキャパより小さいキャパの方が活きる気がする。『Animelo Summer Live 2008 CHALLENGE 8.31』観てて感じたんだけど。)

水樹は元は演歌ばっか歌わされてた子だったわけだろ。普通にいったら演歌歌手になるわな、本人も演歌歌手を目指してたらしいし。
そうなってたら(演歌歌手や演歌好きには申し訳ないけどね)エナジーとかスケールとは程遠い人生・人間になってたろう。
それが声優になった事で?全く違う可能性を手中にした。
この人がどういう経緯で声優になったのか知らないけど、当初とは全然違ったであろう、エナジー溢れるステージを繰り広げるフィジカル(肉体的とか身体性、みたいな事)な人物になった。
でもここで興味深いのは、それを可能にした大きな要因の1つが、ベースが演歌だったという事だ(あと親父のスパルタ特訓ね・苦笑)。
桃井もベースにはかつての辛い経験があったりするわけだ。
ベースはストロングでなければならない。
ベースが軽いと、表現出来るものも軽い。
そしてハードなベースを持ってる人間が彩りやテンションの高さを有した時、力強いハピネスを体現出来る。特級のポジティブを表現出来る。
中身空っぽなアーティストが歌う 容易い前向きさをポップな曲に乗せた安い頑張れソングは下らないシロモノで、そういう軽い物は軽い奴にしか訴えない。
でも水樹や桃井がライブで見せる姿は、大げさかもしれないけど観ていて生きてゆく力になり得るものだ。
…これはね、普通のアイドルとか男性には実現不可能なんだよ。
80年代以前のアイドルとか、あとモーニング娘。とかAKBとかと、水樹や桃井は、そこが決定的に異なる。
水樹や桃井は、アイドルの範疇に収まらない。
ハードさを有しているアイドルなど聞いたことがない。
エナジーは男にもあるけど、っていうより男の方が強いけど(女は基本的に肉体派じゃないだろう。90年代ぐらい?(ダンスミュージックが台等してきたあたり?)からそうでもなくなってきたっぽいけど、それでもいまだにアクション派な女というのは一部だろう。それに若い頃肉体派でも、歳をとるにつれてしとやかになっていってしまう。体力的な問題からじゃなくて、結局女はしとやかであらねばというところに着地していってしまう。…知らないけど。)、
この「彩り」ってのが女性特有のもので。
ジャニーズとかの若い男の子アイドルでも無理。だって男は男に変わりないから。
女性が絶対やれない事があるように、男が絶対やれない事ってのもあるんだよ。
あとね、水樹や桃井の魅力が女性特有であると同時に、日本人特有だとも思うんだよね。
だって外人でこういう女性っていないだろう。
日本オンリーワン。
かといって浜崎や倖田なんかは水樹や桃井にはなれない。…なる気もないだろうけど、そういう問題じゃなくて、
俺だけじゃないだろう、浜崎や倖田を見て、欧米のマネに過ぎないと強く感じるのは。
でも水樹や桃井は出所が全然違うように思う。だから欧米のマネになり得ない。(その出所ってのは欧米ではなく日本のアニメ・マンガ・ゲームetc.業界だろう?)
やっぱ声優って面白い。
こうあらねばならないというイメージの限定みたいなのがなくて、やりたい放題というか、普通の?シンガーよりすごく可能性の広い世界だね。

他のももっと観たい。
水樹奈々に飢えてる、というかエキサイトメントに飢えてる。
水樹奈々はそれを提供してくれる。(桃井もだけど、桃井のライブのソフトはほぼコンプリートしてしまったんで。)
エナジーを提供してくれる人は他にもいるんだけど(特に男)、そこに楽しさや彩りが伴ってる人っていうと、俺の知る限りではとりあえず桃井はること水樹奈々ぐらいかなぁ?

あ、ちなみに『フォーミュラ』のDVDは3枚組で、1&2枚目はさいたまスーパーアリーナでのライブ映像&水樹のコメンタリー。
(チャプター選択画面でそれぞれ映像&音声が出る親切設定ナイス。曲数多いわ俺は水樹奈々初心者だわで、どれが何やらわかんないんだよ。(そこ、オッサンだからとか言わない・苦笑) このチャプター画面はわっかりやすくて助かるなぁ。)
3枚目はフォーミュラツアーの仙台と大阪から数曲チョイスのライブ映像/ライブのメイキング/水樹とサポートメンバーの座談会が収録されております。
…この時かどうか憶えちゃいないけど、仙台に来た時、俺、横目でみてまるで興味なく通り過ぎてた記憶がある気がする(苦笑)。
素晴らしいエキサイトメントが近くにあっても気づかず通り過ぎてたりするもんだね、人は。
大阪の映像の怪鳥云々のくだりがバカウケ&超和むぅ~♪
(本作のに限らず)メイキング見てて思うのは、このコ(といってもこの時27~28歳ぐらいなようだけど)はこの当時すでにアリーナ級のシンガーだったわけなんだけど、ライブのMC見ててもコメンタリー聞いててもそうなんだけど、メイキングでオフショット見てても、全然普通の女のコなんだよね。
かわいい。楽しい。見てるだけですごい和む。
アタシはトップシンガーだみたいなカッコつけたところやカン違いなところがまったく見受けられない。
こういうところもこのコの魅力。好感度大。
あ、言い忘れてた、エンディング映像に対するコメンタリーの水樹のリアクションがカワイイ♪ すごくほっこりする、もう溶けそう(´Д`)