1938-1940(ホーム/ビジター) | 虎松ツヨシの阪神タイガース私設博物館 猛虎の兜

虎松ツヨシの阪神タイガース私設博物館 猛虎の兜

阪神タイガース伝統のレプリカキャップコレクションを展示
その歴史を探究する。

(ミズノ社製)

 

球団創設80周年となる2015年、阪神タイガースの公式サプライヤーであるミズノから複数年代の復刻キャップが発売された。このキャップはその中のひとつで、以降、復刻グッズの定番としてラインナップされている。

タイガースグッズに詳しいファンであれば、おやおや?なんか見たことがあるぞと感じたかも知れない。それもそのはず、このデザインといえば、この年の数年前シーズン途中セ・リーグ共同で開催されたグレートセントラル2012においてチームが使用した1937年の復刻モデルとよく似ている。

 

 

 

しかし細かい部分で仕様を変えて、既出の1937年復刻モデルと区別されている。その違いは1937年版は黒の天ボタン、対し1938−1940では白の天ボタンを装着。また使用されていた当時の縦縞のラインをどちらもグレーで再現しているものの1938−1940モデルでは1937年モデルよりも太く強調されたラインとなっている。

 

 

(左:1938-1940 右:1937)

 

ただし、このようなデザインが史実に基づくものかというと、やや疑念が残る。私の手元にある資料に限って言えば1938−1940年に使用されていた帽子が白い天ボタンだったというのは確認できない、逆に黒の天ボタンが確認できる映像が残っている。

これは既出商品と区別させるためのメーカー都合によるデザインチェンジだと思われる。メーカーにどのような事情があるのかは知らないが、ミズノに限らずニューエラも、同じ時代の復刻版であるはずなのに、既に商品化されている帽子を発売する場合、若干デザインを変えて再販するという手法がとられている。結果、史実に基づかないデザインが堂々と◯◯年代復刻版として店頭に並んでしまっている。

毎度、復刻版の解説を執筆しながら思うが、おそらくこの先も球団が節目を迎えるたびに、このような復刻企画が商品化されることだろう。メーカーおよび、それを承認する球団担当者には改めて時代考証をしっかりやってもらい、史実を捻じ曲げてしまうような商品は控えていただきたい。歴史ある伝統の球団という責任を持ってファンに届けて欲しいと願うばかりだ。

 

1937年と1938年で区切りについては、おそらくプロ野球ユニフォーム研究の第一人者、綱島理友氏の文献を参考にしていると思われる。綱島氏のユニフォーム物語によれば1937年と1938年とで確かにユニフォームのデザインが違う、しかしこれらも帽子については触れられていない。

 

 

最後にレプリカのアジャスターについて触れると、1937年モデルはマジックテープを採用していたが、1938‐1940バージョンではスナップ式を採用している。

 

(景浦将の映像より)

 

この時代に活躍したおもな選手

景浦将 松木謙次郎 西村幸生 若林忠志 御園生崇男 門前眞佐人


画像出典元:阪神タイガース/デイリースポーツ/日刊スポーツ/スポーツニッポン/サンケイスポーツ/スポーツ報知/中日スポーツ/ベースボール・マガジン社