アメリカのルーツ・ロック・デュオ
ラーキン・ポーをご紹介です。
ミーガン&レベッカの美人姉妹デュオです。
実はこのバンド、※敢えてバンドと呼ばせていただきます僕にとってスゴク謎のバンド……と言うか、正体不明の存在でした。
…と、言っても、決して難解な楽曲が多いとか、変拍子のリズムだとかそーゆーことではありません。
ただ単に、今まで「日本国内盤」のアルバムが発売されていなかったからです。更に、日本語のwikiが無いため、詳しいアーティスト情報が入手し難かった…と、そんな理由です。
やっと発売されました。
初登場の日本盤「ブラッド・ハーモニー」です。
デビューから8年、アルバム6枚目にしてやっと日本盤の発売です。
ふぅ~ん
要するに無名のバンドだったのね
と、思った女子高生&女子大生&中二男子&メタルキッズの皆さん、実は彼女たち、ビルボードのブルース・チャートで2作連続1位を記録したり、スティーブン・タイラー(エアロスミス)のアルバムやビリー・ギボンズ(ZZトップ)のアルバムに参加したり、大御所ミュージシャンとコラボもしてる、アメリカではそこそこ名前の知れた存在なのだそうです。
…なのだそうです、なんて言い方をしてるのは、先にも言った通り、僕にとっても(情報が少ない)正体不明の存在だからです。
ですが、作品だけは聴いていました。
僕が初めてラーキン・ポーを聴いたのは、多分、3~4年前だったと思うのですが、僕が(周期的に)ブルースに傾倒していた時期だったと思います。
そうなのです。
ラーキン・ポーはブルース・バンド(デュオ)なのです。
この楽曲「Preachin' Blues」は、2017年に発売された2ndアルバム「ピーチ」に収録された楽曲です。
元々は古典ブルースの偉人サン・ハウスの楽曲なのですが…なんてシッタカブッテ言ってますが、僕はサン・ハウスは殆ど聴いたことがなく、この楽曲はデレク・トラックス・バンドの2ndアルバム「アウト・オブ・ザ・マッドネス(1998)」で初めて聴いた楽曲でした。
デレク・トラックス・バンドは、現代最高峰のブルース・ギタリストと言われるデレク・トラックスが率いるブルース・バンドですが、現在は、奥様のテデスキ・トラックスさん(シンガー&ギタリスト)と共にテデスキ・トラックス・バンドとして活動してますね。
2022年に4ヶ月連続リリースのアルバム「I Am The Moon」第1章~第4章が発売されています。
ラーキン・ポーの演奏する「Preachin' Blues」の動画をYoutubeで観たことと、ラーキン・ポーという変わった名前が印象に残り、アルバムを購入してみました。
ちなみに、LARKIN POEと書いてラーキン・ポーと読みます。
ただ、その時は……
日本盤が販売されていないし、タワレコでは最新アルバム「Venom & Faith(2018)」以外は「お取り寄せ」となっていたため、このアルバム1枚のみしか聴くコトができませんでした。
早速、聴いてみました。
…が、その後すっかりラーキン・ポーの存在を忘れていました。
…で
つい先日、ラーキン・ポーの初・日本盤「ブラッド・ハーモニー」の発売を知り、早速購入しようとアマゾンを開いてみると、以前、タワレコで「お取り寄せ」となっていた過去作CDが取扱いされているのを見て、まとめて一気に大人買いしてしまったのです。
ってことで、
今回、僕が購入した作品と、「ブラッド・ハーモニー」のライナーで得た情報をご紹介しようと思います。
先ず、ラーキン・ポーは
ミーガン・ラベル(姉/ラップスティール&コーラス)、レベッカ・ラベル(妹/ギター&ボーカル)の2人組です。
バンド名の「ラーキン・ポー」と言うのは、姉妹の祖先にエドガー・アラン・ポーの親戚がいることに由来しているそうです。
※エドガー・アラン・ポーはアメリカの小説家・詩人です。日本の推理小説家、江戸川乱歩の名前の由来となった人物ですね。
元々は3姉妹の長女ジェシカ・ラベル(フィドル&ボーカル)が在籍する姉妹3人組だったそうですが、ジェシカが結婚してバンドを抜けたことでミーガン&レベッカの2人組となり、楽器編成も変わり、現在のスタイル(ルーツ・ロック)へと音楽性も変化したそうです。
デビューは2010年らしく、5枚のEPが発売されているようですが、現在は入手困難なようです。この頃は今とは若干、音楽性も違うようです。
デビュー・フル・アルバムは2014年の「Kin」。
「Kin」は現在は廃盤のようで、アマゾンではかなり高額なボッタクリ価格で販売されていますね。
その後、2016年に「Kin」の収録曲(一部抜粋)に新曲4曲を加え、曲順を変更した「RISKINNED」が発売されます。
iTunesで「Kin」を試聴してみましたが、「RISKINNED」に比べてソフトな印象を受けました。「RISKINNED」に追加収録(と言うか差し替え)された新曲はかなりカッコいいブルース・ナンバーです。
2ndアルバム「PEACH」は、音楽性はルーツ・ブルースですが、ドラムが打ち込み系なのと、ラップスティールの音がストリングスのように聴こえることもあり、不思議と今風なサウンドに聴こえるアルバムでした。
ちなみにラップスティールとは……
銀髪のミーガンお姉さんがスライド・ギターのように弾いてる楽器です。
僕は…初めて観た(聴いた)楽器かもしれません。
まるでバイオリンとかビオラとか、そんなストリングスのような音が響いてますね。
ちなみに……
音やジャンルは違うかもしれませんが、ザ・キルズの打ち込み系ガレージ・ロックを聴いた時のような「新しいのか古いのかよく分からない」不思議な感覚に似たものを感じました。
▲ちなみに、こちらがTHE KILLSです。
3rdアルバム「Venom & Faith」は以前に購入していたアルバムですが、このアルバムの第一印象は、ブルースというよりは、ブルースにフォークやカントリーなどを織り交ぜたサウンド……という印象でした。
ラーキン・ポーがブルース・バンドではなく、ルーツ・ロック・バンドと呼ばれているのはこういう音楽性からかもしれません。
4thアルバム「SELF MADE MAN」は、かなりカッコいいブルース色の強いアルバムです。これは楽曲が、というより、サウンドがと言った方が良いかもしれません。かなり骨太なブルース・サウンドです。
ただし、まだジックリと聴き込んでいないので、あくまでサラッと聴いた第一印象の話です。
更に、「SELE MADE MAN」と同年の2020年に、もう1枚、5thアルバム「Kindred Spirits」が発売されているのですが、こちらは何故か(?)アマゾンでもタワレコでもHMVでもCDが販売されていません。
音楽データベース・サイト「Discog」で調べてみると、CDが発売されてはいるのですが、発売エリアがヨーロッパのみ(?)となっていて、他のエリアは配信&ダウンロードのみ……っぽいですね。
内容は、iTunesで試聴してみたところ、弾き語り系がメインのカバー・ソング集のようです。
そして、日本盤初登場の6thアルバム「BLOOD HARMONY」です。
4thアルバム「SELF MADE MAN」と同じく、骨太なブルース・サウンドのアルバムです。更にアルバム・ライナーによると、今までの打ち込みメインのドラムが、今回は生のドラム演奏になっているそうです。
…と言われても、実際はまだ各アルバムをジックリ聴き込みしていないので、ほとんどサウンドの違いは分かりません。
唯一、「PEACH」は明らかな打ち込みドラムだって分かるくらいです。
ってことで……。
今回、ラーキン・ポーのアルバムを一気に聴いて思ったのは、このバンド、とにかく曲が気持ち良いってコトです。
南部アメリカの土臭く埃っぽいヴィンテージな雰囲気と現代的なスタイリッシュな雰囲気が同居している心地よいサウンド、レベッカの野太いボーカル&ギター・リフ、そしてミーガンのラップスティールの何とも言えない独特の響きと心地よいハーモニー……。
僕的には、ジョニー・ウィンターやZZトップの泥臭さ全開の白人ブルースと、テデスキ・トラックス・バンドのスタイリッシュな都会的ブルースの、ちょうど中間の位置にあるような、「泥臭いけどスタイリッシュなルーツ・ロック・サウンド」、それがラーキン・ポーって感じです。
興味のある方は、是非、サブスクで探してみて下さい。
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