オルタナティブ・ミュージックと言うのは、商業的な成功や流行に左右されないアンダーグラウンドな精神を持つ音楽(シーン)のコト。
と、言われているのですが……
満島ひかりさんの言葉を借りるなら、
それを決めるのは
お客様だっ!
と、まあ…、要するにですね、
何が言いたいのかというと……
僕は、最近のthe pillowsに対してやたらと使われる「オルタナティブなサウンド」と言うのがイマイチ理解できていないのです。
the pillowsは、日本のロック・バンドです。
デビューから30年以上が経つロック・バンドで、スピッツやミスチルと同期デビューのベテラン・バンドです。
そして、山中さわおさんは、the pillowsの現リーダーでボーカル&ギターを担当し、ほぼ全ての楽曲の作詞・作曲をこなすシンガー・ソング・ライターです。
は?
誰それ?
そんなふーに思った中二男子&女子高生&女子大生&若奥様は多いかもしれません。
もしかすると、「誰それ?」と思ったオジサマ&オネーサマも多いかもしれません……。
the pillowsを指して
無冠の帝王と呼んだ音楽雑誌もありました。
※コアなファンが多く、楽曲のクオリティも高く、ミュージシャン仲間からもリスペクトされているのに、なぜかヒット曲に恵まれない…って。
90年代に爆発的ヒット曲を生み、国民的バンドに成長したスピッツやミスチルとは違い、まるで売れなかった不遇のロック・バンド……。
…なんて言うと、すでに解散した過去のバンドのように聞こえますが、the pillowsは現在も活動している現役バンドです。現在までに、37枚のシングルと22枚のアルバムが発売されています。
かなりの多作バンドです。
更に……
山中さわおさんはソロで6枚のアルバム(今年7枚目が発売)を発表し、サイド・プロジェクトとして結成したバンド、THE PREDATORSで7枚のアルバムを発表、更に更に、2016年にはCasablancaという3ピースのバンドを結成し3枚のアルバムを発表……。
これまでに、the pillowsで22枚のアルバムを出しつつ、ソロや別バンドで17枚のアルバムを発売って……。
正直、ちょっと、アタマオカシイ・レベルの多作ぶりです。
どれくらいアタマオカシイ・レベルかと言うと、2020年は約50曲の新曲を作って、そのほぼ全曲を発売してるってアタマオカシイ・レベル。
でも、本当にアタマオカシイのは、50曲もの新曲を発表しつつ、全国流通盤(CDショップ販売)は、ソロ・アルバム1枚(9曲入り)のみ。後の作品は全て、自主レーベルでの通販限定(ライブ会場含む)販売のみ。
今回のブログ・タイトルにもした名曲「ロックンロールはいらない」も、全国流通してないうえにYoutubeにもPVが無いから、ガチのファン以外は聴く機会がほとんどないって……。
ちなみにこの曲、2020年のコロナ自粛で音楽活動が出来ない怒りを詰め込んだ楽曲だそうで……。
顔色伺うロックンロールは聴かない、本音を言わないロックンロールは聴かない、敵を作らないロックンロールは聴かない、旗色気にするロックンロールは要らない……って、そんな楽曲です。
興味がある方は是非、通販サイトでチェックしてみて下さい。
…なんて、まるで通販紹介ブログのようになってしまったので話を戻しますが、2020年以降はソロでの活動が目立つ山中さわおさんですが、メインであるthe pillowsは、2019年に結成30周年を迎えたのを機に、しばらく充電期間に突入しているそうです。
みなさん、知ってますか?
the pillowsです。
the pillowsと書いて、ザ・ピロウズと読みます。
僕がthe pillowsを初めて聴いたのは、1999年発売の7thアルバム「RUNNERS HIGH」でした。※だと思います。
初聴きが7枚目のアルバムって…、古参の振りした新参者じゃんって思われそうですが、最初にも書きましたが、デビュー当時のthe pillowsはまるで売れていないバンドでした。
当時の僕は名前すら知らなかったもの…。
彼らが注目を集める切っ掛けになったのは、5枚目のアルバム「Please Mr.Lostman」からです。
それまで、(レコード会社の意向で)ミスチル路線のオシャレ・ポップスを意識したサウンドを鳴らしていたthe pillowsでしたが、あまりにもCDが売れなさ過ぎて……、メジャーから撤退する覚悟で、レコード会社の意向を無視した、「自分たちが本当にやりたい音楽」を作ることにします。それが「Please Mr.Lostman」でした。
グランジ系の歪んだギターと、UKロックを彷彿とするキャッチーなメロディに、捻くれた歌詞。
現在進行形のthe pillowsの音楽スタイルが誕生した作品です。
彼ら自身、このアルバムからを「第3期」と呼んでいます。
僕が7作目の「RUNNERS HIGH」収録の「インスタント・ミュージック」を聴いた時に最初に思ったのは、まるで洋楽(UKロック)のような邦楽バンド、でした。
そして、僕がthe pillowsを20年以上に渡って聴き続ける切っ掛けになった楽曲が、名曲「Ride on shooting star」でした。
しかもこの曲、オリジナル・アルバム未収録です……。
the pillowsファン(バスターズ)の方なら何となく理解していただけると思うのですが、僕は、「Please Mr.Lostman」から2007年発売の「Wake Up! Wake Up! Wake Up!」までの10作品なら、どれを最高傑作に選んでも異論は無い、と思っています。
どれを最高傑作とするかは、ファンの好みです。
それくらい、どの作品もクオリティが高いです。
残念なのは……
2009年発売の16thアルバム「OOPARTS」以降は、微妙な作品が増えてきたってことですね。
レコード会社を古巣のキング・レコードから、大手のエイベックスに移籍したせいか?
それまでの骨太なグランジ・サウンドが影を細め、繊細なスッキリ・サウンドへ移行しちゃいました……。
ここら辺の音楽性の変化したサウンドを、the pillowsのオルタナ・サウンドって呼んでるのでしょうか?
え?
でも、だって
そもそも、the pillowsが第3期に突入した際の音楽性がグランジ/オルタナティブだったじゃん?
そういう意味では、the pillowsはずっとオルタナティブだって思うのですが……。
後から知ったのですが、2009年以降のthe pillowsはメンバーがスランプ状態で、あまり良い状態ではなかった期間もあったようです。
この頃から、山中さわおさんのソロ活動が目立ってきたのはそのせいかも?
特に、2013年発売のソロ・アルバム「破壊的イノベーション」からは、the pillowsのアルバムと言われても遜色が無いレベルの作品になってます。※それ以前のソロ・アルバムは、the pillowsとは違う音楽性の作風でした。
どうやらコレ、山中さわおさんから他のメンバーへ向けて、「俺はひとりでもコレくらいできるけど、どうする?」というメッセージだったんじゃないかって噂もあります。
バンド解散するか、もういちど本気で音楽と向き合うか……って。
まあ、さわおさんの場合、1年間に50曲の新曲を作って発売するくらいの音楽バカだし、音楽に没頭するために他の趣味を持たないってくらい生粋のロックンローラーなので、他のメンバーも大変な気がしますけど……。
今は、the pillowsはエイベックスを離れ、自主レーベルに所属(CDは古巣のキング・レコードから発売?)し、「OOPARTS」以前の雰囲気が戻ってきているので一安心です。
そして何より、デビューから30年が過ぎても、創作意欲と才能が枯渇しないミュージック・クリーチャー山中さわおさんの活動が止まらないのが嬉しい限りですね。
……と
思わず大好きなミュージシャンを熱弁してしまってますが
さわお?
は?
誰それ?
ってまだ思ってる中二男子&女子高生&女子大生&若奥様&オジサマ&オネーサマの皆さま……
興味があったら、是非、聴いて下さいね。

