ラム・オブ・ゴッドの新作「ラム・オブ・ゴッド」 | ぐれむりんの気ままなブログ

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アメリカのメタル・バンド

ラム・オブ・ゴッドの新作

「ラム・オブ・ゴッド」を購入したのです。


 

 


今回、僕が購入したのは、ちょっとお値段の高い日本盤です。

日本盤にはボーナス・トラック「ゴースト・シェイプド・ピープル」が収録されてます。カッコいいハードなメタル・ナンバーです。

 

それにしても、バンド名をアルバム・タイトルにするなんて、もしかしてこれが最後のアルバムになるの? なんて不安になったのは僕だけでしょうか?

 

前作「VⅡ:シュトゥルム・ウント・ドラング」から5年振り、となりますが、実際には2018年にバーン・ザ・プリースト名義でカバー・アルバムを発表してますね。

バーン・ザ・プリーストは、ラム・オブ・ゴッドがメジャー・デビュー前に名乗ってたバンド名です。

確か、デビューする際に、すでに同名のバンドが居たとかそんな理由でバンド名を変更したんじゃなかったかな?

いや……、バンド名自体の印象が良くなかったって理由だったかも?

 

ここら辺うろ覚えなのは、実は約1年くらい前まで、このラム・オブ・ゴッドは僕の中で残念なバンドの筆頭だったからです。

これには理由がありまして……

 

メタルなんて恥ずかしくて聴けないわぁ~

ラム・オブ・ゴッドがデビューした2000年代前半、当時の僕はとにかくガレージ・ロックに夢中になっていて、メタル系はまったく聴いていなかったのです。って言うか当時の僕は、メタルは絶滅したって思ってました。※90年代にニルヴァーナが登場して以降、メタルは時代遅れの音楽だってなっちゃいました。

 

僕がラム・オブ・ゴッドを聴いたのは、2~3年くらい前に僕の中で空前のデスメタル・ブームが巻き起こった時でした。

メロディック・デスメタル・バンド「アーチ・エネミー」から始まり、その後、「カンニバル・コープス」「クリプトプシー」「メシュガー」などなど、本格的なデスメタルを聴き漁っていました。

 

ラム・オブ・ゴッドを聴いたのは、そんな(僕の中だけの)空前のデスメタル・ブームの真っただ中でした。

YoutubeでPVを観て、「こりゃあカッコいいデスメタル・バンドだ」と思いCDを購入※全作中古でしたけどしたのです。

だってこの曲聴いたら※デスメタルの初心者はラム・オブ・ゴッドはデスメタルだって思うでしょ。僕もそう思いました。

そして、購入したCDを聴いて愕然としました。

デスメタルと違うやないかっ!

うちのオカンが言うてる食べ物がコーンフレークやと思っとったら、どうやらまったく別の食べ物やったって、そんな感じです。

デスメタルを聴きたくてCDを買ったら、ダミ声(デスヴォイス?)で唄うハードコア系グルーブ・メタル・バンドでした。

 

デスメタルってこういうやつですよ。

※クリプトプシーはテクニカル・デスメタルとか、ブルータル・デスメタルと呼ばれる超絶テクニシャン❤バンドです。

その時の僕が聴きたかったのは、こういうデスメタルだったんだもの。

ラム・オブ・ゴッドの楽曲は洗練されすぎていたのです。

※メタルを聴かない人からは「どっちも同じじゃね?」って言われそうですが、メタル好きからするとまったくの別物なんです。「いちご大福」と「雪見だいふく」くらい別物です。

 

何て言うか、勝手に裏切られた気分です。

勝手に期待して、勝手に失望して、勝手に残念なバンド扱いです。

その後、何度か聴いてみましたが、やっぱりデスメタルみたいなブチ切れ感が足りなくて、あまり好んで聴くことなく、そのままiTunesの中で眠りについていました。

 

2018年に発売された「バーン・ザ・プリースト」名義の作品を聴いて、更に残念なバンドの筆頭に躍り出ました。

だって……クリーン・ヴォイス歌唱多用なんだもの。

 

かつてクリプトプシーも新しい試みとして、クリーン・ヴォイスの楽曲を発表し、ファンからブーイングの嵐が巻き起こったそうです。

そりゃあもう、すごいブーイングだったらしく、当時のボーカルが「二度とクリーン・ヴォイスでは歌わない」って言ったとか……。

 

デスメタルって、ボーカルが人間離れしてればしてるほど良いって言われる摩訶不思議アメージング・ワンダー・ワールドだもの。

そんな世界でボーカルが美声を披露しちゃったら、そりゃあ、立ち直れなくなるくらいバッシングを受けちゃうでしょう……。

 

デスメタルではないラム・オブ・ゴッドも、デビューから一貫してデスボイス系歌唱で作品を作ってきているから、そこに突然、クリーンな歌声が入っちゃうと、別バンドになっちゃいます。

 

ラム・オブ・ゴッドの場合、「VⅡ:シュトゥルム・ウント・ドラング」で部分的にクリーン・ヴォイスを入れた楽曲を披露していました。

あくまで、コーラスやアクセント的な使用です。

そして……シングル「デューク」で本格的なクリーン美声を聴かせてました。もはや別バンド・レベルの美声ボーカルです。

 

そして……バーン・ザ・プリースト名義のガバー・アルバムは、曲によっては別バンドって感じの歌唱法です。ラム・オブ・ゴッド的なデス声は、全体の3分の1くらいでした。

 

イヤな予感です。

もしかして、今回の新作は、クリーン・ヴォイスが多いのか?

予感は見事に大ハズレでした。

全体的にハードエッジな楽曲ばかりです。

ほぼ、デス声叫び系の歌唱です。

オープニング曲「メメント・モリ」でクリーン・ヴォイスを使用って書いてある紹介をwebサイト(音楽情報サイト)で見ましたが、これはクリーン・ヴォイスと呼ぶのか? ってレベルです。

イントロダクション的に低音で唄われる部分がクリーン・ヴォイスって紹介されてるようですが、僕的にはクリーン系はこういう唄い方じゃないんですって感じ。

 

そして、今回のアルバムは捨て曲が無い

って言うか、デスメタル・ブームがひと段落して、フラットな状態で聴いたラム・オブ・ゴッドはムチャクチャかっこいいバンドでした。

ほぼ全てのアルバムに捨て曲がありません。

ただし、デスメタルLOVEの皆さまには物足りない作品ばかりです。

 

以前、マッドヴェインを紹介した際にも書きましたが、まさに聴くべきタイミングが悪かったバンドです。

デスメタルを聴きたいと思っていた時に聴いた「ラム・オブ・ゴッド」は、あまりにも洗練されていたのです。なんたって、グラミー賞(メタル部門)にノミネートされるようなバンドだもの。

 

今回のアルバムからのリード・トラックです。

上に貼った2曲、「メメント・モリ」「チェックメイト」は、アルバムの1曲目と2曲目に収録された楽曲ですが、この2曲を聴いて、「あ、なんかカッコいいかも」って思った方は、新作はもちろん、ラム・オブ・ゴッドのどのアルバムを聴いてもカッコイイって思うはずです。※1stアルバム「バーン・ザ・プリースト」は除く。この作品はインディーズ的な音なのでまるで別物です。

逆に、「ちょっと無理」って思った方は、ラム・オブ・ゴッド以前にメタル系の音楽は合わないと思います。

 

ってことで、今日も僕は愛車の中で、ひとりフェス(と言う名の通勤)状態なのですが、自粛疲れで溜まったストレス解消にはハード・エッジな音楽がピッタリだなって思う今日この頃なのでした。