そもそも、デスメタルって何なのさ?
【注意】これは、メタルをよく知らないオジさんのひとり言なので、真正メタラーの皆さんは「ふふん」と鼻で笑いながら読んでくださいね。
夏だっ!
サマーだっ!
デスメタルだっ!
……ってコトで←何が???
デスメタルを聴き始めてマルっと6周年でこざいます。
今から6年前の2018年……夏の猛暑にヤラレて聴き始めた究極の極悪音楽デスメタルです。
▲写真はイメージでs……じゃなくって、広瀬すずデス。
聴き始めた当初は、曲の区別はおろか、バンドの区別さえつかず
「全部同じに聴こえてウケるwww」
なんて口走っていた僕が、今ではいっぱしの隠れデスメタラーを自称するまでに成長することができました。
※ちなみに「隠れデスメタラー」とは、周囲にデスメタル好きなことを隠した状態で、まるでジャズやアニソンでも聴くような涼しげな顔して爆音ヘッドホンで脳内ひとりフェスを開催しているデスメタラーを指しています。……もちろん嘘です。
デスメタルを聴き始めた当初、とある音楽ブログに、デスメタルというジャンルは普通の音楽とは違い、聴けば聴くほど更に過激で激しいサウンドを求めてしまうようになり、気が付くと泥沼にハマって抜け出せなくなる……なんてコトが書かれていました。
正にその通りっ!
2018年の夏、「一般人でもギリ聴ける」と言われるメロディック・デスメタルを聴いたことが切っ掛けで、その後、元祖デスメタルと言われるオールド・スクール・デスメタルを聴き、ブルータルとかテクニカルとか過激さが増したジャンルに手を染めてしまい……
そして、2024年の夏、
僕の脳内では……
テクニカル・デスメタル祭りが開催中っ!
って言うか、
そもそも、テクニカル・デスメタル(テクデス)って何なのさ?
実はコレ、僕の中でもイマイチ整理がついていません。
例えば、オールド・スクール・デスメタルと呼ばれるジャンルは、デスメタルの元となった「スラッシュ・メタル」をより速くより過激により複雑に進化させた音楽です。
↑スラッシュメタルのこーゆーサウンドを……
↓こんな感じにしたのがデスメタルです。
スラッシュとデスメタルの違いは、デスメタルは、ドラムの演奏がブラスト・ビートと呼ばれる高速連打に進化したこと、そして、楽器のチューニングがより低音になったこと、そして最大の特徴である歌メロを廃止して限界低音を絞り出す「デスボイス」と呼ばれる歌唱法を採用したことです。
普通に聴くと……
これって音楽なの?
と、首を傾げてしまうのですが……。
そもそもデスメタルが誕生した切っ掛けは、80年代に産業ロック化したへヴィメタルにウンザリした「ガチ勢のメタル・ヲタク」が、「解るヤツにだけ解ればいいっ!」ってコンセプトで、ただひたすら楽器演奏テクニックを磨き、高速・難解・複雑・重低音を攻めまくった新しいサウンドを創造したことだったそうです。
ヲタクによるヲタクのためのヲタクのへヴィメタル。
それがデスメタルです。
到底、一般人には理解できない音楽です。
……が、
90年代に入り、産業化したへヴィメタルが衰退していくとともに、地下音楽だったはずのデスメタルに注目が集まるようになってきます。
そして、徐々に、デスメタルが表舞台に登場し始めます。
いわゆる……
エヴァンゲリオン現象です。
それまでは、キモイヲタク文化だった「ロボット・アニメ」が一般人にも認知されるようになり、市民権を獲得し始める……みたいな?
で、難解なエヴァンゲリオンに影響を受けた若きクリエイターが、エヴァを超えるような「難解・複雑・マニアック」な作品を発表し、賛否両論を巻き起こす……みたいな?
それが、ブルータル・デスメタルやテクニカル・デスメタルと言われる「デスメタルを更に過激に進化させた」音楽なのです。
……ふぅ
やっと本題に辿り着きました。
先ずは……聴いてみて下さい。
これが、オールド・スクール・デスメタルです。
普段メタルを聴かない善良な市民の中には「何だコレ?」と眉をひそめる方もいるでしょうが……、デスメタル歴6年の隠れデスメタラーの僕には、歌メロもあるし歌詞も聴き取れるし、比較的分かりやすいデスメタルに聴こえます。
演奏も、ギリ・人間技の範疇に収まっています。
そんなデスメタルを「速く・過激に・複雑に」進化させたのが、ブルータル・デスメタルです。初期のデスメタルの進化版なので、ニュー・スクール・デスメタルなんて呼ばれるそうです。
オールド・スクールとの違いは、ドラムの連打が鳴りやまないことと、デスボイスが更に低音になりもはや人の声ではなくなっていることです。ドラムの連打は打ち込みでいいんじゃないかと思ってしまいます。
そして、デスメタルを「過激」な方面に進化させたブルータルとは別に、「速く・過激に・複雑に・難解に・テクニカルに」進化させたのが、テクニカル・デスメタルです。
ぱっと聴き、ブルータルと同じように聴こえますが※これが僕の中でイマイチ整理がつかない部分なのですがブルータル・デスメタルがまだ「楽曲」の範疇にあるのに対し、デスメタル・ファンにさえ「これは曲じゃなくテクニックを披露しているだけ」と言わしめるのがテクニカル・デスメタルです。
……もはやドラムは機械のような演奏です。
そして、今、
僕の脳内で鳴り響いているのが、
デスメタル・ファンにすら「もはや曲じゃない」と言われるテクニカル・デスメタル……なのです。
今現在も、脳内フェスが盛り上がっています。
と、言っても、残念ながら(?)デスメタル自体は既に全盛期を過ぎた音楽で、一部の愛好家のための音楽になっている気がします。CDは軒並み廃盤になっているし、数年前に発売された作品でさえ購入が困難な状態です……。
デスメタルを聴くためだけにサブスクを始めようかとさえ思ってしまう始末です。
最近、あるデスメタル好きブロガーの方が、「テクデスを追う(聴く)のをやめた」という内容の記事を書いてあるのを読みました。
テクデスって、速さとテクニックを追及する余り、どのバンドの楽曲も似たり寄ったりの「同じ演奏」「同じ展開」になってしまっていて、もはや違いが無いことに気が付いた……そうです。
確かに……
ネットで「テクデス オススメ」と検索して、出てきた動画を観ると、「デブ・長髪・汚おぢ」が頭を振り回しながら叫んでる動画ばかりが表示されて……
……え? そもそも、デスメタル自体が「デブ・長髪・汚おぢ」の音楽じゃないのか?
つまり?
「デスメタルって何なのさ?」の答えは「汚おぢ」ってコト?
……まあ、それは置いといて。
僕はこの6年、Youtubeで動画を観ては、気になったテクデス・バンドのCDを少しずつ買い集めているのですが、そこで気付いたコトがあります。※って言うか周知の事実なのですが。
先ず、テクデスに限らずデスメタル初心者は、ガチ勢のオススメする「先駆者的バンド」を盲信的に聴いてはいけない、というコトです。特に「初期の名盤」には手を出さないようにご注意下さい。
ハッキリ言って、90年代初めのデスメタルは「軽い・音悪・ダサい」の3拍子が揃っています。
それを「味」として聴けるようになるには、ある程度の慣れが必要になってきます。
例えば、テクデス・バンドの代表「クリプトプシー」も、初期の頃はこーゆーサウンドでした。
もちろん、デスメタル歴6年の今はこのサウンドを「カッコイイ」と感じるのですが、デスメタルを聴き始めた当初は「え? この程度?」って、そー思ったのを憶えています。
次に、「全て同じに聴こえる」と言われる※僕自身も言っていたテクデスも、人気と実力を兼ね備えたバンドには個性があり、バンド独自のカラーを持っているというコトです。
ってコトで。
キャリア6年の若造が分かったような顔して偉そうに語ってしまっていますが……
僕がお気に入りの脳内フェス・テクデス・バンドをご紹介です。
※と言ってもバンド自体はベテランが多いですが。
クリプトプシー
テクデス・バンドの代名詞のようなバンドです。ドラムスの演奏はもはや人間技じゃありません。これほどドラムを連打をしつつ機械的になることなく多彩な技を繰り出すテクニックは、まさに「神」ですね。
唯一の難点は、初期の頃はアルバム毎にドラムス以外のメンバーが引っ切り無しに入れ替わっていたことです……。
ナイル
今年、2024年8月に新作発売が予定されているベテラン・バンドです。バンド名から分かるように、エジプト音楽にインスピレーションを受けたテクデス・サウンドを鳴らしています。
個人的には……エジプト的な雰囲気が仰々し過ぎる気がして、もう少しシンプルな勢いだけの曲でも良いのに……って思っちゃう時がありますね。
オリジン
ひたすら、機械的で正確なブラスト・ビートが鳴り響くバンドです。……が、それだけです。余りにも特徴が無さすぎるのが特徴ってくらい、同じような曲、同じようなビート、同じような咆哮が続きます。なんか、悪い冗談みたいなバンドですね。
ディキャピテイテッド
ポーランドの若き天才と言われたヴォッグとヴィテク兄弟を中心に結成されたテクデス・バンドで、結成当時、弟君は僅か12歳で神業のようなドラム演奏を披露していた神童……なのだけれど、ツアー中の交通事故で弟君は死去、ボーカルは再起不能という悲劇に見舞われたバンドです。その後、ギターの兄君が、メンバー総入れ替えでバンドを再起動し、現在に至る……。
アルバム毎に微妙に違うアプローチを見せるバンドだけど、最近はグルーブ・メタル寄りの音楽性になってます。
ただ、テクデス系の中では群を抜いてカッコイイですね。
アーチスパイアー
これぞテクデスッ!
って感じの「速・激・難・技」演奏をマシンガンのように繰り出すバンドですが、特筆すべきは、ラップのような早口デスボイス歌唱ですね。テクデスの唯一の弱点である※と個人的に思っていたのっぺりとしたガテラル・ボイス歌唱の常識を覆してくれたバンドです。演奏が速く歌も速い。唯一の難点は、とにかく過去作のCDが入手困難なことでしょうか……。
ブレイン・ドリル
演奏が速すぎて、もはや曲じゃない……とさえ言われる高速テクデス・バンドです。とにかくキレッキレの演奏と絶叫が気持ちいいバンドですね。ただ、アルバム3枚で解散……しかもラスト・アルバムは自主制作のCD-Rという形態で、CD入手は絶望的です。まあ、iTunesストアでは普通にDL販売されてますけど。
ってことで。
2024年の酷暑を前に、ひと足早い脳内デスメタル・フェスが絶賛開催中のぐれむりんでした。
興味のある方※がいるかどうかは不明ですがは、是非、サブスクで探して聴いてみて下さいね。
それにしても
デスメタルの世界は深いです……。
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