ぐれむりんの気ままなブログ

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勝手気ままな★備忘録★レビュー

これは面白いっ!

ドラマを観て、原作漫画を読むのは久しぶりです。

 

西香はちさんの作品

波うららかに、めおと日和

を読んだのです。

 

 

今さらかよっ!

というツッコミはご容赦下さい……。

 

時は昭和11年

ある日、突然、父親に

「なつ美、嫁ぎ先が決まった。式は来週だ」と言われ、帝国海軍の中尉、江端瀧昌の元に嫁ぐこととなった関谷なつ美ちゃんの物語です。※当時は親が決めた縁談相手と結婚するのはごく当たり前だったようですね。

 

会った事もない、話した事もないお相手。

親が勝手に決めた縁談です。

交際ゼロ日婚どころではありません。

 

しかも、結婚式の当日、

新郎は「写真」でした……

帝国海軍の訓練に出発した旦那様は式の当日不在です。

初めて旦那様に会ったのは、結婚式の2週間後。

そんな、波乱の幕開けでスタートする新婚生活を描いたラブコメ漫画ですね。

 

ドラマは、2025年春に放送されていましたが、僕は録画していてリアルタイム視聴はしていません。

かなり高評価の作品だった……というのはネットで読んで知っていましたが、どうにもラブコメは苦手でして……。

 

実際に観てみると、

主演の芳根京子さんが可愛いのなんのっ!

初対面の旦那様を前に「どうしよう、男の人と何を話せばいいのかわからない……」と戸惑い、指が触れ合っただけでドギマギ。挙句には「初夜とは、いったい何をするものなのでしょうか?」と旦那様に質問する始末。

 

一方の旦那様(本田響矢さん)の瀧昌君は、無口で不愛想な日本男児で何を考えているのかサッパリ分からない……

と思いきや「いつも野郎とばかりいるから、どう接していいか分からない……」と思ってる純情好青年でした。

そんな二人が、しだいに距離を縮め、信頼し合い、愛を育んでいく。そんな新婚ラブコメです。

 

先にドラマを観ていたせいか、原作漫画の序盤は、圧倒的にドラマの方が面白いと感じ……読むのをやめようかな、なんて思ったりもしましたが、結局最後まで一気読みです。

と、言っても原作はまだ完結しておらず、既刊9巻で現在も連載中ですね。

 

原作序盤がドラマの方が面白いと感じたのは、何と言っても、主演の芳根京子さんの初心な演技の可愛らしさです。

 

未婚の男女が二人だけで一緒に街を歩くことさえ憚られた時代。

手が触れるだけでドギマギ、見られるだけでドギマギ、近くにいるだけでドギマギ……そんな初心で純真な乙女心を可愛らしく表現する芳根さんの演技はもう、きっと世の中の男性諸君の心を鷲掴みにしたのではないでしょうか。

 

ラブコメが苦手な僕が楽しんでドラマを観れたのも、昭和11年という、現代とは違う男女の恋愛模様を描いた、ある種のファンタジー作品だったからだと思います。

 

現代劇だとどうしても、美男美女がドラマのような運命の出会いをして、ドラマのような爽やか胸キュン恋愛をして、予定調和のトラブルに巻き込まれ、最終的にはやっぱり美男美女がくっついて終わり……そんなドラマのような物語をドラマの中で観せられてウンザリしてしまうから……でしょうか。

 

その点、めおと日和のなつ美ちゃんは、顔も知らない男性に嫁ぎ、一途に愛を育んでいく、ただそれだけ。

ただただ観ていて癒される。ただただ応援したくなる。そんな真っ直ぐなストーリーだったから面白いのだと思います。

 

原作者の西香さんはドラマ化に際し、「好きなように原作改変してください」と言ったとか。

それが功を奏したのでしょうか?

まさに原作リスペクトドラマの見本だったと思います。

基本的には1~9巻までの基本ストーリーを軸に、原作の良さを損なうことなく見事にドラマ化されていました。

 

と、言っても、僕の場合はドラマを観て原作を読んだので、ドラマと同じストーリーを漫画で追体験って感じでした。

 

唯一、ドラマと原作で異なっていたのは……

夫婦の夜の営み……くらいでしょうか?

 

ドラマでは、最初から最後まで初心で乙女ななつ美ちゃんでしたが※営みも1度そーゆー雰囲気が描かれた程度でした、原作ではさすがにそんな設定じゃなかったですね。

 

ドラマでは(結婚半年後に)関谷家に挨拶に来た瀧昌君に対し、実は未だに二人に夜の営みが無いことを知って憐れむお姉さんたちの様子が描かれていましたが、漫画ではキッチリと営んでいます。もちろん、そーゆー直接的なシーンは描かれていませんけど。前後の流れでそうなっています。

 

翌日、買い物の約束をしていた二人が、夜の営みを頑張りすぎて、なつ美ちゃんが歩けなくなってお出かけできなかったり。

※海軍さんは体力お化けだから大変って言われてたし……。

久しぶりに帰ってきた瀧昌君が「今夜は手加減できそうにありませんっ!」と言ってなつ美ちゃんを赤面させたり……。

 

そもそも、なつ美ちゃんが妊娠した……と勘違いするエピソードもあるくらいだもの。

 

そんな、ほのぼのとした新婚さんの姿が描かれるラブコメですが、(特にドラマ版は)その裏に昭和11年という太平洋戦争直前の不穏な社会情勢の暗い影がつきまとう……ゆえに、平穏な日常が尊く感じる、そんな描かれ方がされています。

 

ほんと、ドラマも漫画も、なつ美&瀧昌のほのぼのラブコメが微笑ましく、さらには他の登場人物の恋愛模様も気になる作品でした。原作では【ネタばれになりますが】深見君と芙美子さんは結婚して、なつ美&瀧昌カップルに負けず劣らずの、別の意味でのラブコメ生活が描かれています。

 

興味のある方は、是非、(ドラマ版も合わせ)読んでみて下さいね。

 

 

 

 

 

イギリスのグラム・ロック・バンド

T.REX

オリジナル・アルバムBOXセット

THE STUDIO ALBUMS

を聴いたのでレビューしようと思います。

 

 

先ず、率直な感想から言わせてもらうと。

現在のT.REX作品の中では、

最高のBOXセットです。

何と言っても音が良いっ!

そしてそれ以上に、オリジナル全8作品の音量が(ほぼ)均一に揃えられているBOXセットはこれが初めてではないでしょうか?

 

収録作品はオリジナル・アルバム8枚。

 

1.T.REX

2.ELECTRIC WARRIORS

3.THE SLIDER

4.TANX

5.ZINC ALLOY

6.BOLAN'S ZIP GUN

7.FUTURISTIC DRAGON

8.DANDY IN THE UNDERWORLD

 

1970年~1977年までに発売されたスタジオ・アルバム全8枚に、当時のアルバム未収録の人気曲10曲が、関連の近い作品にボーナス・トラックとして追加収録されています。

 

オリジナル至上主義の方からは、その10曲を別のCD1枚にまとめろよ……なんて意見が出そうですが、こればっかりは、販売コストやレーベルの所有しているマスターの問題などもあるのでしょう。個人的には、どんな形であれ、こうやってリマスター音質で聴けるのは嬉しい限りです。

 

ここに、ティラノザウルス・レックス時代の4枚が入っていれば完璧だったのですが……多分、版権などの問題で不可能だったのでしょうね。

 

さて、本題です。

今回のBOXセットのリマスター音質について、です。

聴き比べに使用したのは、

2014年発売の「THE ALUBUMS COLLECTION」の音質です。

 

最初の2枚、

1.T.REX

2.ELECTRIC WARRIORS

これは、2000~14年頃に発売された30周年記念盤やデラックス・エディションとほぼ同じ音質です。2014年BOXにもこの音質のリマスターが収録されています。

今回、簡易的にですが、聴き比べをしてみましたが、僕の試聴環境ではまるで同じ音に聴こえます。

ただ、冒頭や曲終の無音部分がカットされていたり、曲間の区切りが微妙に変わっていたりと、細かな調整が入っているので、もしかすると今回のBOXセット用に新たなリマスターが施されているのでは……と、ちょっと期待したりしています。

 

これに関しては、使用マスターが公開されていないので何とも言えません……。

 

ただ、この2作に関しては、個人的にはこれ以上音質を変える必要が無いと思うくらい、30周年記念盤の音がある意味での完成形ではないのかと思います。

 

これ以上のリマスターになると、ハイレゾだったり新技術のリマスターが必要になりそう……。

でも、そこまで追求しだすと、もはや「音楽作品を聴く」という純粋な行為を逸脱して「音を分析する」というワケノワカラナイ領域に踏み込んでしまいそうなので、これ以上の音質改善は、どうでもいいかな……って思います。

 

音質が劇的に変化していたのは

3.THE SLIDER

4.TANX

です。これはもう、聴き比べるまでもなく、聴いた瞬間に「うわぁ、マジかっ!」って驚くべきレベルの変化でした。

「THE ALUBUMS COLLECTION」収録の「THE SLIDER」は2012年リマスター、「TANX」は2014年リマスターですが、この時点でかなり音質は良かった気がしていました。

まさか、この音質の上を行くリマスターが聴けるとは……。

 

具体的には、「THE SLIDER」は旧盤CD※便宜上これをオリジナル盤とさせて頂きますの時から気になっていた、モッサリ籠った音質が解消されています。各楽器の音にメリハリがあり、音がタイトになった印象です。

これは、2012年盤と聴き比べするまでもなく、オープニング曲の「METAL GURU」の最初の1音目を聴いた瞬間に分かりました。

使用マスターは未公開ですが、50周年盤の音なのかも?

僕は50周年盤は全て未試聴なので分かりません。

 

ただ、50周年盤の発売は2022年だった気がするのですが……、2024年に発売された最新ベスト盤に収録された「METAL GURU」はモッサリ籠った音質のままなので、やはりBOX用に新リマスターが施されたのでしょうか?

 

「TANX」に関しては、これは更に驚きだったのですが。

2014年リマスターは、オープニングの「TENEMENT LADY」のベース音が分厚く、他の楽曲よりも音量が大きく聴こえる……なんて状態だったのが、今回のBOXセットでは解消されています。

これも聴いた瞬間に分かる劇的な変化でした。

 

そして、曲によっては2014年盤と差がないものがあったり、明らかに音量やアタック感が変化しているものがあったり……などなど。楽曲ごとに細かな調整がかけられていて、まさに愛のあるリマスターの見本のような仕上がりになっていました。

 

代表曲「BORN TO BOOGIE」は、最新ベスト盤ではスッキリとタイトな音質だったのに対し、このBOXセットの音は厚みのある、言い方は悪いですがモッサリ音質になっています。

思わず、ベスト盤は「シングル・ヴァージョンの音なのかな?」なんて思いましたが、よくよく考えると、2025年発売のBサイド集に「BORN TO BOOGIE」のシングル・ヴァージョンが収録されているので……やはり、今回のBOXセット用にリマスターされた音、なのでしょうか?

 

そして、これは続く、

5.ZINC ALLOY

でも同様でした。

2014年リマスターと聴き比べて、差がないものや、明らかに変化しているものがあり、全体的にブラッシュ・アップされて音質が向上した印象を受けました。

 

6.BOLAN'S ZIP GUN

7.FUTURISTIC DRAGON

8.DANDY IN THE UNDERWORLD

に関しては、2014年の時点での最新リマスターが2000年代初めのものしかなく、音量が小さく音がドンシャリな状態でした。

 

確か、2015年以降に上記3枚はリマスター盤が発売されていたと思います。残念ながら、僕は未試聴です……。

そういうこともあり、この3枚は正直、音質が向上しているのか判断に迷うところです。ただ、音量が上がっているので何らかの手は加えられていると思いたいところです。

ただ、唯一

6.BOLAN'S ZIP GUN

のみ、今回のBOXセットもシャリ感が強い傾向に感じました。2000年代初めのリマスター盤と聴き比べても違いが無いようにも感じます。

データベース・サイト「Discogs」で調べてみたところ、2002年と2015年にリマスター盤が再発されているので、多分、2015年リマスターが採用されているとは思うのですが。

【追記】

ちょっと気になって、「BOLAN'S ZIP GUN」を無料の波形編集ソフトで調べてみたところ、2014年BOXと最新BOXセットのマスターは別物のようです。

最新BOXセットの音は2014年BOXに比べて高音部分が抑えられた上で音量がアップした波形になっていました。あくまで、素人が調べた結果なので、それでどれくらい音質が変わるのかは分かりません。実際に聴くと同じに聴こえるので。

 

残念ながら、3~5までのアルバムの音質向上が凄すぎて、この3枚に関してはちょっと遅れをとっている印象を感じました。

 

もしかすると、1~2は2000年頃、3~5は50周年記念盤で、6~8は2015年あたりのリマスター音源かもしれません。

2017年に日本独自で新技術※ハイレゾ音質をCDで再現するを採用したリマスター盤が発売されてますが、まさか、輸入盤には採用されないだろうから……。

 

ただ、

8.DANDY IN THE UNDERWORLD

は、明らかに音量がアップしているので、全作このBOXセット用に音量は調整しているのかも?

※音質を変えずに音量を上げるのもリマスターに含まれる、なんて解説を読んだことがあります。

 

とまあ、リマスターの音質については色々と思うところもあったりしますが、何と言っても今回のBOXセットは、8作品の音量がほぼ均一に揃っていて、全曲シャッフルで聴いてもまるで違和感なく気持ちよく聴けるのが最大のポイントです。

 

このBOXセットの音質・統一された音量なら、純粋に「T.REXのアルバムを聴く」という音楽鑑賞欲求は充分に満たされると個人的には思っています。

 

 

そしてここからは、僕のCDコレクターとしての「収集癖」がもたらす悪い部分です……。

 

実は、T.REXはアルバム未収録の楽曲が多く、2014年発売の「THE ALBUM COLLECTION」では27曲が収録された2枚組のボーナス・ディスクがついていたのですが……。※個人的にはそれ目的で買った部分があります。それでも完全コンプリートとはいかないのがコレクターにはモドカシイところだったりします。

 

でもまあ、これについては、ベスト盤およびBサイド集に全て収録されているので、コチラを買って下さいってことなのかな?

 

 

ただ、実は……

これでもT.REXの公式楽曲はコンプリートとはなりません。

 

旧盤では、結成25周年記念と銘打ってティラノザウルス・レックス時代からT.REX時代のアルバム、ベスト盤、死後に発売されたアウトテイクなど、ほとんど全ての音源がシリーズ的に一気に発売されましたが、今は……版権が分かれているのでしょうか?

※僕が今でも30年前に買った旧盤を大切に保管しているのは、音質・音量が統一されたT.REX(ティラノザウルス時代を含む)全アルバムをこれ以外に知らないからです。

 

例えば、リマスター盤では、

T.REX改名後の1stシングル「RIDE A WHITE SWAN」のカップリング曲「Summertime Blues」は「T.REX(デラックス・エディション)」にしか収録されていないし、「ELECTORIC WARRIOR」期のシングル・カップリング曲「King Of The Mountain Cometh」は「ELECTORIC WARRIOR(30周年記念エディション)」にしか収録されていません。

僕が知っている限りでは……です。

旧盤では、普通にシングル・コレクションに収録されていたと思うのですが……今は大人の事情でもあるのでしょうね?

 

それでも、2025年12月時点で、この「THE STUDIO ALBUMS」を超えるT.REXの全作BOXセットは存在しないのは確かです。

価格的にも1枚当たり2000円以下とお買い得だし。

 

注意点としては……

タワレコ、アマゾン、ディスクユニオン、他サイトと、販売価格が違っていることです。

個人的にはタワレコの14090円が定価だと思っています。

ただし、タワレコは「お取り寄せ商品」となっているので、注文して2週間以上は待たされることになるとは思いますが……。

 

そして……T.REXは、日本では人気のバンドですが、なぜかiTunesのダウンロード販売には最新リマスターがありません。

サブスクはとっくに解禁されていると思うのですが……。

なぜなのか?

 

そういう意味では、

T.REXファンには嬉しいBOXセットなのかもしれませんね。

 

興味のある方は、是非、聴いてみて下さいね。

 

 

 

 

 

 

イギリスのグラム・ロック・バンド

T.REX

オリジナル・アルバムBOXセット

THE STUDIO ALBUMS

が届いたのでレビューしようと思います。

 

 

ついに……と言うか?

やっと……と言うか?

 

リマスター盤乱発バンドの代表とも言うべきT.REXの(たぶん)最新リマスター音質によるオリジナル・アルバムBOXの登場です。※今回のBOX用リマスターではないと思いますが。

 

2014年に発売された「THE ALBUMS COLLECTION」に心底ガッカリさせられてから約10年……。

ちなみにこの「THE ALBUMS COLLECTION」は、発売当時の価格が5000円ちょっとだったので、ダメもとで買ったら本当にダメだった※個人の意見です典型のようなBOXセットでした。

 

ダメだった理由は、単に、リマスター年代に差があり、アルバムごとに音質や音量がバラバラだったこと、それに尽きます。

※2014年時点では、T.REX後期の作品は過去の旧リマスター盤しか存在していませんでした。

ただしこのBOXセットには、2枚組のアルバム未収録楽曲集も入っていて、T.REXの公式楽曲の95%以上※個人の意見が一気に揃うという点では素晴らしいBOXセットでした。

 

そして、今回発売された「THE STUDIO ALBUMS」は……実はまだキチンと聴いていないのですが、2014年BOXでは旧リマスター盤で音量の低かった「地下世界のダンディ」もシッカリ音量がアップしていました。心なしか、ベース音も厚みが増しているように感じました。※音質のレビューは「その2」以降で書かせて頂こうと思います。←2がある前提かよっ!というツッコミはご遠慮ください……。

 

まだキチンと聴いていない理由は、このブログを書いている前日に商品が届いたことと、試し聴きしようと思ってiTunesにCDを入れた「地下世界のダンディ」の楽曲名がiTunesで表示されなかったことです。商品が新しすぎて、データベースへの登録がされていない、かなりレアな商品だってことですね。

 

ってことで。

先ずはパッケージからレビューです。

今回のBOXセット、個人的には、かなり高品質なBOXセットという印象です。箱(写真の左上)も厚みのあるシッカリした作りだし安っぽい印象はまったくありません。ただし、中央の星は銀箔加工ではなく普通の印刷です。

輸入盤としては、かなり質の高い作りだと思います。

 

パッケージは「紙ジャケ」ですが、以前にレビューしたT.REXのベスト・アルバム同様のシングル・レコード・サイズの大型の紙ジャケットです。

 

発売前に読んだ※英語の商品紹介では、2つの紙ジャケに各4枚のCDが収納されている~となっていたので、輸入盤豪華パッケージ仕様にありがちな、やたらCDが取り出しにくい変則型の紙ジャケ※盤面に傷を付けづに取り出すのが至難の業かと心配していましたが、この商品に関してそんな心配は無用でした。

 

先ず、大判紙ジャケは、観音折り仕様です。

観音折りというのは……

こういう折り方をする印刷の加工技術です。

 

今回の紙ジャケは、上のような4面に4作品のアルバムジャケットが印刷されていて、それをパタパタと折りたたんでいくような感じの紙ジャケでした。

 

折りたたむと、厚みが約9mm~1cmくらいになる、まるで本の背表紙みたいな加工がされた紙ジャケです。

当然、背表紙には「T.REX THE STUDIO ALBUMS 1970-1977」と、しっかりタイトルが印字されています。

 

CDは各面の、横からではなく、上から収納する仕様です。

そのため、取り出しやすさにおいても、傷に関しても、まったく心配することなく取り扱うことができました。

実際、全てCDを取り出しましたが、盤面には薄傷1本入ることなく取り出すことができました。※若干、取り出す際にヒヤヒヤする場面がありましたが、無事に全て取り出せました。

ただし、やはり海外仕様の紙ジャケで、保護シートの類は入っていないので、取り出したCDは全て別途購入のプラケースに入れなおしました。これで今後も傷を気にすることなくCDを聴くことができます。

 

以前に購入したベスト盤大判紙ジャケでも思いましたが、T.REXの商品を扱う「Demon/EDSL」というレーベルは、CDを扱うユーザー目線に立ったパッケージデザインが秀逸です。

 

そもそも、紙ジャケ※レコードのジャケットの復刻をCD盤サイズで再現するレーベルが多い中、シングル・レコード盤のような大判サイズで再現している時点で、音楽好きユーザーの心を掴んでいる気がします。まさに、部屋に飾りたくなる紙ジャケです。

ただし……サイズが大きいので収納には苦労します。

 

今回の紙ジャケの唯一の欠点は、本の背表紙のような仕様になっているせいで、紙ジャケを開いたり折りたたんだりすると、背表紙の折り目の角部分の印刷が剥がれてしまうことです。

実際、僕は一度CDを取り出しただけで、折り目の部分の印刷がヒビ割れたようになり、白い紙地が見えるようになってしまいました。まあ、これは……過去にデザイン系の仕事に従事していた人間からすると、仕様だからしかたないと諦めるしかない印刷技術※コスト面も含めての限界だと思います。

高級な紙と高価なインクと高性能の印刷機を使えば防げるでしょうが、さすがに、これには限界があります……。

 

付属の歌詞カードは、24ページの中綴じ仕様です。

T.REXは、旧盤では歌詞が「聴き取り掲載」だったりして、公式の歌詞が無かったりしていた時代もあるので……、今回の全歌詞完全掲載というのは意外と目玉なのかもしれません。

 

ただ、赤地に黒文字で掲載されているため、オジサンは目がチカチカして読むのがツライ……。

こちらもまた、作りはシッカリしていて、定価15000円という価格に見合う冊子だと思います。今のところ、印刷の粗なども見当たらないので、検品もしっかり行っているように感じます。

 

まさに、定価15000円に見合った豪華CDボックスです。

 

まだ、CDを聴いていないにも関わらず、全てのCDが高音質になっているように錯覚してしまうくらい、気分アゲアゲ←死語?なBOXセットでした。

 

ってことで。

次回からは、各アルバムごとにアルバム・レビューを書かせて頂こうと思います。

 

興味のある方は、是非、手に取ってみて下さいね。

 

 

 

 

 

 

カナダのデスコア・バンド

Despised Iconの新作

Shadow Work

を購入したのです。

 

Despised Iconと書いてディスパイズド・アイコンと読みます。

約6年ぶりの新作ですね。

この手のヘヴィ・ロック系バンドは、とにかく新作発売までの期間が長いのがファン泣かせです……。

 

内容的には……

相変わらずのディスパイズド・アイコン……と言いたいところですが、個人的にはちょっとガッカリ感が強い結果に……。

 

前半の2曲は、スーサイド・サイレンスと共にデスコアの先駆者と呼ばれる老舗バンドだけあり、これぞ過激デスコア・サウンドというアグレッシブな楽曲が連続します。

……が、全体的にはシンフォニックな雰囲気漂う楽曲や、クリーン・ボーカル交えての予想外※多分クリーンVoは初?な楽曲などもあり、※決して嫌いな曲じゃないし充分にアグレッシブなのですがまるでよく似た別バンドの作品を聴いている印象でした。

 

と言っても、決して駄作だとか聴くに堪えないって感じではありません。十分カッコいいアルバムなのです。

 

ただ……

アルバム通して何度もリピート聴きしたいか……と聞かれると、「う~ん、どうだろう?」って感じ。特に、クリーン・ヴォーカルが導入された「IN MEMORIAM」はちょっと聴く気にはなれないかも?

さらに、シンフォニックやクラシカルな雰囲気が、今までのディスパイズド・アイコンのキレッキレな暴力性を低減させちゃってる気がします。

 

う~ん、新しいサウンドへの挑戦と言えばそうなのかもしれませんが、6年ぶりの新作がこれだと……ちょっと。

 

でも、まだアルバムをサラッと1回通して聴いただけだし、今までと同じキッレキレのディスパイズド・アイコン節を期待して聴いたので肩透かしを食らっただけなのかも?

 

きっともう何周か聴くと、耳に馴染んで聴こえ方が変わってくるのかな……なんて自分を騙しつつ、久しぶりの新作を楽しんでみようと思っています。

 

興味のある方は、是非、聴いてみて下さいね。

 

ちなみに、海外のメタル・レビュー・ブログでも、今回の新作の評価は3.0(普通)と、あまり高評価ではなかったのは余談です。

Despised Icon - Shadow Work Review | Angry Metal Guy

 

 

 

 

 

 

 

The Beatles

ANTHOLOGY COLLECTION

を購入したのでレビューしようと思います。

 

 

…と、言っても。

僕のような若輩ビートルズ・ファンが何を語っても、往年のファンのマニアック振りにはとうてい及ばないのはご了承下さい。

 

先ず、最初に言っておきたいのは、このコレクションは、

デモ音源集だということです。

ビートルズ・マニアには絶賛されるでしょうが、ビートルズをあまり知らない方々が手を出す商品ではありません。

ハッキリ言いますが、まともな音源は一切入っていません

 

レコーディング途中のアウトテイクだったり、当時のライブ音源だったり、インタビューだったり……音質もバラバラだしモノラルやステレオが混在してるし、途中で演奏が終わる曲もあるし、演奏や歌を間違ってたりするし、ボーカルが入っていないテイクもあるし……と、そんな音源がCD8枚に渡って収録されているのが、この「アンソロジー・コレクション」です。

 

つまり、このコレクションは……

ビートルズが大好きで、全アルバム・全楽曲を擦り切れるほど聴きまくっているような熱心なファンが、彼らの残したレコーディング途中の未完成音源を聴きながら、楽曲の制作から完成に至るまでの過程を楽しむ……。音源資料の寄せ集めってことです。

 

それを踏まえて。

買って後悔無しっ!の安定のビートルズ作品でした。

 

先ず、アートワーク(パッケージ)についてです。

製品は紙ジャケタイプ。ゲートフォールド・デジスリーブと呼ぶそうですが、2023年に発売された「赤盤」「青盤」と同じ光沢のあるラミネート的な加工(?)がされた高品質な3面折りの紙ジャケットです。

 

ただし、とにかくCDは取り出し難い……。

とくに各アルバムのDisc1はデジパックの真ん中に収納されており、輸入盤(CDが裸で収納)は傷を付けずに取り出すのが不可能なんじゃないって心配になるくらい取り出し難いと思います。

 

僕は日本盤のCD保護シートに入った仕様だったので強引に取り出すことができました。

当然ですが、全て別買いのプラケースに入れなおしています。

ホント、昨今の紙ジャケ(レコード盤の真似)至上主義みたいな風潮はやめてほしいと切に願っています。

CDは基本、プラケースに入れるのが正解のメディアだと個人的には思っていますので。95年盤はプラケースでした。

 

ただし、さすがはビートルズですね。

紙ジャケは不満ですが、外装の箱はしっかりした作りだし、帯もしっかりしています。

下の画像は、外装に帯を付けた状態のものです。実はこの帯は、帯じゃなくて、箱にスポッとはめるタイプの厚地の四角い外箱※説明が下手ですみません状態になっています。箱の外に四角い帯的な紙のケースが付いている感じです。

 

表面は上の画像のメンバー四人の写真、背面は全曲名が掲載されています。日本盤は同じデザインの日本語表記の帯※こちらはハードカバー本についているような帯状のペラな紙が巻かれてる状態です。なので、日本盤は……外装の外に四角い英語版のケースがついててその外にさらに日本語の帯がついてるって仕様です。

 

さらに、それらをビニール※こちらもしっかりした作りでパックする……みたいな。

ホント、お金かけてるなぁ~って豪華な作りでした。

まぁ、実際に定価2万2千円って高額商品です……。

 

音質に関しては、聴き比べはしていません。

95年盤のCDも所有していますが、iTunesには入れてません。

多分、今後も聴き比べはしないと思います。

 

いや……本当は気になって、iTunesストアにある1995年盤と2025年盤を聴き比べ試聴してみましたが、音質はかなり良くなっているように感じました。

 

特に、アンソロジー1に収録されているライブ音源はかなり聴きやすい音になったように思います。

 

それ以外は……何だかんだ言ってもデモ音源集なので、音が良くなっていようがなかろうが、どうでもいいかな……って。

ファンの風上にもおけないような考えで、申し訳ない気分です。

 

ちょっと気になったのは、新たに追加されたアンソロジー4の音質が1~3に比べて極端に良かったことかな。※もちろん1~3もかなり音は良いですが。これは「肯定的」な意見ではなく、どちらかと言うと「否定的」な意味での音が良すぎるって感想です。

 

未完成の音源を楽しむ「アンソロジー」が、完成音源より音が良くなってしまったら……本末転倒じゃないですか?

そう思っちゃうのは、僕だけでしょうか?

 

ただし、アンソロジー4の音源は1~3に比べて途中で演奏が中断する曲が多く、聴き難さが3割増しくらいになっている気がします。マニアの皆さんには受けが良いかもしれません。

 

ちなみに、2025Mixの「フリー・アズ・ア・バード」「リアル・ラブ」の2曲は、賛否あるようですが、予想以上にジョンの歌声が聴きやすくなっていて個人的には「賛」でした。

特に「リアル・ラブ」はまったくの別物になっています。

 

ジョンのソロ楽曲「グロウ・オールド・ウィズ・ミー」もこの音質でリミックスしてほしい……って、まだされてないですよね?

 

と、まあ。

色々と書いていますが、結局、ビートルズの作品は売れるのです。どんなに未完成の状態でも、ビートルズが演奏していれば世界中でバカ売れするのです。

 

正直、アンソロジーを出す前に、現行のオリジナル・アルバム・リミックス企画を進めてほしいところですね。

リボルバー以前の音源は録音技術が乏しい時代のものが多いため、世の中に送り出せる納得したリミックスができないのかもしれませんが、個人的には今の技術力で新しいモノラル・リミックスを作ってほしい気がします。

 

これは、2023年Mixの「赤盤」「青盤」を聴いて思った感想ですが、やはり、初期の作品はボーカルと楽器の分離はできても、コーラスワークの分離ができてなかったもの……。

 

現在の技術でも、モノラルにまとめられたコーラスを分離するのはホトンド不可能なのかもしれませんね。

 

だったらステレオにこだわらず、The Beatles 2026Mono Mixなんて感じでオリジナル楽曲をまとめてBOXにしちゃえば、世界中で売り切れ続出の大ヒットになると思うのに……。

 

でもまあ、結局は、ビートルズの新作が出れば、どんな仕上がりだろうとファンは喜んで買っちゃうんですけどね。

 

興味のある方は、是非、配信でもよいので聴いてみて下さいね。

 

 

 

 

 

新PCへのiTunesデータの移行で

久しぶりに聴き直したバンドシリーズ。

 

T.REXです。

もはや、説明する必要もないくらい日本では有名&人気の英国グラムロック・バンドですね。

浦沢直樹さんの漫画「20世紀少年」でも取り上げられた名曲

20th Century Boyです。

もはや、説明する必要もない……なんて言ってるわりに、なぜか日本語版ウィキペディアにはザックリとした紹介しか書いていないのが不思議……。しかもディスコグラフィで詳細が出てるのはアルバム3枚のみという少なさ。

 

人気があるバンドとは思えない情報量の少なさです。

 

ちなみに代表曲の「20th Century Boy」はオリジナル・アルバム未収録のシングル楽曲で、サビで連呼されているのは「20th Century Toy」という言葉だったりします。

20th Century Boyというフレーズは、サビ前にサラッと登場するだけで、注意して聴かないと、曲名が歌詞に登場しない曲……なんて感じに思われたりします。

 

そんなT.REXの2024年に発売された

2枚組の最新ベスト・アルバムが

BOLAN BOOGIE

THE BEST OF

T.REXです。

 

通常の1.5倍くらい大きい※シングル・レコード盤サイズ紙ジャケに入ったかなりインパクトのあるパッケージですが、CDを取り出す時に傷が入るのではとヒヤヒヤする仕様の特殊ジャケットです。幸い、傷は入らずに取り出せました。すぐに別買いしているプラ・ケースにCDを入れ替えたのは言うまでもありません。

 

姉妹盤として、Bサイド楽曲(死語)→今で言うカップリング曲を集めた2枚組レア曲ベストも2025年に発売されています。

 

T.REXの場合、Bサイド曲が代表曲だったりする事もあるのですが、上の各ベスト盤計4枚(53曲)で重複曲は4曲のみだと思います。うち1曲は代表曲のシングル・ミックス(レア・ヴァージョン)なので、実質の重複曲は「ベイビー・ストレンジ」「サンダーウィング」「ジルバの恋」の3曲だけだと思います。

 

音質については……

T.REXはリマスター盤乱発の代表バンドにような存在※個人的な意見なので、何とも言えませんが……僕が持っている最新リマスターBOX「THE ALBUMS COLLECTION」(2014年)と聴き比べる限り、一聴して音質が変わっている楽曲もあるので、多分、最新のリマスター※このアルバム用にリマスターされたかは不明音源が使用されているとは思います。

 

ただ、相変わらず後期の楽曲……特に「地下世界のダンディ」はドラムの音がチクチク耳に突き刺さる、って言うか、バチバチ・ノイズのように聴こえる耳障りな音質のままな気がします。

 

2025年12月に発売される最新のオリジナルアルバムBOXセットで改善されるのを期待したいところですが、発売元が同じ※所有しているマスターが同じなので望み薄な気がします。

【追記】

今回の最新ベストに収録された「地下世界のダンディ」はアルバム・ヴァージョンではなくシングル・ヴァージョンでした。

改めて「THE ALBUMS COLLECTION」の同曲と聴き比べたところ、あまりにも耳障りなノイズが多く失敗リマスターか? なんて思ったら、明らかにアルバム・ヴァージョンには無い音が入っていて……シングル・ヴァージョンを聴いてみたらそちらに同様の音が入っているのを確認しました。

 

そういう意味では、T.REXは数ある最新リマスター盤よりも、旧盤の音質がモヤモヤと籠った古い音が一番聴きやすいのかもしれません。実際、オリジナル・マスター至上主義の方も一定数いる通り、音量以外は、そこまで音が悪いとは感じないので。

 

ただしこれは、あくまで楽曲毎に聴いた場合の話で、アルバム単位で聴くと、やはり音は良くなっていると思います。

 

後期の作品が耳に刺さると感じるのも、実際はT.REX絶頂期のサウンドが音が籠ったような肉厚豪華サウンドだっただけで、それらと混ぜて聴いた時に音の差が顕著になるだけ……なのかも?

 

ちなみに今回のベスト盤、楽曲は年代順ではなくバラバラにシャッフルされた並びになっています。Bサイドは年代順に並んでいますね。

 

ついでに、Bサイドのディスク1の7曲目に「Born To Boogie」のシングル・ミックスが収録※表記上されているのですが、実は7曲目はシングル・ミックスのイントロ的に挿入されたクリスマス曲(12秒・ボーナストラック?)でした。イントロと楽曲が分離している状態です。

 

それ自体は※楽曲自体が独立しているので問題ないのですが、そのせいでiTunesのデータ・ベースは楽曲の表記がズレてしまっていて、8曲目に収録された「Born To Boogie(曲)」の曲名が誤って「Free Angel」と表記され、8曲目以降の曲名が全てズレてしまうという現象が発生しています。

表記上は12曲収録ですが、データ上は13曲収録となり、13曲目が「不明タイトル」となっています。

【追記】

7曲目に収録されている楽曲を調べてみたところ、2014年発売のBOXセットのボーナス・ディスクに「Xmas Riff」というタイトルで同様の12秒の楽曲がありました。

 

CD取り込み時にデータベースの修正※修正した情報の共有機能を送信しましたが、正しく訂正されているかは……不明です。

 

うん、それにしても。

やっぱりT.REXのベスト盤は名曲揃いですね。

 

例えば、ビートルズの場合、ベスト盤よりオリジナル至上主義のような風潮がありますが、T.REXの場合は※個人的な意見ですオリジナル・アルバムはマニアックで一般受けしなさそうに感じてしまいます。

 

まあ、それだけ代表曲の印象が強すぎるのでしょうが。

これは、例えばサザンミスチルのベスト盤を聴いた後にオリジナル・アルバムを聴くと「……あれ?」と感じる、あの感覚に似ている気がします。

代表曲のような楽曲ばかりを期待してたのに、実は意外と音楽性の幅が広くて戸惑う……みたいな。

 

まあ、ビートルズの場合は全曲代表曲みたいな圧力があるので、オリジナル至上主義が通用してるだけでしょうが。

 

ただ、T.REXはアルバム未収録の代表曲が多く、特に絶頂期の楽曲はオリジナル・アルバムではなく、公式発売の「グレイト・ヒッツ」というアルバムに収録されたため、12月に発売される「オリジナル・アルバムBOX」にも未収録の代表曲が意外と多かったりして。

 

最新のBOXセットは、ボーナス・トラックとして未収録の代表曲が追加収録されてはいますが※熱心なファンには不評、それでも代表曲の数曲が収録されない……という状態です。

これは、上記した「グレイト・ヒッツ」がオリジナル・アルバムに含まれていないからですね。

 

ところで、アルバム・タイトルにもなっている「BOOGIE」という音楽です。

ブギと呼ばれるリズム、と言うかグルーブ?

正直、いまだに僕には良くわからないリズムだったりします。

 

代表ミュージシャンとしては、

ジョン・リー・フッカーT.REXが挙げられてますが、うーん、実際T.REXのどこら辺がブギなのって聞かれても答えられないと思います。それくらい、今では当たり前のリズムになってるってことでしょうか?

 

何となく、ジョン・リー・フッカー(ブルース・ミュージシャン)の跳ねるような軽快なリズムをブギっていうんだろうな~なんて、思ってたりします。

ちなみにコチラは、Dr.Feelgoodによるジョン・リー・フッカーのカバーです。このDr.フィールグッドは、僕の敬愛するチバユウスケさんが率いた伝説のバンド、ミッシェル・ガン・エレファントに多大な影響を与えたバンドとして有名です。

アベフトシさんの高速カッティング・ギターはまさにDr.フィールグッドの影響って感じですね。実際にはアベさん加入前のシガケイイチさんが影響を受けてたのかな?

※ちなみに、Dr.Feelgoodの「Down By The Jetty」のステレオ盤は2006年発売のデラックス・エディションのボーナス・ディスクのみの収録だと思います。通常盤は全てモノラルのはずです。

 

BOOWYやサザンも「ブギウギ」って言葉の入った曲を演奏してたし。特にサザンはブギって曲が多いから。

そういう意味では、洋楽を聴きだす以前から、僕はなんちゃってブギをずっと聴いていたのかもしれません。

初めてT.REXを聴いた時に「むちゃくちゃイイッ!」って思ったのはそのせいかもしれないですね。

 

その反面……飽きるのも早かった。

 

いや、飽きるという言い方には語弊がありますね。

僕がT.REXを初めて聴いたのは今から約30年も前の話で、当時はまだ洋楽初心者でした。

 

洋楽のカッコよさに目覚めた当初に聴いたせいか、その後、色々なバンドや音楽ジャンルを聴いていく中で、T.REXの鳴らすシンプルなブギー・サウンドが子供だましの退屈なロックに聴こえはじめてしまい、自分の中で勝手に「T.REX=子供だましのアイドル・バンド」なんてイメージを持ってしまいました。

 

これは、洋楽を聴きだすと邦楽が退屈に感じる……謎現象と同じかもしれません。そういえば、僕は学生時代はサザンが好きだったのに、一時期、なぜか大嫌いになってた時期があったので。

 

今のオジサン耳で聴くと、T.REXもサザンも、普通にイイ曲だなって素直に楽しむことができるのに……。まさに若気の至りってやつでしょうか?

 

ってことで。

前回ご紹介した前身バンド、ティラノサウルス・レックスと合わせ、ブギーのアイドルT.REXも、是非、聴いてみて下さいね。

 

ちなみにT.REXは、アコースティック・デュオだったティラノサウルス・レックスがエレキギターを導入したバンド編成となり、バンド名をシンプルT.REXと変更した……そんなバンドですね。

 

 

 

 

 

新PCへのiTunesデータの移行で

久しぶりに聴き直したバンドシリーズ。

 

Tyrannosaurus Rexです。

1967年~1970年まで活動したマーク・ボラン率いる2人組のアコースティック・デュオですね。

 

マーク・ボランと言えば、名前は知らなくても一度は耳にしたことがあると思う名曲、20th Century Boyです。

日本では今でもテレビCMなどで起用される人気曲です。

ただし、こちらの楽曲はティラノサウルス・レックス名義ではなく、T-REXと改名して発表された楽曲ですね。

ちなみにT-REXとしては……

もう、日本でのT-REX人気※もちろん海外でもは絶大で、数えきれないほどのベスト盤が発売され、オリジナル・アルバムは何度もリマスター発売され、今年2025年にも新たなBOXセットの発売が決定しているという……そんなレジェンド・バンドです。

 

そんな、絶大な人気を誇るT-REXの前身バンドとして、カルト的な人気はあるのにイマイチ話題に上がらない(?)アコースティック・ディオが、ティラノサウルス・レックスですね。

 

マーク・ボラン好きの中には、T-REXよりティラノの方が好きって奇特な方もチラホラ※アマゾンレビューで見かけたりします。

 

ティラノサウルスとT-REXの違いは、ズバリ、エレクトリック楽器の導入「前」と「後」で分かれます。

※実際にはティラノの4作目とT-REXの1作目はエレキとアコギが混ざった作風で、T-REXサウンドの開花は2nd「電気の武者」からという印象です。

アコースティック・デュオだったティラノサウルス・レックスが、バンド・スタイルの編成となり、エレキギターを導入したことでサウンドを一新。

シンプルなブギーとポップでキャッチーで煌びやかなサウンド&華やかなビジュアルに身を包み、T-レクスタシーなるグラムロック・ムーブメントを英国で巻き起こすことになりました。

 

ちなみに、グラムロックとは、男性ロックスターが顔に化粧を施し煌びやかな衣装に身を包んで歌い演奏する、今で言うところのヴィジュアル系ロックのことです。

 

むさ苦しいボサボサ長髪の男臭満載ロックが主流だった70年代前半に、イケメンが化粧してポップなロックスターを演じる。

そりゃあもう、アイドル・スターです。

女子に大人気ですっ!

 

当時はデヴィッド・ボウイとともに、グラムロックの先駆者として活動していたのがT-REXです。※と約30年前にCDライナーで読みました。

ちなみに、僕がT-REXを聴いたのは90年代のハードロック・バンド、ガンズ・アンド・ローゼズの影響で、デヴィッド・ボウイを聴いたのはグランジ・バンド、ニルヴァーナの影響です。

※カバー曲を聴いてオリジナルへ……って流れですね。

ただしボウイは、グラムロック(ジギースターダスト)人気に嫌気がさし、その後、音楽性を目まぐるしく変化させる天才カメレオン・ミュージシャンへと進化していきます。

 

一方のT-REXは、1977年にマーク・ボランが交通事故で死亡したため、その時点で伝説に幕を閉じてしまいました。

 

マーク・ボランはその経歴の中に、魔術師(錬金術師)の弟子だった時期※嘘か本当かは知りませんがあるらしく、生前から「僕は30歳まで生きられない」と公言していたそうで……

実際に、30歳の誕生日を迎える直前に、恋人が運転するキャデラックだったかムスタングだったかが街灯に衝突し、助手席にいたボランは車外に投げ出されて死亡って……そんな最後だったそうです。※と約30年前にCDライナーで読みました。

そんなマーク・ボランの「呪術的」な雰囲気が前面に打ち出されたサウンドを鳴らすのが、ティラノサウルス・レックスです。

 

正直、30年前に聴いた時には意味不明なアルバム群でした。

今、改めて聴き直すと……うん、これは、ほんと。

T-REXよりティラノが好きという奇特なファンの意見に納得です。摩訶不思議な魅力のあるマーク・ボランのポップ・センスと声質が、シンプルゆえに魅力的……って感じ。

 

日本ではT-REXの華やかな人気の影にかくれて、イマイチ取り上げられることの少ないグループですが、T-REX以前からマーク・ボランの音楽センスが抜群だったことが分かる(かもしれない)面白いサウンドを鳴らすアコースティック・デュオです。

 

興味のある方は、是非、聴いてみて下さいね。

 

ちなみに僕は、約30年前に購入した旧盤を今でも聴いている……という奇特なファンのひとりだったりします。

ジャケットは日焼けや経年劣化してますが、CD自体は今でも綺麗な状態で、日本盤の作りの良さには驚かされてしまいますね。

 

 

 

 

 

新PCへのiTunesデータの移行で

久しぶりに聴き直したバンドシリーズ。

 

ジミ・ヘンドリックスです。

言わずと知れた(?)

ギターの神様

と呼ばれる60年代のスーパースターですね。

27歳で亡くなったことで、27クラブの代表※ロックスターは27歳で死ぬという都市伝説とされるミュージシャンです。

 

僕のiTunesにも27枚※2枚組や4枚組は1枚として計算のアルバム、390曲以上が入っています。27は偶然ですが……。

それだけに……移行が大変なミュージシャンでした。

 

いや、大変だった理由は、ウォークマンへのデータ移行で「勝手に名前が置き換わる現象」の被害のせいなのですが……。

結局、曲名の修正※データの最後にアンダーバーが勝手に追加は諦め、アルバム名とアーティスト名のみの修正でiTunesに移行することにしました。

 

僕は音楽を聴く際、特に20代の頃は「ギター・ロック」が大好きで、ギターがカッコいい音楽ばかりを聴き漁っていたロック好きお兄さんでした。

当然ですが、ギターの神様と呼ばれているジミヘンを聴かないわけがない……のですが、お恥ずかしい話、当時はまったく良さが分からなかったミュージシャンの筆頭でした。

 

確か、初めて買ったベスト盤は……ほとんど聴くことなく友人にあげた気がします。

 

ジミヘンを聴くくらいなら、ヴァン・ヘイレンやポール・ギルバートやイングヴェイを聴いてたほうがいいよね。ギターの神様なんて言っても所詮は60年代の未熟なテクニックの頃の話だし、現代の凄腕ギタリストと比べたら足元にも及ばないね……。

なんて神をも恐れぬ感想を堂々とブチマケていた事もあります。

 

当時の僕はブルースなんて聴いたこともないナイス・ガイだったし、そもそも黒人ミュージシャンを聴くのが初めて※声質や歌い方の癖などだったし、スラッシュメタルに傾倒していた時期だったしで、とにかくもう……そんな感じでした。

 

僕が初めて「ジミヘンって凄いかも?」と思ったのは、2000年に発売された4枚組の未発表アウトテイク・レコーディングを集めた「The Jimi Hendrix Experience Box Set」を聴いた時でした。

 

オリジナル・アルバムでは抑え気味(?)だったジミヘンのギター演奏が「これでもかっ!」ってくらい前面に飛び出したアウトテイク集です。特にアルバム未収録のインスト楽曲「Title #3」「Here He Comes (Lover Man)」を聴いた時は、「ジミヘンってこんなに凄いプレイをするギタリストだったのかっ!」ってぶっ飛んだ記憶があります。

そのせいか?

僕はジミヘンのオリジナル・アルバムにはあまり興味を持つことなく、アウトテイクが好きなジミヘン・ファンになってしまったのです。

特に、「BBC Sessions(2枚組)」は聴きまくりました。

元々は「Radio One」として発売された1枚組のコンピ盤の完全版的な扱いで後出しで登場したアルバムですが、僕は「Radio One」を中古盤で購入してて、新たに買い直した……みたいな感じでした。

「BBC Sessions」は音の悪い録音も外さずに収録された完全版なので、聴きやすさ的には「Radio One」の方が良かったのですが、確か「Radio One」はステレオ録音が片側寄りでモノラルに変換しないとヘッドホンで聴くのに気持ち悪いバランスになっていた記憶があります。

 

と、言うか。ジミヘンの活動時期(60~70年代)は録音技術が未発達な時代のため、そもそものステレオ作品自体がヘッドホンでは聴きにくい気がします。

 

実は今回、iTunesへのデータ移行を行う際に、PCのスピーカーからタレ流しでジミヘンのアルバムを聴いていたのですが……※スピーカーの音質の差もあると思いますがオリジナル・アルバムのギタープレイのカッコよさに改めて気が付かされました。

 

以前のPC※10年以上使用はいかにスピーカーの音質が悪かったのか思い知った気分です。

そして、改めて、ジミヘンの楽曲は高解像度のモニターヘッドホンで聴くものじゃないなってことも思い知りました。

 

そりゃあそうだ。

ジミヘンが活動していた時代はスピーカーで、しかもモノラルで音楽を聴くのが一般的な時代だったんだもの。

 

実際に僕が愛用しているワイヤレス・スピーカー「マーシャル・エンバートン3」でジミヘンをじっくり聴き直してみると、ステレオバランスなんかの邪魔な要素(気持ち悪さ)がなくなったジミヘンのカッコよさに改めて驚かされました。

うん、ジミヘンはオリジナル・アルバムもスピーカーで聴くと無茶苦茶カッコよかったです。

 

ジミヘンのギターのカッコよさもさることながら、さすがはマーシャル・サウンドと言うべきか、ドラムとベースの演奏のカッコよさ、特にドラム演奏の上手さに驚きました。

ジミヘン(エクスペリエンス)って、こんなに手数の多いドラム演奏だったんですね……。うん、こりゃあ凄い。世の中のオジ…お兄様たちがジミヘンを絶賛してた理由がやっと分かりました。

 

興味のある方は、是非、ギターの神様ジミヘンを聴いてみて下さいね。

 

 

 

 

 

新PCへのiTunesデータの移行で

久しぶりに聴き直したバンドシリーズです。

 

スティーヴィー・サラス・カラーコードをご紹介です。

このブログでも過去に何度か名前が登場してる(はず)ミュージシャンです。カラーコードなんて銘打っていますが、確かメンバーが固定(?)されていたのはデビュー当時だけ……だったように記憶しています。

 

世の中がまだ今ほど情報に溢れておらず、利便性もそこそこだった90年代に登場したアメリカのギタリスト・シンガー・コンポーザーですね。

 

現在は、B'zの稲葉浩志さんと結成した

INABA/SALASとして活動中です。

う~ん……稲葉さんファンには申し訳ないですが、サラスの良い部分※と勝手に思っているが全てぶっ壊されたJ-POPになっちゃってますね。往年のサラス・ファンは聴くに堪えれないかも?

 

スティーヴィー・サラスが登場した当時は、世の中にグランジ/オルタナティブ旋風が巻き起こっていた時代で、音楽ジャンルの垣根が崩壊した直後(?)の時代でした。

 

それまで「ポップス」「ロック」「メタル」「ファンク」など、明確に線引きされて分かれていた音楽ジャンルの境界がゴチャ混ぜになり、特に80年代には異端扱いされていた白人音楽と黒人音楽の融合が急速に進んだ時代です。※と個人的には思っています。

 

言葉を濁さずハッキリ言うと……

 

黒人音楽に影響を受けた白人ミュージシャンが、当たり前のようにブルースやファンクやヒップホップなどのブラック・ミュージックを取り入れた楽曲を演奏し始めた時代、って感じでしょうか。※個人の感想です。

 

そんな中、登場したのがスティーヴィー・サラスです。

実は彼、白人ではなく、ネイティブ・アメリカンとメキシカンの血を引く有色人種です。ちょっと人種差別的な言い回しが続きますが……ご了承下さい。

そもそもバンド名の「カラーコード」というのは、ネイティブ・アメリカン(インディアン)を指す「カラーレッド」から付けた名前だったとか……。

 

僕が初めてスティービー・サラスを聴いたのは、彼の代表作とも言うべき3rdアルバム「バック・フロム・ザ・リビング」です。

当時、趣味のバンド活動で通っていた練習スタジオのお兄さんが、受付で爆音で流していたのがこのアルバムでした。

 

聴いた瞬間、一瞬で虜になった……と言うのはちょっと大げさな気もしますが、今のように様々なジャンルの音楽をお手軽に・簡単に聴ける時代じゃなかったあの頃の僕にとっては、まさに衝撃の「ファンキー」&「ワウ」体験だったように記憶しています。

 

ちなみに「ワウ」というのは、上に貼った楽曲のイントロから多様されているギター・サウンドです。

※違っていたらゴメンなさい。

ワウ・ペダルで音を揺らして高・低の周波数音域を「ワウ・ワウ」とブーストさせるフィルター系のエフェクターですね。

 

ファンクなどではよく耳にするサウンド……なのかな?

 

そうなのです。

スティーヴィー・サラスは、ファンク色の強いロックを演奏するマルチ・ギタリストなのです。

マルチ・ギタリストと書いているのは、このレッスン動画で本人も言ってるように、ロックもファンクもメタルもブルースも、何でも弾きこなせるテクニックを持っているからです。

 

実際、デビュー当時からカラーコード以外にも複数のバンドを結成して、ハードロック的なアルバムも出してたりします。

 

ただ……

早すぎた……

出会うのが早すぎた。

 

僕がスティーヴィー・サラスを聴いたのは、まだ洋楽を聴き始めて4~5年の洋楽初心者の頃でした。

 

スマホもSNSもYoutubeも無い時代です。

それどころか、インターネットすら無かった頃だと思います。

 

当時の僕は、ファンクもブルースもジミヘンも知らない洋楽初心者です。ファンクで知っていると言えば、米米クラブと久保田利伸さんくらいでした……※オヤジ・ジョークです

 

そんな洋楽初心者の僕には、ロックなサラスは受け入れられても、それ以外のサラスはイマイチに感じていたのです。

↑こちらがロックなサラス。

 

↑こちらがファンクなサラス。

 

今の耳で聴くと、無茶苦茶カッコいい音楽なのに、当時の僕は「こんなのロックじゃないっ!」って思って、聴こうとすらしていなかったような気がします。

 

しかも、彼の人種が影響したのか?

ある時期から、本国アメリカを離れて日本を拠点に活動をするようになっています。

そのせいか?

オリジナル・アルバムのアメリカ盤が発売されていない……なんてことになっていて、現在は入手困難な作品や、国によって曲やタイトルが違うコンピ盤なんかもあったりして……。

 

結局、僕は2004年発売の7thアルバム「ザ・ソウルブラスターズ・オブ・ザ・ユニバース」を最後に作品を聴くのを止めてしまっていました。

いや、実際には「ザ・ソウルブラスターズ~」はファンク色が強すぎて購入当時はほとんど聴いていなかったと思います。

 

※残念ながら、サラスは2010年の「ジャム・パワー」以来、単独名義のオリジナル・アルバムの発売は無くなったはず……。

現在60歳を超えるミュージシャンなので、今後もオリジナル・アルバムは発売されない気がします……。

 

それから20年経った2024年、iTunesに入れていなかった過去のミュージシャン発掘企画※勝手に開催でスティーヴィー・サラスのあまりのカッコよさにぶっ飛んだ事件が発生しちゃうのです。

 

……が、その翌年の2025年。

長年愛用していたPCが壊れてしまい……WAVEでしかリッピングしていなかったスティーヴィー・サラスは、いちからCDの取り込み直しなんて憂き目に遭ってしまうのでした。

 

で、先週。

やっとサラスの作品※僕が持っている18作品を全てiTunesに取り込み直したのです。

その際に、楽曲を聴きながらCDを取り込み直していたのですが……やっぱり、出会うのが早すぎた。そんな感想を持ってしまうくらい、無茶苦茶カッコいい楽曲の宝庫だったのです。

 

興味のある方は、是非、聴いてみて下さいね。

 

 

 

 

 

 

 

元・the pillows

山中さわおさん

ソロ・デビュー15周年記念ベスト

Be Greatest Hitsを購入したのです。

2010年発売の初・ソロ作~2025年発売の最新アルバムまでの作品から全17曲が収録された、まさにベスト・アルバムの見本のようなベスト・アルバムです。もちろん肯定的な意味で。

 

初期3作からの楽曲4曲は、2025年Recとしてセルフカバーされたヴァージョンです。

 

the pillowsファンならご存じの通り、さわおさんが過去の楽曲をセルフ・カバーする場合、元々の楽曲を大幅にアレンジ※アップテンポをバラードにとかすることなく、原曲のイメージをそのまま「現在進行形のサウンド」にアップデートする感じです。

さわおさんのソロ・アルバムは、初期の2作はあえてthe pillowsとは違うアプローチで制作されたような部分があり、バンド・サウンドとは違う繊細な雰囲気のある物静かな印象がありました。

今回のセルフ・カバーは、完全に現行のバンド・サウンドでの演奏スタイルです。原曲のアレンジや雰囲気を残したまま、演奏だけがバンド・サウンドになった感じでしょうか。

 

これ、むちゃくちゃカッコいいです。

 

the pillows時代から25年以上ファンを続けている熱心なファンの僕が「むちゃくちゃカッコいい」と思うくらい、素晴らしいサウンドに生まれ変わっていると思います。

 

ただ、オープニング・ナンバーの「Answar(2025Rec)」に関しては、正直、原曲も新録も大差が無い印象でした。

個人的には、原曲の巻き舌歌唱の方が好みかも……。新録は出だしのAメロ部分「人知れず終わたいな~」の巻き舌歌唱が無くなっています。

ただ、全体的な歌唱に関しては、原曲後半にあったボーカルのブレ(あえて感情的に声をブレさせる……)みたいな部分が無くなり聴きやすくなったのと、アウトロ部分に熱い余韻歌唱が追加されているのは好印象です。

なんとなく、ライブ・ヴァージョンを聴いてるような盛り上がりを感じる仕上がりになっている気がします。

 

収録時間も全17曲で1時間超えと、最近のさわおさんの作品としてはかなりのボリューム感です。

そして、これは公式でも表記されていませんが、18曲目にボーナス・トラックが収録されています。

 

しかも、遊び心満載?

 

内容は、リーガル・ラビッシュ※2022年「Muddy comedy」収録曲のデモ・ヴァージョン的弾き語りですが、曲冒頭に「こればボーナス・トラックです」というコンピューター的読み上げ音声アナウンスが入っています。

今までボーナス・トラックに「これはボーナス・トラックです」なんて音声が入った楽曲は聴いたことがなかったので、さわおさんの遊び心に思わずニヤリってなってしまいました。

もちろん、楽曲自体にアナウンスはかぶっていないので、楽曲はそれ単体で最初から最後まで楽しむことができます。

 

弾き語り※アコギではなくエレキ弾き語り(?)です系のメロウなリーガル・ラビッシュも、これはこれで曲の良さが際立っていたように思いました。

 

そうなのです。

今回のベスト・アルバム、

とにかく選曲が素晴らしいっ!

 

この一言に尽きると思います。

 

25年以上ファンをやってると、中には「ああ、山中さわおも終わりかな……」なんて感じる作品もあったりしたし、実際、一時期は熱心なファンをやめてしまっていた時期もあったりします。

 

今回のベスト・アルバムは、ファンの僕が「終わりかな…」って感じた代表曲(?)は一切と言っていいくらいまるで収録されていません。とにかく、カッコいい山中さわお、ファンが求める山中さわお、バンドマンの山中さわお、天才・山中さわお、そんな楽曲ばかりが収録されたベスト of ベストのような選曲です。

具体的には、マニアックなオルタナ楽曲はホトンド入れずに、ロックな楽曲やポップな楽曲を中心に選曲したイメージです。

もちろん、キメのバラード楽曲なんかはいい感じで収録されていたりします。

 

正直、今までさわおさんを聴いたことがない若いロック・ファンがこのベスト盤を聴いたら「なぜ今まで山中さわおを聴かなかったのかっ!」って後悔する※the pillows時代はよくこんなレビューを見ましたくらい、すごいベスト盤なんじゃないか……って、往年のファンのオジサンは期待しちゃったり……してるのですが、まあ、これは、熱心なファンの妄言ということで無視しちゃってください。

 

残念なのは、今回のベスト盤も一般流通のないライブ会場&通販限定盤ということでしょうか。

 

RED BAT

 

うーん、こんな素晴らしいベスト盤が一般流通しないなんて、もったいなくってしかたないです。

 

興味のある方は、是非、聴いてみてくださいね。