思うがままに生きる モモーイ編Ⅰ
真夏のエナジー
その後も桃井はるこのライブ映像は観ておりました。

『Momo-i Sunday early morning LIVE @SHIBUYA-AX』
は個人的にはまぁまぁ。
『Sunday early morning』という曲は聴いててなかなか気持ちいい。
何曲かカヴァーを歌うんだけど、TM NETWORKの『Get Wild』とTOM☆CATの『TOUGH BOY』ってチョイスがいいね!
いいんだけど、『Get Wild』がスイングしないのが残念。なぜかキー落としてんだよね。弾(はじ)けない。
でもたぶん過去あった『Get Wild』のカヴァーの中では原曲へのこだわりは強めでもあるというワケのわからない状態で(苦笑)。
「ゲゲゲゲッ」とかやるし、サビでは「ゲッワイ エン タフ」でポン、ポン、ポンとジャンプするし、妙にツボ押さえてんだよ。(あとゲストの2人、小室と木根のモノマネなのか? 小室は1ミリ似てる・苦笑)
『TOUGH BOY』はいいと思うよ。ロックモードで荒っぽく歌いきる。(この際だからついでに言っとくと原曲最高ッ!)
『ゆめのばとん』の前のMCはちょっとグッとくる。
あとね、なんかしらんけどこのライブの時の桃井は少し吊り目で、見た目のテイストが若干別人のようで、このルックスはこれで結構イイ♪

『Animelo Summer Live 2008-Challenge-8.31』
はアニソンの大イベントで、桃井は多数の出演者の中の1人。観衆2万人!
これはYouTubeで見ただけなんだけど…桃井は3曲歌ったようで、3曲目に『LOVE.EXE』をやったらしい。
これは俺が今まで聴いた『LOVE.EXE』の中で『Momo‐i LIVE DVD momo‐i UP DATE TOUR in Shibuya O‐EAST 2007.1.28』バージョンに次いで燃える!
アレンジに疾走感あるのもたまんないんだけど、
イジメやアレルギーといった悩みと葛藤してた1人の冴えないオタクな少女が、(自分のイベントではないとはいえ)2万人の前で歌うまでに至ったという、また、そこで『LOVE.EXE』を歌うという感動。
しかも歌の途中で何かにつまづいたか足を捻ったか、コケちゃうんだよ。2万人の前でコケてしまう、でも次の瞬間には歌を続行している。すぐには立ち上がれないけど歌い続ける。
2万人の前で歌うというのがどれ程のプレッシャーとか状況なのかは俺にはわからないけど、ただの“アイドルオタクが高じてアイドルになっただけのコ”だったならここで気持ちが途切れて、後はグダグダになってたかもしれない。
でも何事もなかったように歌い続ける。
本人的にはたぶん違うと思うんだけど、俺はここに過去乗り越えてきたものの延長線上をみたような気がしたけど。
簡単には心が折れない。



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そして今回取り上げたいのは『momo-i! WORLD TOUR 2007 in L.A.』。
ロサンゼルスでやったライブの模様。
国外でやったライブのDVDが出てるとは知らなかった。そしたらコレ、「とらのあな」限定販売だったそうで。なるほど見つからなかったわけだ。ま、入手しましたがね。
ロスで開催されたアニメイベントに出演する桃井。
初日はイベントの審査員として参加した後にシークレットライブの予定だが、問題が次から次に起こる。
予約していたはずのホテルが取れてない(←外国ではよくあることらしいけど)。
本番前のステージでのサウンドチェックは前が押して散々待たされまくった挙句、桃井には30分も与えられない。
桃井はるこはステージ上を端から端まで動き回って歌う人だが、「ヒア オンリー!」とか言われてて、(よくわかんないんだけど)どうも歌う場所を限定されている。
イラついてるはずだが、笑顔を絶やさない。
不完全な状態で上がった本番のステージではモニターから音が返ってこなくて、会場に反響するオケを聞いて歌わざるをえず、オケと歌がズレまくっている。曲出しのタイミングも合わない。
もうズタズタなステージ。
扱い酷くないか?
ただのカワイイ女のコだとナメられてるのだろうか?
(そういえばエッセイで、海外では子供と間違えられるとか書いてたけど。)
人によっては投げ出したくなるところだが、桃井は笑顔で異国のオーディエンスを煽りながら歌い続け、その姿は痛々しいぐらいだ。
最後の曲『LOVE.EXE』になった時 桃井が叫ぶ「センキューッ!」「いくぞ!」はシャウトじゃなく怒号である。
そして桃井は審査員席のテーブルの上に立って歌い出す! さらにテーブルの上にあった水のペットボトルをブン投げる!
堪忍袋の緒が切れた――
もはやグシャグシャになった状況で、やりきれない気持ちで、自分が作った 人を信じる歌詞の『LOVE.EXE』を歌いぬく。
ライブを終え、バックステージでの桃井。
「楽しかったですね!(怒)」
「パンクだったね」
「怒ったもん。ナメんな!みたいな(笑)」
これまで様々な困難に屈しなかった桃井。キュートなキャラクターに反して実は骨のある彼女だが、反骨魂が炸裂する過程、そして炸裂するまさにその瞬間を見ることが出来る。
(と同時に本人も言ってるとおりパンクで(笑)、不謹慎な言い方かもしれないけどなかなかエキサイティングで観てて面白い。結果的にレアな桃井はるこが見れて貴重。
そういえば桃井はること映画『下妻物語』の桃子が被る気がするのは俺だけだろうか?)

翌日はファンとのパネルディスカッション。
そのさらに翌日にシークレットではなく公式のライブが控えてる桃井は、このままではまともなライブは出来ないと、準備をしっかりしたいので今日この後の予定は全てキャンセルする、わかってほしい、といった旨をコメントする。
嫌気がさして帰国する暴挙もナシではないと思うが(笑)、桃井は異国の地に留まってリターンマッチに臨む気だ。
己のプライドと、待っていてくれたファンにベストパフォーマンスが出来なかったことに対する悔恨が入り混じった、怒りとやるせなさ。
彼女の責任ではないのだけど、というか彼女の責任ではないからこそ、ある意味なお悔しい。
…という洞察はあくまで俺の想像だけど。
ファンは理解してくれた。パネルディスカッション終了時、壇上の前につめかけるファンに泣き出す桃井。
…その後、根気強いネゴシエーションがあったのか、今度のリハーサルは順調に進んだらしい。

翌日。ライブ本番直前。
「モモーイ、アメリカ初ライブ、頑張るぞォー!」 オー!と共演のmanzo(ボーカル&ギターで2曲ばかりプレイする。工事現場コスプレ&オッサン臭いビジュアルに反して意外に(笑)いいボーカル聴かせる)や関係者と手を合わせる桃井。
その掛け声からすると、桃井の中でどうもシークレットライブはなかった事になってるっぽい(苦笑)。
仕切り直しのリターンマッチが始まる。
そして結論を言えばこれは成功に終わる。
関係者の尽力も大きいけど、何より桃井本人が投げ出してたらハッピーエンドには至らなかった。
諦めない。投げ出さない。潰されない。
ラストはオーディエンスの手拍子とmanzoのギターのみという ほぼアカペラ状態での『ゆめのばとん』で締めるが、最後は嗚咽になる。
ファンから歓声がとぶ。
桃井はライブ中、何度も「ありがとう」という言葉を口にする。
インターネットからスタートし、自分を貫く事・人と「通」じ「信」じ合うことで悩みや葛藤を乗り越えてきた桃井が、ネットによって海外でも知られ、辛かった小~中学生時代からは遠く離れたアメリカの地に到達し、しかしそこでも問題に直面するが、これもまた自分を貫く事・人と「通」じ「信」じ合うことでクリアしてゆく。
アレルギー持ちで運動オンチで中学時代はイジメられっ子だった、160cmの小柄な女のコが実現してきた事やその姿を見ていると、1人の人間の内に宿るエナジーや可能性というものをとても感じる。
普通の人でも、奇跡ではなく、その手で現実に成し遂げることは可能だというね。



あ、ところで桃井のロス観光の模様や、映像特典では国内イベントの模様なども収録されていて(桃井のトーク面白い)、結構楽しいDVDだったりもするんで。
(銀座パセラのイベントで歌った『RADIO DAYS RADIO NIGHTS』がすごくいい! 80年代っぽいすげー懐かしいメロディ&アレンジがたまらん!
どうでもいいけど この曲歌う直前のトークでカメラがクローズアップして捉えた桃井の顔も大好きだったりする・笑)
ちなみにジャケ写はロスの(シークレットでなく公式の方の)ライブ中にステージ上から撮ったもの。