音楽を聴く(購入する)環境が、CDなどのメディアからダウンロードやストリーミング配信に移行し、CDが売れないって言われてる現状の中で、僕がCDを買い続ける理由のひとつに……
波形編集をしたいから、というのがあるんです。
波形編集なんて分かりにくい言い方をしちゃいましたけど、要は、音楽を聴く時に、音量にバラつきが無いように調整するってことです。
皆さんは経験無いですか?
通勤の満員電車の中で、好きなアーティストのCDをiPhoneに入れてシャッフルして聴いてたら、突然、ボリュームの大きい曲が再生されて、驚いた拍子に「ヴォフォッ!」ってキャラメルマキアートを吹き出してしまい、前に立ってたイケメン・サラリーマンの白いシャツを汚してしまった。
……それが、あたしと彼の運命の出会いです。
そして、今日、あたしたち、結婚します。
なんて……
※電車内での飲食は他の乗客の迷惑になるのでおやめください。
そんな妄想を膨らませながら、シャコシャコと歯を磨いていたら「ヴォフォッ!」って噎せてハミガキコを吐き出しそうになった、そんな経験はありませんか?
いいえ、僕は無いです。
だって、マイカー通勤だから電車に乗らないし、そもそも僕の住んでる田舎街では満員電車って都市伝説のひとつなので。
だったら書くなよっ!
ってツッコミは法律により禁止されているかもしれないのでご注意ください。ごめんなさいウソです。
問題は、デスメタルなのです。
昨年の夏にアーチ・エネミーを聴いたことが切っ掛けで始まった、僕のデスメタルの旅なのです。
昨年の下半期に、カンニバル・コープスのCDを大人買い(中古)して、デスメタルのカッコ良さを知った僕は、調子こいて今度はクリプトプシーのCDを買ったのです。もちろん中古です。
クリプトプシーです。
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カナダ出身のテクニカル・デスメタル・バンドです。
デスメタルを聴かない僕でさえ名前を知ってたくらい有名なバンドです。変態的な演奏をするバンドだって聞いてました。
デスメタルを聴いてみようと思った時に、このバンドを購入しなかったのは、とにかくメンバーチェンジが激しいバンドだから。
現在、デビュー当時のオリジナル・メンバーで残っているのはドラマーだけじゃなかったですか?※このドラマーがスゴイって有名です。
デスメタルなんていう、ズンドコドコドコドコとお腹に響いてくるサウンドを鳴らす音楽って、今でこそ重低音サウンド全開なんだけど、20年前はどうだったのさ?
もちろん、発売された当時は「チョー過激っ!」って思っただろうけど20年後に聴いてみたら「……あれ?」みたいな。
古い音と、新しい音で、音質や音量に極端な差が出る音楽の代表じゃないですか?
こういう音楽を、iPodタッチに入れて聴くとですね、当然、再生時の音量に極端な差が出ちゃうのです。
それこそ、キャラメルマキアートを吹き出して運命の彼と出会うかもしれないくらい音量に差が出ちゃいます。
さて、今回のブログの内容をサンシャイン池崎さん風に言うと
空前絶後の
超絶マニアック趣味話
音楽を愛し、
音楽に愛された男
抱腹絶倒地獄絵図
天上天下唯我独尊
音楽のグラディエーター
そう、我こそは……
……長くなるので以下略……
そういう内容が続きますので……、ご興味のある方だけお付合いください。興味ないけど付き合っちゃるって方もお願いします。
やりましたよ
波形編集
まあ、僕の場合、デスメタルだから殺ったやったのではなく、昔からやってる、かなり変質的マニアックな趣味です。
ただ、今回は流石に苦戦しています。
……ええと、最初に言っておきますね。
僕は波形編集とかミキシングとかの専門知識はこれっぽっちも無いし、理屈も理論もまったく分かっていません。
使ってるソフトも無料ソフトだし、まったくの素人です。
空前絶後の自己満足な趣味の遊びです。
それでも、10年近く変質てマニアックな趣味として楽しんでいるので、音量の差を聴けば、どれくらい数値を変えれば均等な音量になるか分かるようになりました。慣れみたいなものです。
ちょっとだけ話を盛ってます。
でも、デスメタルに関しては……
今まで聴いていないジャンルってこともあるけど、音の厚みの差で聴こえ方が変わるので、なかなか納得できる音量の平均値が見つからないんです。
そしてもうひとつ、最大の問題が……音割れです。
ボーカルが突然叫ぶし、ドラムとベースとギターがズンズンと低音響かせるし、かと思うとイキナリ、ギュイーンって鳴らし出すし……。何を基準に音を合わせるか?
2000年代の音楽は「のり弁」って言われます。
2000年代のCDはとにかく音量が大きいのです。
音圧至上主義って言われてるヤツです。当然、古いCDを再発売する際にも、リマスターして大きな音にするって商法が流行ました。
2009年にビートルズのリマスターCDが発売されるまで、音圧至上主義の「のり弁」時代が続きました。
リマスターして音量を大きくすると迫力のある音になる。
音質より音量を優先したマスタリングです。
それを「のり弁」って呼びました。
※当然、マスタリングはプロの技術者がやっているので、そんなことはないと思うのだけど、そういうふうに言われてたってお話です。都市伝説のような話だと思って下さい。
どういうことかと言うと
波形が、「のり弁当」の海苔のように真っ黒になっちゃってるからなんです。実はこれ、あまりよくないのです。
本来の波形は、こんな感じになります。
本来は、こんな感じで音の大小の波が枠内に収まるのが普通なんだけど、「のり弁」のように最大音量が枠の外に出ちゃうと、音が潰れちゃうんですね。※専門知識ではないので、そういうニュアンスでとらえて下さいね。
そうすると、音量は大きくて迫力あるけど、実は、音が潰れてて綺麗な音にはなってない。音が団子になってて聴きにくい。
2009年に発売されたビートルズのリマスター盤は、音量がピークを超えないようにリマスターされた結果、CDの音量は大きくなりませんでした。※という話を読みました。
さすがジョージ・マーティン巨匠です!
音圧至上主義なんて完全無視。
波形が全て枠の中に納まってるから、大音量で再生しても潰れた音にならず、高音質のまま聴くことができるんです。
なんてこったっ!
CDの音量が大きければ良い音になるわけじゃないのかっ!
2009年を境に、音圧至上主義が見直されるようになり音量の大きすぎるCDが減ってきたのです。
ええと、何が言いたいかと言うとですね、波形編集する際は、できるだけピークレベルを超えないようにしなといけないってことです。
僕が使ってる無料ソフトだと、一定のピークレベルを超えると音割れしちゃいます。そりゃあ、プロが使ってる高性能なモノじゃないからね。
デスメタルのような、ドコドコズンズンヴォエーってサウンドは、ちょっと音量を上げただけで音が割れちゃいます。
元々の音量がピークレベルを超えてるものは、音量を大きくすること自体がタブーって思ってます。
ところがです。
90年代初期のCDなんかは音量が小さいのです。
適正音量※僕個人の適正の半分くらいの音量です。
でもこれ、音が悪いわけじゃないんですよ。波形がピークを超えてないので、大音量で聴いても音が潰れたりしません。
音が悪いわけじゃないけど、録音の技術や音作りに関しては差が出てます。
ドラムの音がスカスカしてたり、ギターの音が小さかったり。
それを、今の音と同じくらいの大きさ※耳で聴いた時に同じ大きさに聴こえるにしようと思うと、波形が枠を飛び出しちゃうんだね。
波形編集で面白い(難しい)のは、同レベルの波形(数値)にしても、耳で聴いた時に同じ大きさには聴こえないってことなんだよ。よく、ノーマライズって言葉を聴くけど、あれも数値的にピークの音の大きさを揃えてるだけなので、耳で聴くと音量が揃ってないんだね。
iTunesのサウンドチェック(均一化)が、高音をカットして音量を揃えるのは、高音が響くと大きな音に聴こえるからなんだね。
当然、iTunesのサウンドチェックなんて音質が落ちる機能は、僕は使いたくありませんが……。
実際に、何をやってるのか?
変質て…マニアックな遊びです。
先ず、CDをiTunesを使ってWAV形式で取り込み、1曲ずつ無料ソフトのサウンドエンジンで開いて波形(のり弁かどうか)と平均音量を調べていきます。たしか、サウンドエンジンはWAVしか編集できなかったと思います。
ここで、音割れしない基準の音量(アルバム)を決めます。
基準にするアルバム内の最も平均音量が大きい曲が基準です。
この時、注意してるのは、必ず、モニターヘッドホンで実際の音の大きさも確認するってことだね。
平均音量の数値が大きいから「大きな音」、じゃないことが多いんです。例えば、クリプトプシーのように転調が多く静と動が入り混じるような曲は、平均音量は小さくなったりするんだね。
そして、取り込んだWAVデータのバックアップです。
サウンドエンジンで編集する時は、元のデータを直接編集しちゃうので、失敗した時のために必ずバックアップを取ります。
っていうか、1回で調整できたことなんてほとんどないもの。
バックアップさえ取っておけば、「うわあ失敗しちゃった」ってなっても、すぐに元の状態に戻せるから安心。
最初に基準の音量に決めたアルバムに合わせて、各アルバムの音量を調整していきます。最初はザックリ、何となく、多分こんくらいって感じ。大雑把に。
フランクザッパ大雑把〜、なななな〜ってフレーズが頭な中で聴こえてきても無視してください。
音量をイジる時は、アルバム単位で変更してます。アルバム内の最も音量の大きな曲を、基準にしたアルバムに合わせていきます。例えば「2dbマイナス」するなら、アルバム内の曲は全部「2dbマイナス」します。
調整が終わったら、早速、iTunesで試し聴きね。
試し聴きして「あれ?まだバラツキがあるぞ」って思ったら、バックアップからデータを上書きして、もう一度、調整します。
うわあ、面倒くさいことしてんな……
って思ったかもしれないけど、僕もそう思うね。
でも……、趣味だから。
プラモデル作るのに時間をかけるのも
小説を読むのに時間をかけるのも
映画を観るのに時間をかけるのも
インスタ映えするスウィーツ店を探して、食べるより写真を撮るのに時間をかけるのも
まあ、同じって思ってるよ。
iTunesで聴いて、「音量が揃ったなって」って思ったら、今度はiPodタッチに曲を入れて聴いてみます。
意外とですね、iTunesで聴いた時とiPodタッチで聴いた時とじゃ音量に差が出てることが多いんだよ。
不思議なんだけどね、iTunesで音量が揃っても、iPodタッチだとバラツキがあったりね。
そしたら、もう一回、元データ上書きして音量調整。
そいでもって、iPodタッチで試し聴き。
※iTunesで聴こえる音量は信用できないのでスルーです。
iPodタッチで音量が揃ったら、僕の場合は、クルマのカーステレオで流して音量確認します。
これは、仕事に行く時なんかに聴きながら、音量の差が気になったら元データ上書きしてって感じ。
まあ、これに関しては、通勤時に聴いて楽しむのと最終の確認を同時にしてるって感じだけど。
お気に入りのアーティストは、何度も何度も聴いて調整を繰り返すし、そうでも無いアーティストの場合は、キャラメルマキアート吹き出さない程度に音量が揃ったらそれでいいやって。
これで、通勤中にイケメンサラリーマンとの運命の出会はなくなるけど、音量が大きくなったり小さくなったりしてイライラすることも無くなるね。
デスメタルに関しては、何度も何度も調整中。
これは、お気に入りっていうよりは、自分が想定してる範囲の調整が上手くいかないからなんだね。
iPodタッチで聴く分には、だいたい音量が揃ってるんだけど、カーステレオで聴くとバラツキがある……。
でも、そのバラツキを調整すると、今度はiPodタッチで聴いた時にバラツキが出る……。
こりゃあきっと、デスメタルの呪い……じゃなくってクルマの走行音で低音が聴き取りにくいせいだな。
とりあえず、これでいいかな?
って音量調整ができたらiTunesに入れたWAVデータをアップルロスレスに変換して、WAVデータを削除して終了ね。
空前絶後の面倒くささっ!
いえいえ、慣れてくると、10枚のアルバム調整するの2時間くらいで終わっちゃうんだね。
っていうか……マニアックな趣味ですから。