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『Momo-i Live DVD momo-i quality LIVE in Stellar Ball 2006.8.19』
桃井はるこはよく喋る。ライブのMCでも延々喋ってて、「ライブ」でなく「トーク&ライブ」の様相を呈している(笑)。
彼女のトークはいつも面白いけど、このライブは なお面白い&興味深い。

桃井「あたし今までちょっとカッコよくライブをやろうとしすぎてたかもしれないと思って。自分のカッコよさよりもカッコよく見せようとしても、ムリぽ。」
観客「(笑)」
桃井「なので、ありのままのモモーイでいこうと思ったんですね」

桃井「なんかとっても大きな こんな天井が高い素敵な会場ですけど、まるでパセラ(←カラオケ店)の一室で歌っているかのように――」
観客「(笑)」
桃井「――みんなで盛り上がりたいなぁと、楽しい時間を過ごせたらいいなーと思ってます!」
桃井はるこという人はかなりフランクである。
よく観客に話しかける&観客の声によく反応する。
ヲタ同士という仲間意識もあるだろうけど、究極的にはかつて孤独だったからだろう。
…そういえば『アキハバラブ』歌ってる最中に「楽しいね!」とか「みんないい顔してる!」とか言うのもいいね。
他のアーティストよりオーディエンスに対する心の距離がすごく近い。
それはやっぱ桃井が虚栄心でなく自分が自分であれる場としてアーティストという職業に、ライブステージという場所に到達したからだろう。

桃井「面白い格好をしてきた人っていますか? (見渡して)あっ特攻服! アナタ晒されてたよねネットに(笑)」
観客「(笑)」
桃井「あとアタシそこにロッテの人がいるのがすごい気になるの。(さらに見渡して)あっ 新旧のロッテがいる! なんで?ココは品川だぞ?千葉じゃないぞ?
今プロ野球ビックリマンがあるじゃないスか また。買ってる? で、あのねーそうそう、アタシ川崎球場に行かないと貰えなかったビックリマンシールがすげェ欲しかったんですけど、まぁいいや、すいません置いてけぼりな人(笑)
…じゃあですね、続いてはちょっと、続けて3曲になります。ここで長いMCを挟むのは、この曲ちょっと危険だなって思ったからです」
観客「(笑)」
桃井「ではいきますよぉ! 『ゴー☆ホーム!』でぇーっす!」
たしかにこの曲ちょっとスゴイ(笑)。
リズミカルなアレンジにノッて
「♪足手まといになるんなら チャッチャカとっととウチ帰れ!
アタシなんでも出来んだもん お子様じゃないもん!」
バックで入る桃井によるアニメ声というか子供声の「ア~」も可笑しい(笑)。和むぅ。(ちなみにコレが炸裂しまくって腰砕け気ィ抜けまくりでたまんないのが『WONDER MOMO-I』である・笑)

イメージ 2ベストアルバム『momo-i quality』の1人2役のジャケットについて
桃井「桃井が戦ってるジャケットじゃないですか、アレ なんであぁいうふうにしようかって思ったかっていうと、なんか、アタシね、アブないって思われるかもしれないんですけど、ライブとかやってると「気」が見えるんですよ」
観客「おぉ!?」
桃井「手から気を出してるような画にしたいなって思ったら、だったら戦わせた方がいいじゃんと思って…何と戦うんだろうと思ったらやっぱり、敵は我にありってことで。」
ここで似てない野村監督のモノマネ(かわいい・笑)。

桃井はかつてギタリストの男と組んでUNDER17(略してアンセブ)というユニットをやってた時期がある。
当ブログを読んでると俺が桃井を知ったのは『アキハバLOVE ~秋葉原と一緒に大人になった~』を読んでからと思えるけど、俺、この本読んでて思い出したんだよ、俺 昔アンセブのライブDVD買ったわ!って(笑)。
昔スカパーに入ってた頃…俺はセットじゃなくバラでチャンネル チョイスして契約してたんだけど、その中で音楽の情報チャンネルみたいなとこだったかな? 近々発売されるDVDを紹介する番組あって、
なんかメガネかけた女のコがアニメの歌 歌ってるライブDVDを紹介してて、なぜか妙に惹かれて買っちゃったんだよ(笑。その「なぜか」は次回お話する、俺が現在桃井が好きな理由とかなり近いんじゃないかと思う)。
でも実際観てみたらハマらなくて売っちゃったけどさ(苦笑。この時はその手の回路が頭の中に開通しなかったらしい)、だから実は桃井はるこを以前から知ってはいたんだよ。すっかり忘れてたけど(苦笑)。
で、アンセブでは桃井は衣装というかトレードマークとして必ずメガネをかけていて、約2年間活動した後ラストライブ、『FIRST LIVE TOUR FINAL そして伝説へ…』というDVDだけど、最後にメガネ外してステージに置いて去っていったんだけど、たしか。うろ覚え(笑)。
「モモーイにとってUNDER17は過去の栄光クンなわけ。じゃん? だって“伝説”だから。でもさーやっぱさーそれを超えたいんだよモモーイは。そういう意味でも敵は我にありなわけ。
…でもさ今考えたんだけど、『momo-i quality』のジャケットがさ 1人メガネかけてたらものすごい生々しいな(笑)」
観客「(笑)」
桃井「そういうコラを作らないように」
観客「(笑)」
(アンセブはユニット=共同作業だったけど今は1人だから)桃井「なんでも出来ちゃうわけ。だからなんでもやっていこうかなって、思っている。ハチの巣を駆除するとか以外」
観客「(笑)」

桃井「今日はさ やっぱり『momo-i quality』のライブだから、と思って『momo-i quality』の曲とにかく全部やろうと。だからね着々と、(セットリストから演った曲が線で)消されていってる、“これはやった”みたいな、仕事がデキる男の手帳みたいになってるから(笑)」
観客「(笑)」

(スカートを気にして)桃井「この衣装すっごい短いから見えない?大丈夫かしら? 世界まる見え?」
観客「(笑)」
桃井「ケント・デリカットさんがイジメられる番組だよっていつの話だよ」
観客「(笑)」
ってかスカートの長さ、いつも通り(笑)。ソフトになってるライブ映像ほとんどの衣装 超ミニスカじゃない?
桃井「あのねなんかすごい MCをしたいからさぁ、次の曲にいくのが名残惜しいんですけど」
歌うのも大好きだが喋るのはもっと好きらしい(笑)。

桃井「あたしはすごく学生の時に悩んでいたの。すごく自分の価値観と合わない学校だったのかなぁ。なんかね、例えば、他の人とおんなじじゃなきゃいけないみたいな感じがして、すごくそれ違和感を感じてていつもすごく居場所が無かったわけよ」
他のとこで言ってた具体的な話としては、音楽の授業で自分の思うように歌ったら“それは中学生の歌い方じゃない”とか言われて歌い直させられたって話がある。
それで後に桃井はシンガーで成功したんだから、そのセンコーは教師失格だね。子供の持ってる可能性を伸ばすんじゃなくて潰そうとしてどうすんだって。
教師の資格を得るには人間性も問われるべきだよ(人にものを教えたり人を束ねたりする立場の人間はみんなそう)。
そこで潰されず大人になった桃井に対してその時の教師は今(存命中なら)どうなってる? 天地の差があるはずだよ。
桃井のトークに戻る。
桃井「将来はどうやってくんだろう?と。ブッサーだから結婚も出来ないだろうし、どうしよう、手に職なんてないよ、出来る事は、ヤッターマンの歌を即興で弾くことぐらい――」
観客「(笑)」
桃井「――みたいな感じだったからさ、どうしようと思ったんですけど、でもね今みんなのお陰でね、こうやってね、楽しくライブさせてもらったりとか、生きていけてるんで、なんとかなる、みたいなね…
すごい語ってるなあたし(笑)
一貫してきた事ってなんだろうと思うと、自分の好きな事をやりたい、楽しい事だけ検索してたいみたいな。みんなもそういうふうにすればいい世の中になるのにと思ってたんですよ。
なかなかそうもいかないんだよ大人はって、思うかもしれないけども桃井はそんなことないと信じてるね。
絶対自分が気持ちいい、自分らしく無理しないでいられる場所があるはずなんで」
俺もそうやってきた人生だったなー…お陰でどこにも定着しない流転気味な人生でしたがね。ある意味寂しいけどね
俺の場合はね、20代前半までかなぁ、こことは違う場所が他にあるはずだと、今日と違う明日があるはずだと思って生きてた。
信じていたというより、願っていたという方が近い。
でも、結局どこも同じだった。俺の場合はね。
それでも居場所を変え続けたのは、今さら自分を捨てようもなくてね。アイデンティティ確立しちゃったから、もう誰でもないどこにでもいる誰と入れ替わっても気づかないような何者だかわからない人間にはなれなかった。
あとやっぱり、自分の個性や魂が気に入ったしね。
没個性な人間に転向してたなら、ある意味での幸せを手に入れてたかもしれない。
でも自分を失うことが不幸以外のなんだってんだ。
歳とるにつれて仮の居場所すらなくなってきて(歳食ってくると転職も難しいのよ…)、でももうね、わかっちゃった人は引き返しようがない。
意地張ってるとか退路が絶たれたとかいうんじゃなくて、もはや生きてる世界が違う。
どこに住んでてどこに勤務してるって話じゃないよ。
自分が持ってる世界観・人生観の話。意識の話だよね。何度か言ってるけど、人間ってその人の意識がその人の生きてる世界だから。
俺がある意味人生失敗したのはね(苦笑)、いや ある意味成功したんだけどね、自分を確立したからね、そして失わずにここまできたから。
それって難しい事なんだよ。大変なんだよ実は。
でもその一方で失敗したってのは、現実的な ある制約からどうしても解放されなかった。
その点桃井は成功した人。解放されたからね。自分らしくあれる場を開拓したから。
俺は生き方に弾みがつかなかったよな…跳ねることが出来なかった人生だった。
まぁ、今さらどうしようもないのだけど。というか、まだ終わったと完全に決まったわけでもないのだけど。
まぁいいや。

またもや1回の投稿文字制限数に阻まれる(苦笑)。
『スイートでコーティングされたハードな魂 ②』に続く。