若井ケンさんの作品
僕は恥っこが好きを読んだのです。
全3巻ですね。
今は新装版ということで上・下の2巻になっているようです。
最初にハッキリと言っておきます。
新装版の表紙に騙されちゃダメだっ!
▼もともとの表紙はこちらです。
新装版の表紙はまるで、「君の名は」や「時をかける少女」のような爽やか(?)感動(?)ラブコメのような印象で描かれてますが、実際の内容は残念系女子高生のラブコメ漫画です。
騙されちゃダメついでにもう一つ言っておきますが、スカートがめくれそうなチラリズムの表紙に騙されちゃダメですっ!
1巻、2巻と、表紙でエッチなラブコメを期待させといて……内容は、ほのぼの系残念ラブコメでして、エロ要素は一切ありません。
当然、「君の名や」や「時をかける少女」のような爽やか系も一切無いのは言うまでもありません。
それじゃあ面白くないのか?
上記のアマゾンリンクを見ていただければ分かるのですが、爆発的な人気は無いけど評価はそこそこ高い、そんな感じ。
僕の個人的な意見としては、内容は面白いけど、色々な要素を詰め込みすぎててお腹いっぱいって感じ……です。
この作品を読んだ切っ掛けは、作者の若井ケンさんの別の作品
女子かう生を読んだことでした。
この作品は、以前、このブログで紹介したかもしれません。いや、してないかもしれません。
女子高生の日常系漫画なのですが、
面白いのは、台詞が一切無い無声漫画ってことです。
台詞が一切登場しないのに、何を言ってるか、何となく理解できて、ほのぼの楽しめる日常系漫画です。
恥っこに比べると、主人公のもも子の下着シーン※エロではなく、夏の暑さでグータラしてパンツ丸見えとかなど、若干のサービス・シーンはありますね。絵が上手いので、読みやすさもあります。
この漫画に合うBGMは
▲昔懐かしのJUDY AND MARYかな。
キュートでキャッチーなサウンドが漫画の世界観にピッタリな気がしますね。
僕は恥っこが好き
というタイトルはどこに引っ掛かるのか?
主人公の野田ハル子はまるで小学生のような天真爛漫な女子高生です。ひとりぐらしの野田さんは※ひとりぐらし設定のようですが作中では第1話の冒頭以外に一切その話題は登場しないと思います「ごはんがマズイ」問題を解決すべく、紙飛行機にラブレターを書いて飛ばします。
偶然、それを拾った同級生の加藤くん。紙飛行機に書かれた体育館裏に行き、そこで野田さんに告白されちゃいます。
「けっこんしてください!」
どうやら野田さん、毎日お弁当を作ってもらうために「結婚」しようと考えてたみたい。※という残念系女子高生です。
加藤くんの返事は「お弁当から始めませんか?」
ってことで、野田さんと加藤くんのお付き合いが始まっちゃうんだね。
ラブコメギャグ漫画として読めば、それなりに楽しめます。
ただ……やっぱり詰め込み過ぎ。
野田さんの親友、本条ゆりえ、アダナ「ゆっこ」は美人でクールな外見から「怖い人」と誤解されがちで、中学時代はクラスメイトに馴染まなかったけど、高校で天真爛漫な野田さんと友達になり救われた……的なプチ感動系ストーリーを中途半端に入れてきたり、不良コンビの勘違いコント・ギャグ※不良コンビのひとりが相手が自分に惚れている(ホモ)と勘違いし悩み続けるを全3巻にわたって展開したり、先生に恋する女子生徒が……その先生の趣味が「男の娘」だと知り困惑しつつも、その手の話題で親しくなっていったり、加藤くんの親友の小西くんは、イジメラレっ子のちさとちゃんを守り付き合うことになったり、本条さんが想いを寄せる水谷くんは、本条さんを「不良」だと勘違いして逃げ回っていたりとか……。
全3巻の中にどれだけ学園ラブコメ・テンプレートをぶっ込むつもりですかってくらい、色々なお話がぶっ込まれまくってます。
お蔭で?
野田さんと加藤くんの恋はなかなか進展しませんね。
最後はお約束の「恋のライバル」登場で、加藤くんと野田さんの気持ちがすれ違い始めたり……。
でも、結局最後まで読んでも「恥っこ」がどこに引っ掛かるのかは謎?
野田さんが「卵焼きの端が好き」だから「ハジっこが好き」なのか、天真爛漫な野田さんが「恥っ子」なのか?
でもまあ、イヤな気分になることなく、読み終わった後にホッコリできる作品なので、自粛疲れを癒す意味で読んでみるのも良いかもしれないですね。