で、まずは最近、やっと再販というか、DVD付きコンプリートCDが発売された、細川ふみえです。
私、彼女のファンなんですけど、当時、好きと言おうものなら、半径10メートルは人が居なくなりましたね。
まーそれもこれも巨乳を売り物にしたアイドルだったからだと思うんですけど、それを逆手に取ったような、ラディカル?な、短い歌手活動は痛快でしたね。
当時、同じ事務所の先輩、加藤れいこが、脱グラビアアイドルとして、大学祭などを中心に歌手活動をしていましたが、細川ふみえは、さっさと歌手活動など止めてタレント業に専念していました。
それで良かったと思います。
彼女の残したCDは、シングルが4枚と、ミニアルバムが一枚、それにベスト盤的なアルバムが一枚だけです。
優れた内容の割りに、当時さほどヒットもしなかったので、すぐに入手が困難になり、その後、再評価もされるでもなく半ば忘れ去られていました。なので、今回の再販は、遅すぎた感じもします。
特に彼女のデビューシングルの「スキスキスー」は強烈でした。
ピチカートの小西康陽の作詞作曲で、私は彼のベストワークだとさえ思っています。
この曲、小西康陽の作品だからこそなんですが、
おそらく元ネタが、ソフィア・ローレンの「Zoo Be Zoo Be Zoo」ではと思っています。
60年代に、非常に肉感的で野性的な魅力で一世を風靡したグラマー女優の曲を、
90年代に、プラスティックな巨乳タレント細川が、チープなシンセ音で、自身のパブリックイメージを逆手に取ったような間抜けな歌詞を、アホ丸出しでアニメチックに歌う姿をみて、
小西康陽の「音楽の借用ってのは、こうやってするんだよ」と、言っているようなセンスの良さと、
彼女のそれに答えるような、タレントとしての、したたかさと過激さが強烈でした。
続く、石野卓球の作品は、間抜けさ加減がさらにエスカレートして、既に理解不能なシュールな世界と紙一重です。
彼女はそれを、躊躇無く表現しきって、やはり優れた楽曲として成立させています。
この細川の半ば実験的とも思えるアバンギャルドな諸作品の成果が、現在の桃井はるかなどの、アキバ系電波ソングの源流の一つになっていると思います。
最近、同じ事務所の、巨乳タレントの小林恵美が、「スキスキスー」をカヴァーしてました。
製作も同じく小西康陽です。同じようなスタイルのタレントを起用したのも、ルーツにソフィア・ローレンの存在があるからだと思っています。
しかし、細川がいかに優れたパフォーマーであったかを証明しただけの残念な作品でした。
やはり、私は彼女が大好きだ!(おーい、みんな~何で離れるんだよ~~~)
右から、細川ふみえの「スキスキスー」のシングル。
真ん中がソフィア・ローレンの「Zoo Be Zoo Be Zoo」が収録されているベスト盤(輸入盤)で、比較的入手が容易な物です。この曲、当時日本でもシングルが発売されていましたのでアナログ盤も探せば、あると思います。
左が、残念な内容の小林恵美の「スキスキスー2007」のシングルです。DVDが付属されているので彼女のファンの方はチェックしてみてください。
彼女名義のアルバムが、こちらの二枚です。右側の「HIT & HEAL "Sweet & Lovely" Collection '92-'94 」が断然オススメです!
今回、再発されたコンプリート盤は、私は購入予定はありませんが、多分二枚分の全曲が収録されていると思います。