憧れの森のなか
歩いてるけど
目は閉じたまま
THEE30THです。
昨年、2025年から始まったミッシェル・ガン・エレファントのメジャーデビュー30周年記念企画。
<94k24bit,180g&4k>というテーマのもと、オリジナルマスターテープから新たにリマスタリングを施した96kHz/24bitでのハイレゾ配信、180g重量盤でのアナログ盤の再発売、MUSIC VIDEOの4K画質へのアップコンバートがおこなわれてきました。
そして2026年3月1日にリマスターCDボックスの登場です。
そんなリマスターCDボックスの発売を※勝手に記念して始めた、オリジナル・アルバム紹介の第4回目です。
▼第3回目はコチラ。
chicken zombies
1997年、3rdアルバム
僕が、リアル・タイムで初めて聴いたミッシェル・ガン・エレファントのアルバムです。
それだけに、かなり思い入れの深いアルバムで、僕にとってのミッシェル・ガン・エレファントのサウンドはコレ、って感じのアルバムだったりします。
収録曲:
ロシアン・ハスキー
ハイ! チャイナ!
マングース
ゲット・アップ・ルーシー
バードメン
ブギー
アイブ・ネバー・ビーン・ユー
COW 5
カルチャー
サニー・サイド・リバー
ブロンズ・マスター
ロマンチック
アイブ・ネバー・ビーン・ユー
アイブ・ネバー・ビーン・ユーは、(Jesus Time)と(King Time)のサブ・タイトルが付いた9秒と23秒のヴァージョン違い楽曲です。ゲット・アップ・ルーシーとカルチャーはアルバム・ヴァージョン、ロマンチックは(broiler dinner version)で収録されています。上記3曲のシングル・ヴァージョンは、今回のCDの特典的な編集版「RUMBLES」に全て収録されています。
僕の持っている旧盤CDは初回盤仕様で、裏面ジャケットの写真が黒色ですが、リマスター盤は通常と同じ紫色でした。自分の持っている黒写真ジャケが初回盤だと知ったのはインターネットが普及してウィキペディアが登場してからです。それまで、初回盤と通常盤があることすら知りませんでした。
相変わらずCDジャケは表も裏も横も曲名も全て英語表記なのに、歌詞カードの曲名はほぼカタカナ表記で、歌詞の中にもほぼ英語は登場しません。バードメンのサビと、ロシアン・ハスキーのOh yeah!、そしてマングースのDO DO DA DA~のくだりだけでしょうか……。
当時の僕は※自称かなりの洋楽カブレで、ご多分に漏れず「洋楽を聴いてるとさぁ、邦楽が子供だましの音楽に思えて聴く気になれないんだよね~」なんて事を平気で言ってのけるロック大好きなナイス・ガイでした……ホント、ゴメンなさい。
そんな僕が、再び邦楽を聴く切っ掛けになったバンドが、ミッシェル・ガン・エレファントです。
そして、30年経った今でも熱心に聴いている数少ないバンドのひとつが、このミッシェル・ガン・エレファントです。もちろんファンの妄言です。
さて、そんなミッシェル・ガン・エレファントの3rdアルバム「chicken zombies」は、何がそこまでカッコよかったのか?
先ず、なんと言っても、アベフトシさんの鳴らすカミソリのような切れ味のマシンガン・カッティングです。
度肝を抜かれました。
そして、和製カート・コバーンか? と思わせるくらいガナリ立てて歌うチバユウスケさんのボーカル。
最初に聴いたアルバムがこの「chicken zombies」だったせいか、後聴きで聴いた「clut grass stars」と「High Time」が大人しく聴こえた……というのは、ファンの妄言でしょうか?
多分、一般的にはこのアルバムまでが「前期」という括りになると思いますが※バンド名表示が英小文字、個人的には、このアルバムは「中期」の作品だと思っています。
個人的に……です。
前期
ワンダー・スタイル
カルト・グラス・スターズ
ハイ・タイム
中期
チキン・ゾンビーズ
ギヤ・ブルーズ
後期
カサノバ・スネイク
ロデオ・タンデム・ビート・スペクター
末期
サブリナ・ヘブン
サブリナ・ノー・ヘブン
……と、分かれています。
まあ、それは置いといて。
個人的・中期ミッシェル・ガン・エレファントの特徴は……
先ず、何と言っても、チバユウスケさんの声質の変化です。
それまでは比較的クリーンな歌唱(?)が多かったチバさんが、このアルバムを境にガナリ声歌唱が増え始めます。
シングルでは比較的クリーン歌唱だった「カルチャー」も、アルバム・ヴァージョンではガナリ歌唱多めへと変化しています。
そして、歌詞の変化。
これに関しては、思い込みや妄言も含まれてしまいますが、それまでも意味不明な歌詞が多かったチバさんですが、このアルバムからは、もはや歌詞のテーマすら意味不明になってきます。
ブロンズ・マスターって……いったい何?
そして、メロディのシンプル化。
もちろんこれも、ファンの妄言です。このアルバムに思い入れが強い分、1stや2ndに比べて、よりシンプルで飾り気の無いロックへと変化したように思います。このアルバムを境に、サビでタイトルを連呼するだけの曲が増えていった気がしています。
そしてもうひとつ。
シングルのカップリング曲(アルバム未収録)のカッコよさ。
これは、後に「RUMBLE」として、1枚のコンピCDとして発売されます。今回のリマスターBOXにも新たに「RUMBLES」として2枚組になって収録されています。
ついでに言うと。
これは完全に僕の好みなのですが、このアルバム頃から、チバさんのラ行の巻き舌歌唱が増えてきた印象が強いです。
この、ラ行の巻き舌。僕は大好きだったりします。
僕はこのアルバムから※もちろん後付けですが、ミッシェル・ガン・エレファントのサウンドが、パブロックからガレージロックやグランジへと移行していったのだと思っています。
軽快でノリの良いパブロック(英国)から、重くシリアスなグランジ(米国)への変化です。このアルバムは、まさにその両方がいい具合に混ざり合った名盤だと思っています。
サウンド的には、よりロー・ファイで籠った音になった反面、ベースの音がブイブイ鳴っている印象が強いです。リマスター音質に関しては、これほど聴き込んでいるアルバムにも関わらず、いまいちその変化に気づき難い……。
今回のリマスター盤は、全体的に中・低音域の音に厚みが増した印象がありますが、「chicken zombies」に関しては、他の音域はそのままで中音域だけが持ち上がった印象が強いです。
元々がステレオ的な音の広がりの無いローファイ団子状サウンドで籠った印象の音質でしたが、リマスターでその音質がさらに強調された印象です。
ただ、今回のリマスターBOXの音質は、アルバム全体を丸っと同じレベルでリマスターしていると言うよりは、曲によってリマスターの効果が大きいものと小さいものがあるように感じます。楽曲毎に、かなり丁寧にリマスター処理をほどこしているのかも?
※これに関しては現在聴き込み中です。
例えば、「ロシアン・ハスキー」ではギターの高音が弱くなった印象ですが、「ゲット・アップ・ルーシー」はギターの音が大きくなった印象……みたいな?
なのに、全体を通して聴くとすごく聴きやすい。
それを踏まえて……。
アマゾンのレビューを見ると、今回のリマスターBOXはそれなりの高額商品のため、コレクター・アイテムであり音質もそこまで向上しているわけではなく、旧盤の音で充分……なんて意見がありますが、僕は断然このリマスターBOXをお勧めします。
実は先日、仕事が終わって部屋のベッドでボーっとしながら、このリマスター盤「chicken zombies」を聴いていました。
視聴環境としては、SONYウォークマンNW-A55にオーディオテクニカ・密閉型モニターヘッドホンATH-M50xBT2を直挿しし、しかも今回は純粋に※聴き比べなどではなくミッシェル・ガン・エレファントの作品を楽しむ目的で、ウォークマンに搭載されている各種音質向上機能「ハイレゾ音質再現」「アンプ音質再現」「レコード音質再現」※イコライザー系の機能は未使用を使って、個人的に耳が悪くならない程度の適度な音量で「ミッシェル・ガン・エレファントを聴いてみた」を楽しんでいたのです。
結果、個人的に旧盤とは違う新鮮なミッシェル視聴体験ができた気がしています。※念のためですが、この環境で旧盤は幾度となく聴いています。旧盤と何がどう違うのかを説明することはできないし、リマスター盤を聴いているという思い込みのプラシーボ効果もあると思います。
ただ、この時に聴いて感じたのは、リマスター盤はとにかくアベさんのギターとウエノさんのベースがやたらカッコよく聴こえるということでした。
特にロマンチックの3分過ぎから始まる、テンションぶち上りのセッション的演奏には久しぶりに痺れました……。
最近の音楽リスナーはギター・ソロは聴かない……なんて風潮があるようですが、このカッコよさを聴かないのはモッタイナイので、是非、聴いてほしいと思います。
旧盤CDを29年間聴いてきた往年のファンが、何も考えずにボーっとリマスター盤を聴いて、何が違うのかは分からないけど、聴き終わった時の印象が違っていた……ギターとベースがやたらカッコよく感じた、と思ったという事は、多分、リマスターで音の聴こえ方が変わっている……のだと信じたいところです。※25000円もする商品だし。
実際、今回のレビューを書くにあたり、旧盤CD※ガチの29年前のCDを改めてiTunesに取り込んだところ、リマスター盤はかなり音量が上がっていることに気が付きました。
音圧競争真っただ中の作品である「カサノバ・スネイク」ですら、今回のリマスター盤の方が音量が大きいくらいです。※マスタリングで音量(音圧)を上げすぎると音が潰れて奥行きが無くなる……という欠点が音圧競争時代のデメリットでした。
ここで個人的にポイントなのは、音量が大きくなっていることではなく、全11枚のアルバムの音量が同じレベルの音量に調整されているということです。※もちろん完全ではないですが……。
そもそも今回の「THEE30TH」企画は、ミッシェルの音を高音質で後世に残すのが目的なので、音圧が上がっていても、音圧競争時代のノッペリ・サウンドや、昨今のイヤホン視聴向け音空間無視マスタリングにはなっていないはずだし……。
ついでに言うと、新品で単品を全てそろえると今回のリマスターBOXと同等の値段になる上に、「RUMBLES Disc-2」は今のとここのリマスターBOXのみの特典CDなので、買うなら断然リマスターBOXになっちゃいます。※僕は熱心なファンのひとりでメーカーの回し者ではありません。
まあ、どちらにしても、作品自体が最高※ファンの妄言なので、ミッシェルを聴いたことが無い方には、是非、配信でもよいので最初に聴いていただきたいと思っている作品です。

























