ザ・ジョン・スペンサー・ブルース・エクスプロージョン その7 | ぐれむりんの気ままなブログ

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勝手気ままな★備忘録★レビュー

前作「アクメ」の変化を受け入れられなかった僕が、

「プラスティック・ファング」を大絶賛した……。

その理由は単純で、「アクメ」にはアップテンポな曲が少なく、「プラスティック・ファング」には多かったから。

 

このアルバムが発売された2002年当時、世の中はガレージ・ロック・リバイバルで盛り上がっていた時代です。

 

ガレージ・ロック・リバイバル?

という聞き慣れない言葉に首を傾げる女子高生&女子大生&中二男子&メタルキッズは多いかもしれません。

今から20年以上前のムーブメントです。

※敢えてムーブメントと呼ばせて頂きます。

ヒップ・ホップやR&Bの台頭で人気が下火になっていたロック・ミュージックに活気を取り戻そうというムーブメントです。

 

60年代や70年代のような、飾りの無いシンプルでストレートなバンド演奏をする若手バンドが、雨後の竹の子のように登場した時代です。

 

そんな中で、JSBXガレージ・ロック・リバイバルの先駆者的存在と言われていました……、という話を後から知りました。

 

まあ、それは置いといて。

 

2002年に発売されたJSBXの6thアルバム「プラスティック・ファング」は、それまでのJSBXの作品に比べ、キャッチーでストレートで聴き易い楽曲が満載のアルバムでした。

まさに、日本のロック・キッズの心を鷲掴みにする、機嫌なロック・ナンバーが満載です。

僕の心も鷲掴みにされました。

当時、既にオジサンの世界に片足半分つっこみ始めてた僕ですが、このアルバムに心を鷲掴みにされたのです。

キッズじゃないのに鷲掴み……です。

…前言撤回が必要です。

日本のロック・キッズとロック・オジサンの心を鷲掴みにするご機嫌なロック・ナンバーが満載です。

 

ただし、今の耳で聴くと……

異色作です。

ロック・アルバムとしての完成度は高いけれど、JSBXのアルバムの中では、あまりにもポップでキャッチー過ぎる……。

ここまでキャッチーな作品は、後にも先にもこれ1枚だけです。

 

僕が友人に、「JSBXの作品でオススメはどれ?」と聞かれた場合、真っ先にこのアルバムを紹介すると思うのですが、もし、その相手が「これからJSBXを全部聴いてみようと思う」と言うなら、このアルバムは最後(又は後半)に聴くように勧めると思います。

 

だって……

上に貼ったPVの「She Said」を唄ってるバンドが……

こんな曲を演奏するとは思わないじゃないですか。

しかも、JSBXの人気曲は「She Said」じゃなく、こちらの「Bellbottoms」の方なんだもの……。

JSBX初心者が最初に「プラスティック・ファング」を聴いたら、それ以前のアルバムはマニアック過ぎて聴けなくなっちゃいますよ……。

 

ただし、このアルバム。

キャッチーでストレートで聴き易いのは日本盤だけ…だったりします。

実は、日本盤と輸入盤では、曲順と収録曲が違っているのです。

 

日本盤の収録内容は

Sweet n Sour

She Said

Money Rock'n'Roll

Getto Mom

Alex

Hold On

Over And Over

Then Again I Will

Down in the Beast

Shakin' Rock'n'Roll Tonight

The Midnight Creep

Like a Bat

Killer Wolf

Mean Heart

以上の14曲です。

赤字の楽曲は日本盤のみのボーナス・トラックで、全曲、キャッチーでアップテンポな楽曲です。

 

輸入盤(US盤)の収録内容は

Sweet n Sour

She Said

Money Rock'n'Roll

Killer Wolf

The Midnight Creep

Hold On

Down in the Beast

Shakin' Rock'n'Roll Tonight

Over And Over

Mother Nature

Mean Heart

Point Of  View

以上の12曲です。

 

更に国によって曲順が変わり、上記赤字曲も以下の2曲に差し替えられていたり……。

Tore Up &  Broke

Do Ya Wanna Get It?

かなり変則的なアルバムになっています。

 

ちなみに、輸入盤に収録された赤字楽曲は、ミドル・テンポのブルース系楽曲が中心で、この選曲(曲順・収録内容)だと、オープニングの2曲以外は「アクメ」の流れを汲んだアルバムという印象が強くなります。

 

それにしても、JSBXって日本贔屓がスゴイのか?

日本はCDが売れるからなのか?

当時の日本がCDバブル時代だったからなのか?

 

日本盤に未収録だった楽曲は、「ファング・プラスティーク」というミニ・アルバムに纏め、新曲「Maureen」を追加して日本限定で発売してくれています。

日本のファンには嬉しい限りです。

 

ただし……

この時期をピークに日本のCD販売数は徐々に落ちて行き、2010年に発売された「90年代作品リマスター企画盤」は日本盤は発売されないなんてことになっちゃうのですが……。

 

ちなみに、このアルバムは2000年代の発売のため、リマスター企画の対象外になってます。

でもなぜか、ベスト盤には「She Said」のリマスターが収録されているんだけど?

 

そして……

次作「ダメージ」で、バンド名を変更(?)という迷走を始めてしまうのですが…、それはまた、次回ということで。