朗読劇「陰陽師」 藤、恋せば
こんばんは。
梅雨も明けてすっかり夏空な毎日が続いていますね。
暑くて溶けそうだけど、この季節のすきっとした青空や照りつける日差しが
大好きです。
今年の夏は色々と満喫するぞ、と目論んでいる私であります。
さて、先日14日から始まりました
朗読劇「陰陽師 ー 藤、恋せば 篇」。
全く同じ台本を異なる2つの会場、異なる演出、異なる役者で繰り広げていく
面白い形の朗読劇に出演させて頂きました。
昨日で無事に千秋楽を迎え、打ち上げでキャストやスタッフの皆さんと朝まで
語り明かして帰ってきたのでした。
夢枕獏先生の書かれた小説「陰陽師」。
この朗読劇では、こちらの原作の原文がそのまま使われています。
私は学生の頃から平安時代のものが大好きで、
安倍晴明公に関しても高校時代に古典の授業がきっかけでその存在を知り。
夢枕先生の小説に出会ってからはその世界にどっぷりとハマってしまったのでした。
原作の世界観、独特な文章の組み立て方、そして物語に登場する晴明と博雅のなんとも心地いい空気の中で繰り広げられていく会話。
原作そのものに吸い込まれるような魅力があって、
今回その原作のままに朗読劇をお届けするという情報を見て
期待で胸がきゅうきゅう締め付けられたのを覚えています。
実は、この朗読劇の情報を拝見した時、私は純粋に客として観に行こうと思っていて。
そうしたら、ある日マネージャーから「朗読劇に興味はありませんか?」と連絡が来て「あります」とお答えしたら、この作品のお話をして頂いて。
嬉しくて嬉しくて胸の鼓動が高鳴ったまま中々収まりませんでした。
出演が決まったと連絡を頂いた時は、笑顔が溢れて口元がゆるみっぱなしでした。
台本を頂いて、改めて背筋が伸びました。
大好きな作品を、朗読という形で沢山の皆さまにお届けする。
声の仕事をしている身としては、とてもありがたいことで、
同時にとても難しいことで、そしてとてもやりがいのあること。
台本を読み進めながら色んな想いが生まれました。
ちょっとだけ怖くもなりました。
稽古は、久しぶりの感覚でした。
東京に来て声優の仕事を始めて約10年。
歌やダンスのリハーサルではない、お芝居の稽古をするのは上京前以来。
とてもいい刺激を沢山頂けました。
ご一緒させて頂きました晴明役の矢崎さん、博雅役の石橋さん。
舞台がフィールドのお二方とご一緒させて頂けたのも新しい感覚で、
発見が沢山ありました。
お二人の「晴明と博雅がそこの居る感」はすごかったです。
初稽古、読み合わせでお二人の一言目を聴いた時、
わくわくが止まりませんでした。
本当に本当に、原作から抜け出てきたようでした。
蜜虫役は今回の劇中で一番兼ね役が多い役どころ。
蜜虫のほか、地の文、蝉丸法師、綾女、首なし夫婦、綾子、
女の童、漢多太、玉草、貴次…
老若男女さまざまな役を演じさせて頂きました。
こんなに沢山の色んな役、ひとつの作品でやらせて頂ける機会はそうそうありません。
難しかったけれど、本当に楽しかったです。
衣装も沢山見てほしい!
素敵ですよね…!!
平安装束というのは、普通の和服とは作りも違うしそうそう着られる機会はありません。
この朗読劇のために作って頂いた素晴らしい衣装。
衣装さんが、役者が少しでも快適に本番を過ごせるよう最後の最後まで工夫を凝らして下さっていました。
愛の詰まった素敵な衣装を着られて幸せでした。
気づけば髪も不思議と伸びていました(笑)
初日が終わってからは、何組かの公演も観に行かせて頂きました。
役者が変われば、同じセット同じ台本なのに世界も空気もガラリと変わる。
大変興味深く、面白い体験でした。
どのチームのどの役にもキャストさんそれぞれの個性がうまく絡み合って、唯一無二の晴明や博雅たちがそこにいました。
ただの陰陽師ファンとしてどっぷり楽しんじゃいましたねぇ(笑)
いやぁ、全チーム観てみたかったなぁ。
チームの千秋楽にて、雅楽演奏の松久さん、鬼役の雨宮さんと。
心の栄養をたくさんたくさん頂いた朗読劇「陰陽師」。
観にいらして下さった皆さま、遠くで応援して下さった皆さま、
本当に本当にありがとうございました。
普段のお仕事では、中々観せられない私を観て頂けたのではないかと思っています。
私自身も、そのような新しい自分を発見できた尊い時間でした。
楽しかったこと、悔しかったこと、気づけたこと。
全て私にとって、人生に残る一ページとなりました。
もっともっと演じることをやっていきたい。
届けていけたらと思います。
また、晴明と博雅が居るあの世界で生きてみたいものだなぁ。
観に来てくれた高校時代の友達に「生のまま鮎を食べてるひびくが夢に出て来そうで怖すぎる」と言われて「やったぜ!」とガッツポーズをした私でした(笑)
ばり、ばり、ぞぶり。しゅうううううう!