那智〜出土品にみる霊地の遺宝〜 | ゆだぽんの♬虹色オーラ♬ブログ

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お寺や神社巡りで感じた事や、不思議な話・オーラについて…などなど書いています。

先日、東京国立博物館で十一面観音菩薩様を拝観した後に、同じ本館の常設展を見てまいりました✨

私のブログでもお馴染みの歴史作家「関裕二」先生から、常設展の展示品がこまめに入れ替えられていること・特に特別展が開催されている期間は意外な展示品が見れたりするので要チェック☆
と教えていただいていたので、見ないで帰ったらもったいない❗️と、この機会に見て回ることに♬


そうしましたらなんとなんとルンルン
「那智〜出土品にみる霊地の遺宝」
という特集が組まれていましたキラキラ


☆菩薩半跏像(飛鳥時代)

片脚を組み思案する姿の菩薩半跏像。
日本では仏滅から56億7千万年後に現れる弥勒菩薩として信仰されることが多く、飛鳥時代を中心に多く作られました。後世、弥勒の出現に備えて埋納されたものと考えられるそうです。


那智といえば!
日本三大瀑布の一つである和歌山県「那智の滝」ですよね。この那智を含む紀伊山地は、幾重にも山々が連なる自然豊かな悠久の地として、仏教伝来以降は真言密教や山岳信仰、修験道の霊場として大いに栄えました。平安時代以降になると、末法思想が世に広まり、那智には数多くの経塚が造営されました。

特に熊野那智大社飛瀧権現からは、おびただしい数の仏教関連遺物が出土しています。東京国立博物館には大正7年に出土した古代から中世の仏教関連遺物が約250点収蔵されています。


☆観音菩薩立像(左・中央) 薬師如来立像(右)



☆観音菩薩立像(左) 十一面観音菩薩立像(右)


下の3枚は右から
線刻阿弥陀如来鏡像(本宮)
線刻薬師如来鏡像(新宮)
線刻千手観音鏡像(那智)

阿弥陀如来・薬師如来・千手観音が長方形の銅鏡の鏡面に線刻されています。それぞれ本宮・新宮・那智の三社に祀られる神に対応する「本地仏」をあらわした熊野三所権現の鏡像です。


☆金剛界三十七尊(立体曼荼羅)


ー金剛界三十七尊像による立体曼荼羅ー

密教では教義を図画化した曼荼羅を掲げ修法を行いますが、このうち「金剛界曼荼羅」は大日如来が中心的存在となり、多数の如来や菩薩とともに世界を形作っています。

金剛界三十七尊は、金剛界曼荼羅において主要な構成要素である、大日如来をはじめとする37の如来と菩薩のことで、その構成と配置の典型を金剛界曼荼羅の9区画の中央にある「成身会」に見ることができます。

那智経塚出土遺物の中には、この金剛界三十七尊に該当すると判断される立体造形の一群があり(9尊を欠く)、立体曼荼羅を意図したと考えられています。

特に一部の尊像は仏の姿ではなく、その象徴物である「三昧耶形(さまやぎょう)」としてあらわされていて、バラエティに富んだ色々な形態が青銅の鋳造で立体再現されており、とてもユニークでした。

左下・右下の写真は
独鈷杵・六器など密教の大壇具として用いられる器物類を、この立体曼荼羅の構成要素に加えた復元配置案です。

こちらの立体曼荼羅に大興奮!
那智・熊野へは2年前に訪れていることもあり、常設展ではこの那智の特集が一番心に残りましたハート



さてここからは常設展の彫刻・漆工・金工・刀剣・陶磁の展示作品で印象深かったものをまとめたものになります❗️


【彫刻】


阿弥陀如来坐像・二天王立像
平安時代 快助作 長楽寺伝来

八幡三神坐像(八幡神・息長足姫・比売神)
鎌倉時代 慶覚作 赤穴八幡宮

吉祥天立像
京都府亀岡市 大宮神社伝来 平安時代10世紀

天王立像
京都府亀岡市 大宮神社伝来 平安時代10世紀

大黒天立像
南北朝時代 快兼作 東大寺伝来

毘沙門天立像
平安時代12世紀 片岡家寄贈

※写真は撮影OKのものになります。
この他にも吉備津神社の獅子・狛犬など複数が展示されていました。



【漆工】


花樹草花蒔絵楯
江戸時代17世紀

扇散蒔絵手箱
室町時代15世紀

楓椿鳥蒔絵螺鈿水盤
安土桃山〜江戸時代

唐人物花鳥獣蒔絵櫃
江戸時代17世紀

住吉蒔絵文台
室町時代16世紀
※天板には「すみよしの神を風もやまつるらむ松に夕して帰しらなみ」という和歌が記されています。

山水蒔絵十種香箱
江戸時代18世紀


【金工】




自在龍置物
里見重義作 明治時代20世紀

自在龍置物
明珍宗察作 江戸時代

自在蟷螂置物
高瀬好山作 大正〜昭和時代
※高瀬好山は自在置物の作者、またプロデューサーとして活躍

自在蝗置物
高瀬好山作 大正〜昭和時代

自在蛇置物
宗義作 昭和時代

自在鯉置物
明珍吉久作 江戸時代19世紀

自在伊勢海老置物
明珍宗清作 江戸時代18〜19世紀

鳳凰舟形香炉
明珍宗頼作 江戸時代19世紀

鶉香炉
津村亀女作 江戸時代18〜19世紀

亀形文鎮
江戸時代19世紀

花籠形釣香炉・花車置物
江戸時代19世紀

紅葉飾簪・南天簪
江戸時代19世紀


【刀剣】


太刀 古備前友成【国宝】
平安時代11〜12世紀

太刀 一文字(号 今荒波)
鎌倉時代13世紀

短刀 粟田口吉光(名物 厚藤四郎)
鎌倉時代13世紀
※京都の名工吉光の代表作。極端に厚みのある刀身が名前の由来。

雨下猛虎図鐔
奈良利寿作 江戸時代18世紀

蟹図鐔
無銘 志水甚五 江戸時代17世紀

目貫


【陶磁】


色絵象形香炉(伊万里:柿右衛門様式)
江戸時代18〜19世紀

色絵獅子鳳凰文有蓋大壺(伊万里)
江戸時代18世紀

銹絵観鷗図角皿
尾形光琳・深省 兄弟合作 江戸時代18世紀

色絵狸炉蓋
仁阿弥道八作 江戸時代19世紀
※僧に化けた狸をあらわしたもの

染付竹虎文大鉢(伊万里)
江戸時代17世紀

染付吹墨亭兎図皿(伊万里)
江戸時代17世紀


【近代の美術】


還城楽図額
海野勝珉 明治26年

玄明
荒木十畝筆 昭和8年

老猿
高村光雲作 明治26年 

高村光太郎作
大正14年

鷲置物
鈴木長吉作 明治25年


ここからは二階「日本美術の流れ」となります✨


☆鼠草紙


作者不詳
室町時代以降流行した御伽草紙と呼ばれる短編小説の一種です。鼠と人間の娘が結婚するという奇想天外な物語で、詞書とともに画中に記された登場人物のセリフなどにより、物語を展開させていきます。




春日鹿曼荼羅
鎌倉時代14世紀
※春日大社第一殿のご祭神、武甕槌命が常陸(現在の茨城県)より鹿に乗って春日野に現れたという伝説に基づくものです。藤原氏の象徴である藤の枝が立っています。

愛染明王坐像
鎌倉時代13世紀
※台座がハート♥️

花鳥図屏風
岡本秋暉 江戸時代


【根付〜高円宮コレクション〜】


故高円宮殿下が妃殿下とともに蒐集された、現代根付が展示されています。現代根付には象牙や黄楊などの伝統的な素材の他にさまざまな材料が用いられており、一つ一つに斬新な創意と工夫が凝らされています。


写真下の「月の子」に心惹かれました🌕


まだまだご紹介したい展示品の写真があるのですが、枚数制限で泣く泣く割愛いたしました。


常設展では基本写真撮影はOKですが、展示品によっては禁止されているものもあります。その場合は展示品の前に撮影禁止の表示がされていますのでお気をつけください。



東京国立博物館へは『聖徳太子と法隆寺』を拝見しにまた行く機会があるので、その時も常設展は見逃さないようにいたします♬

長くなってしまいましたが、お付き合いいただきありがとうございました星




最後は「魚譜」うお座
何気にスゴイお願い




☆まだお席ございます






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