30歳から50歳にかけて、訊かれた相手に年齢を言うと「若く見えますね」と返され、時に軽く驚かれることもありました。
息子に言わせると、私たちは夫婦ともども「童顔」だそうです(苦笑)。
5~10歳くらい若く見られてきました。すでに子持ちだった30歳のある日、渋谷駅で若者に「学生さん?」と呼び止められたことがあります。手を小さく振って否定した後で、「この子はオレをタメだと思ってるんだ」とさすがに笑ってしまいました。
写真に写る自分を見ると我ながら、どっか青臭くてフワフワしたヤツに思えます。ブログタイトルのとおりの人間なんですね、僕は(苦笑)。
「若い」と言われて悪い気はしません。
しかし、マイナスもそれなりにあります。若い=軽い、中身がないことの表れと思わなくはないからです。
仕事で年上の方や家族の皆さんと接するときは特に若く見られたくなくて、自分から年齢や妻子がいることを話して打ち解けてもらうこともありました。
僕もすっかり中年となり、ここんところ若いと言われることもなくなっていました。
ところが60歳還暦が同じ現象を度々もたらしています。
「おいくつなんですか?」
「いや~、もう還暦です」
と返すと、たいていは相手に驚かれます。
人は還暦や60代にあるイメージやインパクトを持っていて、それとのギャップから生じるリアクションなのでしょう。
下は18歳の高校生から、上は70過ぎの高齢者まで男女問わず、似たような反応をされるのは僕にとって恥ずかしくもあり、楽しくもあります。
お世辞が含まれているとわかっていても、女性に「40代でもイケますよ」と言われたらやっぱりうれしいのが男という生き物ですよね(笑)。
街やメディアを見れば、若返りやアンチエイジングの広告に溢れています。
少なくはない人たちが5歳若返るためにそれなりのお金をかけていると思えば、僕はずいぶん得をしていることになりますね。
毛染めもケアもしてませんし、自分ではそれなりに“老けたな~“と思ってますけど(苦笑)。
日本人は「若さ」に価値を置きすぎていませんか?
「年は取りたくない」と口を揃えて言う高齢者。10代の子が同じことを言っているのを聴くと呆れてしまいます。
若ければいいと僕は考えたことがありません。
知性や品格に欠けた若さは僕の目には軽薄だったり、度を超えれば醜いものにさえ映ります。
年齢も相応が一番。
それぞれの人がそれぞれに歳を重ねた顔や姿はみな価値ある、美しいものと僕は思っています。
ふんわり静かに・・・。