22.どこへ住もうかな?

 

コスタリカへ移住をして

全財産を海外の銀行へ

移しっちゃったので

その直後日本へ

急きょ戻ることになった時

すっからかんの状態で

空港のタラップを降りたのだそうな。

 

「僕、ビンボーになったので

借金したんだよ」って、ね。

そんなことを言って移住し、

久しく音信不通になっていたある日

また日本へ舞い戻ったことがあり

一体君はどこに住みたいのだ?!と、

尋ねたかった。

 

あっちへこっちへと

出かけていたので

日本もまた彼の居心地の良い

場所の一つだったようです。

 

シュウちゃんにとって

心地よい場所

それは、海の近くであること

そして

その海はサーフィンができること

この2つの条件を満たした場所を

探す旅をしたらしい。

 

海外の捕鯨調査船での

1年間の勤務は

燃料や食料の補給程度の

寄港はあっても

地上での暮らしは全くなく

板一枚海の上の生活から

脱出したいと思いつき

やっぱり日本がいいな・・

となったか!?

 

ここら辺で

少し息抜きをということで

「どこへ住もうかな?」となった。

とりあえず、サーフポイントを

周ることにしたシュウちゃん

軽ワゴンの新車を買い込んで

サーフボードと

キャンプ道具を積み込み

愛犬「eyes」(通称アイちゃん)と

出発した。

 

海岸線をぐるり。

北海道から沖縄まで

主要なスポットを

波乗りしながら楽しく

キャンプドライブをしていたらしい。

 

たどり着いた場所が宮崎。

『やっぱり、宮崎がいいかな?と

思ってさ、決めたわけ』

 

乗っていた新車の軽ワゴン車は

走行距離がすごいことになって

処分をしたらしい。

そんなに走ったのですね。

 

まず住まう場所を探し

落ち着いたところで動き出した。

朝、6時ごろアイちゃんを連れて

散歩をしていると

近所の畑仕事をしているおばさんと

顔見知りになった。

 

「あんた若いんだから

野菜を摂らないと」

そう言って畑で働くおばさんが

大根やら菜っ葉やら

採れたてを手渡してくれた。

「すごいね、日本って

散歩しているだけで

野菜がもらえちゃうんだね」

楽しそうに話していた。

 

よほど野菜不足をしている顔だった?

常に誰かが助けてくれる星の下に

生きている人だと感心をした。

人と上手にかかわることのできる人は

どんな国のどんな土地でも

生きることができるのだという

証明の一つ。

 

シュウちゃんが宮崎に拠点を移し

動き出した直後

宮崎県知事が、東国原知事になり

鳥インフルエンザ発症した。

獣医だったシュウちゃんは

いったいどう思っただろうか?

その後宮崎は、台風の被害やら

口蹄疫やらと話題に事欠かず。

そんな状況での宮崎での生活

仕事は何をしていたのかというと…

 

次は

『僕ってさ、エンジニアで

採用されたんだよ』 のお話。

 

 

…つづく