振り向かなくていいよ
言葉を交わさなくても
隣に座らなくても
目の届くところにいなくても
いいよ、全然かまわない
久しぶりに会うけど
いつもみたいに、なんでもないみたいに
当たり前って顔で
やあ、って笑うよ
見つめ合わなくていいよ
恋をしなくていいよ
今は誰より
君を感じている
振り向かなくていいよ
言葉を交わさなくても
隣に座らなくても
目の届くところにいなくても
いいよ、全然かまわない
久しぶりに会うけど
いつもみたいに、なんでもないみたいに
当たり前って顔で
やあ、って笑うよ
見つめ合わなくていいよ
恋をしなくていいよ
今は誰より
君を感じている
世界の果てには虚海(きょかい)と呼ばれる海がある。
そして、虚海の向こうには幻の国があるという。
常には交わることのないふたつの世界。向こうはこちらを常世(とこよ)と呼び、こちらは向こうを蓬莱(ほうらい)と呼ぶ。
こちらから蓬莱には行けない。虚海を渡ることができるのは神仙と妖魔だけなのだと言われている。
行くことができるのは卵果だけだ。
ただひとならば蓬莱で人として生まれ、二度とこちらには戻れない。行って、戻ってくることができた者を胎果と呼ぶ。それは王と麒麟に限られるのだが。
天帝が定めた十二の国に十二の麒麟。雄なら麒、雌なら麟と呼ばれる神獣が天啓を受け、天意に沿って王を選ぶ。
芳国の主たる峯王。先代の王・仲韃は本姓を孫、氏を健といった。治世三十年あまり、圧制に苦しむ民を救おうと立ち上がった恵州候・月渓によって討たれた。そして、峯麟・登霞(とうか)もまた、二代にわたり暗君を選んだために。
仲韃が斃れて三年、蓬山に実った峯果は孵ることなく蝕に流された。捨身木に実がついてから日も浅く、九月後には孵るはずだった峯麒が蓬山に戻ることは二度とないと女仙の誰もが思った。宮がすべて閉ざされたのが何よりの証拠であろう。
後に峯麒は自ら蝕を起こして帰還し、玄君はじめ女仙たちを驚かせることになるが、それはまた別の物語である。
仲韃が斃れて二十八年、峯果が孵ってから二十五年後。蓬莱で、峯王と峯麒の運命が動き始める---
(本編につづく)
電話で伝わる気持ちなら いいね
キスで伝えられる言葉なら いいね
からだを重ねても
伝えられない想いがある
涙のしずくをつないでも
はかりきれないよ
1からかぞえたlovin' you
闇の長さにも
夜の深さにも
とぎれることなく、君へ
18th,May,1992