さっそく前回の続きです。
ブリーチを終え、洗い流しに連れて行かれる。
お相手は、例の女性スタッフ。
女性スタッフ2なら良かったのに…と、心の中で思ったが、あえて口には出さなかった。
女性スタッフ「では流しますね。失礼します」
と、俺の顔にタオルをかけた。
ほんわか温かく、気持ちがいい。
女性スタッフ「ブリーチ剤、痛くないんですか?」
と、会話を繰り出してくる。
俺「はい、今日は特には」
女性スタッフ「良かったです。体調だったり睡眠時間とかによっても違うらしいですよ」
俺「へぇー、そうなんですかぁ」
俺はその事実よりも、先ほどと打って変わってよくしゃべる女性スタッフに感心が向いていた。
ゴシゴシ…
ゴシゴシ…
俺「………」
なんか…荒くね…?
ゴシゴシ…
ゴシゴシ…
ゴシゴシ!
ちょっと…なんか爪立ててね…?
痛いんですけど…
女性スタッフ「かゆいところはございませんか?」
いや痛いんですけど!
ゴシゴシ…
あ…ちょっと!激しすぎますよ!?
頭が女性スタッフの手に翻弄され、タオルがどんどんずれていく。
ゴシゴシ!
ゴシゴシ!
やがて、目をふさいでいたタオルから俺の右目が露わになる。
ゴシゴシ…
ゴシゴシ…
いや!タオル直してよ!
んで痛いし!
ゴシゴシ!
ゴシゴシ!
タオル!!
とうとう左目もむき出す。
ちょっとー!!!
なんかへんな恥ずかしさがあるのはなんで!?
俺はしかたなく自分でタオル持ち上げ、顔にかけ直す。
その時すでに、俺はこの女性はちょっとヤダと思い始めていた。
流し終わり、再び鏡の前に座らされる。
俺「………」
なんか全然リタッチできてない気がしますけど…
すると、女性スタッフと、女性スタッフ2が俺を囲んだ。
女性スタッフ「では、染めていきますよ」
女性スタッフの合図で、二人は真ん中の分け目を隔てに、左右に着色料を塗っていく。
女性スタッフ2は、相変わらず弾丸トーク。
女性スタッフ2「でね、〇〇ちゃん(女性スタッフ)がブリーチした時、頭皮から血が出たらしいんですよ!」
俺「マジっすか!?そんな大変なことに…」
女性スタッフ「私頭皮ちょー弱いんですよぉ。〇〇ちゃん(女性スタッフ2)は頭皮強いよね」
女性スタッフ2「いやいや、若い頃だけですよ。今ブリーチなんかしたら禿げそうで」
女性スタッフ「禿げないよぉ~!私もまた赤にしたいなー」
女性スタッフ2「でも似合ってたよね。またやって見たら?」
女性スタッフ「えー、でもー」
……………
いや!俺を話しに参加させろよ!!!
お客さんないがしろか!!
いや、まぁこれはこれで気を使わんからいいけど…
みたいな感じで盛り上がる女性スタッフ二人が着色を終え、10分ほど寝かしますということで、ようやく一人の時間が訪れた。
俺はカフェラテをすすりながら携帯を開く。
時刻は12時40分。
思ったより時間がかかったがまぁいい。
しばらくすると、カリスマがやってくる。
頭に巻かれたラップを外し、髪の毛を確認すると、再び流し台に。
今度はカリスマがやってくれるようだ。
ゴシゴシ…
ゴシゴシ…
うん、これこれ。
全く痛くないし、頭も翻弄されないし、タオルも剥ぎ取れないし、会話もスムーズ。
さすがカリスマ。
再び鏡の前に。
……………………
………………
…………
色めちゃくちゃまばらですけどー!!!!!!
えぇぇぇぇぇ!!!!?
思わずカリスマの顔を見ると、カリスマの顔も引きつっている。
カリスマ「少々お待ちください」
焦ってその場を離れるカリスマ。
俺はいろんな角度から俺を見てみた。
ミスチルの歌詞っぽいですね、これ。
いろんな角度から見てみると、ホントまばらです。
もぉ意味わかんない。
すると、カリスマが帰ってくる。
カリスマ「すいません、ホントにすいません、ちょっと色が入りきらなかったみたいで…この後ご予定ございますか…?」
俺「あー…いえ」
カリスマ「ホントに申し訳ありません、もう一度ブリーチして、色を入れさせてもらっても大丈夫ですか?」
マジかよ…そんなに頭皮酷使して平気なの…?
でもこんな状態で外歩くのも嫌やしなぁ…
しぶしぶ、了承し、10分ほど間を置く。
するとカリスマがやってくる。
カリスマ「ではもう一度ブリーチします。もし痛かったらすぐ言ってください」
今度はカリスマがやってくれるようだ。
俺は一安心し、ぼーっとブリーチを塗られる。
さすがのカリスマも不測の事態に軽くテンパっているのか、会話が思うように弾まない。
少々痛みはあるが、まぁわざわざ伝えるほどではない。あっという間に全体に塗り終え、ラップを巻かれる。
数分後…
いてぇ!
っていうか熱い!
頭皮が熱い!
おぉぉぉ!!!熱い!!
頭皮が焼けるようである。
そう思ってると、カリスマがやっくる。
カリスマ「では流しますね!」
俺の引きつった顔にいち早く気づいたのか、カリスマは手際よく流しに入る。
カリスマ「刺激があるので、ぬるま湯にしておきますね」
そう言うと、ちょうどいい温度のお湯で流し始める。
その間も、お湯は熱くないか、痛い場所はないかと、気を使ってくれる。
この人は紛れもないカリスマだと判断した。
流し終え、鏡の前へ。
まばらな部分はなく、しっかり染まっている。
さすがはカリスマ。
続いて着色に。
女性スタッフ「では塗っていきますね」
また女性スタッフきたぁー!!!
もうやめて!あんただけは勘弁して!!
早速塗り始める。
が、傷んでいるせいか、櫛が全く髪に通らず、ぐいぐい引っ張りまくる女性スタッフ。
痛すぎるが、これは仕方ないのか…!?
と、そこに新しく男性スタッフが加わった。
男性スタッフ「〇〇ちゃん(女性スタッフ)、髪を引っ張らないようにゆっくり塗っていこう」
おぉ!ナイス!!
男性スタッフが左を、女性スタッフが右を塗る。
男性スタッフはなかなかうまい。
そこまで痛くない。
が、女性スタッフは依然としてぐいぐいくる。
かなり痛い。
が、男性スタッフは男性スタッフですこし問題がある。
異様に近いのだ。
女性スタッフは髪の毛ぐいぐい引っ張るけど、男性スタッフは身体をぐいぐい近づけてくる。
あぁ!ちょっと!
当たる当たる!
あ!!
ほらぁ…当たった…
……
ちょっと!
なんで離れないの!?
当たってますよ!?
離れてくれません!!?
気持ち悪い!!離れろ!!
顔近いし!!
やがて男性スタッフは別のお客さんの元へ。
へんな汗をかいたが、彼がいなくなるのは不安といえば不安だ。
残った女性スタッフは黙々と俺の頭にカラー剤を塗りたくる。
ボトッ…
えっ!?
ほっぺたにカラー剤が落ちる。
いやいや!こんなんあかんでしょ普通に!!
女性スタッフ「失礼しました」
女性スタッフが拭き取る。
数秒後…
ボトッ
目の1センチくらい下にカラー剤が落ちる。
女性スタッフ「すいません、失礼しました」
いい加減にしろぉぉぉぉ!!!
普通に引くわ!!
危険すぎるやろ普通に!!
などというやりとりもあり、精魂尽き果てた俺は、女性スタッフに連れられ、流し場へ。
またこの人に流されるのか…
だがこれでもう終わりだ。
我慢するんだ俺!!
タオルをかけられ、お湯を噴射させる女性スタッフ。
お湯は当然熱い。
頭皮が痛くて、その熱さは尋常じゃなく感じる。
しかし我慢だ俺!
負けるな俺!
相変わらずの激しすぎる洗い方に、頭が翻弄される。
またタオルがずれ始め、鼻の上まで降りてくる。
なんかもぉ思わず吹き出しそうになるが、必死に我慢して、自分でタオルを被せ直す。
女性スタッフ「大変お時間頂いてしまいましたので、マッサージとトリートメントもサービスでさせていただきます」
もはや時間よりお詫びすべき部分があると思うが…
まぁいいや。
そう告げると、トリートメントを始める。
これは普通に気持ちいい。
弱冠荒くて痛いけどまぁ許す。
続いてマッサージへ。
マッサージはこめかみあたりから始まり、耳の上らへんへ。
頭皮の痛みのせいで、優しくマッサージされてるはずが、やたら痛い。
そして後頭部へ。
痛!!!!
イタイイタイ!!!!
首の上らへんを集中攻撃する女性スタッフ。
あいたたたたたた!!!なんでそこばっかり!?
いたいいたい!!
なんかゴリゴリしてません!?
これはもはや頭皮の痛みではない。
打ち身とか打撲系の痛みだ。
いたいいたい!!!
なんかもぉ逆に面白すぎて吹き出しそうになる。
ゴリゴリされながら、またタオルがずってくる。
とうとう俺は目を開けてしまい、女性スタッフと目があう。
やばい!吹きそう!!
でも痛い!
そんな葛藤の数分後、ようやく鏡の前に出戻ってくる。
髪の毛染めるのってこんな過酷でしたっけ…?
カリスマがやってきて、時間を気にしてくれる。
が、時間よりも何よりも、もう俺にあの女性スタッフを近づけないでいただきたい。
そんな願いが叶ったのか、カットはカリスマが付いてくれた。
それは、その日1番の幸せに感じたのは言うまでもない。
カリスマは軽快なトークとテクニックで、髪の毛をスラスラ切っていく。
と、そこで気がつく。
切りすぎじゃね!?
持ってきた写真と比べて明らかに短いよ!?
ちょっとカリスマさん!大丈夫なのこれ!?
カリスマはニコニコしながら軽快に髪を切る。
いや短くね!?と突っ込みたいが、なんかこれはこれでいい気がしてくる。
さすがはカリスマ。
長かった美容院も、この長すぎるブログもおおよそ大詰めである。
ツーブロックを入れ、カリスマが、不意に言葉をこぼす。
カリスマ「うーん…」
え…?
うーんって何!?
うーんってなんなんすか!?
どっち!?
どっちの意味のうーん!?
怖いんだけど!!!
そして一言。
カリスマ「お客さんモテるでしょ?」
いやもてねーよ!?
なにその不器用なフォロー!!
どゆこと!?
所要時間約5時間。
値段11800円。
長きに渡った美容院は、ようやく幕を閉じた。
全てが終わり、一つだけはっきりしたことがあります。
二度と行きません。
(一切の脚色はございません。)
