1993年。日本初のプロサッカーリーグとなる“Jリーグ”が開幕した。



まだバブル経済の恩恵を色濃く受けていた俗衆の後押しもあり、Jリーグは瞬く間に大ブームを巻き起こし、社会現象となった。



そんな世相の流れは、その時15歳だった俺の生活環境にまで大きな影響を及ぼした。




幼少の頃から俺は野球一筋。もちろん中学校でも野球部に所属していた。



当時、野球部はクラブ活動の花形。試合の時には、クラスメイトの女の子たちが応援に駆け付けてくれる程だった。




それがJリーグ発足と共に状況は一変。女の子たちの熱い視線は、同じグラウンドで練習するサッカー部員に注がれるようになった。




思春期の真っ只中にいた俺にとって、これは死活問題。ものの見事に勢いを失い、中学最後の試合でもノーヒット。チームは惨敗を喫した。




夕暮れの帰り道。打ちひしがれる加藤少年。




「ちくしょう…」



「悔しいな…」




「でも…!」



「こんなところで負けてたまるか!」




「中学を卒業して、高校に入学したら…」



「今度こそ… 」



「今度こそ…!」











「サッカー部に入ろう」(どーーん!)





加藤少年は「女の子にチヤホヤされたい」という理由だけで、長年連れ添ってきたグローブとバットを置き、高校のサッカー部に入部した。




練習初日。


野球用のスパイクで堂々とグラウンドに立つも、基礎練習のリフティングがまったくできない。




練習二日目。


練習時間に5分遅刻し、先輩にビンタされる。





練習三日目。


退部届けを提出。






なんたる挫折感。やはり不埒なモチベーションでは、サッカーという格段にハードなスポーツを続けることは不可能だった。





サッカー歴2日。



蹴球には苦い思い出ばかり。





そんなファンキー加藤、



ワールドカップ サッカー日本代表を全力で応援します!





頑張れ、ザックJAPAN!!!