ぐれむりんの気ままなブログ

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勝手気ままな★備忘録★レビュー

そもそも、デスメタルって何なのさ?

 

【注意】これは、メタルをよく知らないオジさんのひとり言なので、真正メタラーの皆さんは「ふふん」と鼻で笑いながら読んでくださいね。

 

夏だっ!

サマーだっ!

デスメタルだっ!

 

……ってコトで←何が???

 

デスメタルを聴き始めてマルっと6周年でこざいます。

今から6年前の2018年……夏の猛暑にヤラレて聴き始めた究極の極悪音楽デスメタルです。

 

▲写真はイメージでs……じゃなくって、広瀬すずデス。

 

聴き始めた当初は、曲の区別はおろか、バンドの区別さえつかず

「全部同じに聴こえてウケるwww」

なんて口走っていた僕が、今ではいっぱしの隠れデスメタラーを自称するまでに成長することができました。

※ちなみに「隠れデスメタラー」とは、周囲にデスメタル好きなことを隠した状態で、まるでジャズやアニソンでも聴くような涼しげな顔して爆音ヘッドホンで脳内ひとりフェスを開催しているデスメタラーを指しています。……もちろん嘘です。

 

デスメタルを聴き始めた当初、とある音楽ブログに、デスメタルというジャンルは普通の音楽とは違い、聴けば聴くほど更に過激で激しいサウンドを求めてしまうようになり、気が付くと泥沼にハマって抜け出せなくなる……なんてコトが書かれていました。

 

正にその通りっ!

 

2018年の夏、「一般人でもギリ聴ける」と言われるメロディック・デスメタルを聴いたことが切っ掛けで、その後、元祖デスメタルと言われるオールド・スクール・デスメタルを聴き、ブルータルとかテクニカルとか過激さが増したジャンルに手を染めてしまい……

 

そして、2024年の夏、

僕の脳内では……

テクニカル・デスメタル祭りが開催中っ!

 

って言うか、

そもそも、テクニカル・デスメタル(テクデス)って何なのさ?

 

実はコレ、僕の中でもイマイチ整理がついていません。

 

例えば、オールド・スクール・デスメタルと呼ばれるジャンルは、デスメタルの元となった「スラッシュ・メタル」をより速くより過激により複雑に進化させた音楽です。

スラッシュメタルのこーゆーサウンドを……

↓こんな感じにしたのがデスメタルです。

スラッシュとデスメタルの違いは、デスメタルは、ドラムの演奏がブラスト・ビートと呼ばれる高速連打に進化したこと、そして、楽器のチューニングがより低音になったこと、そして最大の特徴である歌メロを廃止して限界低音を絞り出す「デスボイス」と呼ばれる歌唱法を採用したことです。

 

普通に聴くと……

これって音楽なの?

と、首を傾げてしまうのですが……。

 

そもそもデスメタルが誕生した切っ掛けは、80年代に産業ロック化したへヴィメタルにウンザリした「ガチ勢のメタル・ヲタク」が、「解るヤツにだけ解ればいいっ!」ってコンセプトで、ただひたすら楽器演奏テクニックを磨き、高速・難解・複雑・重低音を攻めまくった新しいサウンドを創造したことだったそうです。

 

ヲタクによるヲタクのためのヲタクのへヴィメタル。

それがデスメタルです。

到底、一般人には理解できない音楽です。

 

……が、

90年代に入り、産業化したへヴィメタルが衰退していくとともに、地下音楽だったはずのデスメタルに注目が集まるようになってきます。

そして、徐々に、デスメタルが表舞台に登場し始めます。

 

いわゆる……

エヴァンゲリオン現象です。

それまでは、キモイヲタク文化だった「ロボット・アニメ」が一般人にも認知されるようになり、市民権を獲得し始める……みたいな?

 

で、難解なエヴァンゲリオンに影響を受けた若きクリエイターが、エヴァを超えるような「難解・複雑・マニアック」な作品を発表し、賛否両論を巻き起こす……みたいな?

 

それが、ブルータル・デスメタルテクニカル・デスメタルと言われる「デスメタルを更に過激に進化させた」音楽なのです。

 

……ふぅ

やっと本題に辿り着きました。

 

先ずは……聴いてみて下さい。

これが、オールド・スクール・デスメタルです。

普段メタルを聴かない善良な市民の中には「何だコレ?」と眉をひそめる方もいるでしょうが……、デスメタル歴6年の隠れデスメタラーの僕には、歌メロもあるし歌詞も聴き取れるし、比較的分かりやすいデスメタルに聴こえます。

演奏も、ギリ・人間技の範疇に収まっています。

 

そんなデスメタルを「速く・過激に・複雑に」進化させたのが、ブルータル・デスメタルです。初期のデスメタルの進化版なので、ニュー・スクール・デスメタルなんて呼ばれるそうです。

オールド・スクールとの違いは、ドラムの連打が鳴りやまないことと、デスボイスが更に低音になりもはや人の声ではなくなっていることです。ドラムの連打は打ち込みでいいんじゃないかと思ってしまいます。

 

そして、デスメタルを「過激」な方面に進化させたブルータルとは別に、「速く・過激に・複雑に・難解に・テクニカルに」進化させたのが、テクニカル・デスメタルです。

ぱっと聴き、ブルータルと同じように聴こえますが※これが僕の中でイマイチ整理がつかない部分なのですがブルータル・デスメタルがまだ「楽曲」の範疇にあるのに対し、デスメタル・ファンにさえ「これは曲じゃなくテクニックを披露しているだけ」と言わしめるのがテクニカル・デスメタルです。

……もはやドラムは機械のような演奏です。

 

そして、今、

僕の脳内で鳴り響いているのが、

デスメタル・ファンにすら「もはや曲じゃない」と言われるテクニカル・デスメタル……なのです。

 

今現在も、脳内フェスが盛り上がっています。

 

と、言っても、残念ながら(?)デスメタル自体は既に全盛期を過ぎた音楽で、一部の愛好家のための音楽になっている気がします。CDは軒並み廃盤になっているし、数年前に発売された作品でさえ購入が困難な状態です……。

デスメタルを聴くためだけにサブスクを始めようかとさえ思ってしまう始末です。

 

最近、あるデスメタル好きブロガーの方が、「テクデスを追う(聴く)のをやめた」という内容の記事を書いてあるのを読みました。

 

テクデスって、速さとテクニックを追及する余り、どのバンドの楽曲も似たり寄ったりの「同じ演奏」「同じ展開」になってしまっていて、もはや違いが無いことに気が付いた……そうです。

 

確かに……

ネットで「テクデス オススメ」と検索して、出てきた動画を観ると、「デブ・長髪・汚おぢ」が頭を振り回しながら叫んでる動画ばかりが表示されて……

 

……え? そもそも、デスメタル自体が「デブ・長髪・汚おぢ」の音楽じゃないのか?

 

つまり?

「デスメタルって何なのさ?」の答えは「汚おぢ」ってコト?

 

……まあ、それは置いといて。

 

僕はこの6年、Youtubeで動画を観ては、気になったテクデス・バンドのCDを少しずつ買い集めているのですが、そこで気付いたコトがあります。※って言うか周知の事実なのですが。

 

先ず、テクデスに限らずデスメタル初心者は、ガチ勢のオススメする「先駆者的バンド」を盲信的に聴いてはいけない、というコトです。特に「初期の名盤」には手を出さないようにご注意下さい。

 

ハッキリ言って、90年代初めのデスメタルは「軽い・音悪・ダサい」の3拍子が揃っています。

それを「味」として聴けるようになるには、ある程度の慣れが必要になってきます。

 

例えば、テクデス・バンドの代表「クリプトプシー」も、初期の頃はこーゆーサウンドでした。

もちろん、デスメタル歴6年の今はこのサウンドを「カッコイイ」と感じるのですが、デスメタルを聴き始めた当初は「え? この程度?」って、そー思ったのを憶えています。

 

次に、「全て同じに聴こえる」と言われる※僕自身も言っていたテクデスも、人気と実力を兼ね備えたバンドには個性があり、バンド独自のカラーを持っているというコトです。

 

ってコトで。

キャリア6年の若造が分かったような顔して偉そうに語ってしまっていますが……

僕がお気に入りの脳内フェス・テクデス・バンドをご紹介です。

※と言ってもバンド自体はベテランが多いですが。

 

クリプトプシー

 

テクデス・バンドの代名詞のようなバンドです。ドラムスの演奏はもはや人間技じゃありません。これほどドラムを連打をしつつ機械的になることなく多彩な技を繰り出すテクニックは、まさに「神」ですね。

唯一の難点は、初期の頃はアルバム毎にドラムス以外のメンバーが引っ切り無しに入れ替わっていたことです……。

 

ナイル

今年、2024年8月に新作発売が予定されているベテラン・バンドです。バンド名から分かるように、エジプト音楽にインスピレーションを受けたテクデス・サウンドを鳴らしています。

個人的には……エジプト的な雰囲気が仰々し過ぎる気がして、もう少しシンプルな勢いだけの曲でも良いのに……って思っちゃう時がありますね。

 

オリジン

ひたすら、機械的で正確なブラスト・ビートが鳴り響くバンドです。……が、それだけです。余りにも特徴が無さすぎるのが特徴ってくらい、同じような曲、同じようなビート、同じような咆哮が続きます。なんか、悪い冗談みたいなバンドですね。

 

ディキャピテイテッド

ポーランドの若き天才と言われたヴォッグとヴィテク兄弟を中心に結成されたテクデス・バンドで、結成当時、弟君は僅か12歳で神業のようなドラム演奏を披露していた神童……なのだけれど、ツアー中の交通事故で弟君は死去、ボーカルは再起不能という悲劇に見舞われたバンドです。その後、ギターの兄君が、メンバー総入れ替えでバンドを再起動し、現在に至る……。

アルバム毎に微妙に違うアプローチを見せるバンドだけど、最近はグルーブ・メタル寄りの音楽性になってます。

ただ、テクデス系の中では群を抜いてカッコイイですね。

 

アーチスパイアー

これぞテクデスッ!

って感じの「速・激・難・技」演奏をマシンガンのように繰り出すバンドですが、特筆すべきは、ラップのような早口デスボイス歌唱ですね。テクデスの唯一の弱点である※と個人的に思っていたのっぺりとしたガテラル・ボイス歌唱の常識を覆してくれたバンドです。演奏が速く歌も速い。唯一の難点は、とにかく過去作のCDが入手困難なことでしょうか……。

 

ブレイン・ドリル

演奏が速すぎて、もはや曲じゃない……とさえ言われる高速テクデス・バンドです。とにかくキレッキレの演奏と絶叫が気持ちいいバンドですね。ただ、アルバム3枚で解散……しかもラスト・アルバムは自主制作のCD-Rという形態で、CD入手は絶望的です。まあ、iTunesストアでは普通にDL販売されてますけど。

 

ってことで。

2024年の酷暑を前に、ひと足早い脳内デスメタル・フェスが絶賛開催中のぐれむりんでした。

 

興味のある方※がいるかどうかは不明ですがは、是非、サブスクで探して聴いてみて下さいね。

 

それにしても

デスメタルの世界は深いです……。

 

 

 

 

 

 

 

アメリカのデスメタル・バンド

カンニバル・コープスをご紹介。

今回は2006年に発売された10thアルバム

KILL

エグいアルバム・ジャケットでお馴染みのカンニバル・コープス史上、最もシンプルなジャケットの作品です。

 

そして、多くのカンニバル・コープス・ファンが「最高傑作」と評価するアルバムの中の1枚です。

 

今回より、プロデューサーに、元・モービッド・エンジェル、ヘイト・エターナルのギタリストであり、現・カンニバル・コープスのギタリストでもあるエリック・ルータンが参加しています。

明らかに、今までのカンニバル・コープスとは違うサウンドが鳴り響いています。

 

……が、

どの辺が?

と質問されても……、残念ながら僕には答えられないのでご了承くださいませ。

考えるな、感じろっ!です。

(by ブルース・リー)

 

ただ、今から約6年前に、

「そうだ、デスメタルを聴いてみよう」と、ひと昔前の京都観光のキャッチフレーズのような軽いノリでデスメタルを聴き始めた当初から、カンニバル・コープスのアルバムは「キル以前⇔キル以降」で音の雰囲気が違うというのが分かりました。

 

雰囲気的には……

今風のサウンドになった、って感じでしょうか。

 

具体的には※個人の感想ですが、低音~中音に厚みが増し、前作まであった音のスカスカ感が無くなったって感じです。専門用語だと「ブルータリティが~うんぬんかんぬん」とか言うようですが、僕的に言うならば、威圧感が増して怒迫力のサウンドになったって、そんな感じです。

 

そして、全13曲、最初から最後まで、怒涛の高速&怒迫力デスメタル・サウンドが続きます。

楽曲は全て2~3分というコンパクトな長さで、4分台の楽曲はエンディングのインストナンバー「Infinite Misery」のみ。

 

ただし、あまりの怒迫力サウンドの為、トータル42分という収録時間が倍くらいの長さに感じるかもしれません……。

 

って言うか、僕はいまだに(?)この「KILL」はアルバムの最初から最後まで通して聴いたのは数回のみ……。

 

これは、「嫌い」とか「苦手」とか、そーゆー事ではなく、デスメタル・アルバムとしてあまりにも濃厚過ぎて、7曲目くらいまで聴いたところで疲れ果ててしまう……それが理由です。

 

例えば、ケン○ッキー・フライドチキンは大好きだけど、13ピースも食べるのは、ちょっと胸焼けが……って、それと同じです。

 

「KILL」に収録された楽曲は、カーネル・○ンダースもビックリするような胸焼けコッテリ楽曲ばかりです。

 

いや、まあ……

「KILL」に限らず、デスメタルの楽曲は大概がそんな感じなので、もしかするとデスメタル・アルバムはA面・B面で分けて聴けるアナログ・レコードの方が聴きやすいのかもしれませんね。

 

ちなみに、先日、このブログを更新するために改めて「KILL」を(寝ながら)聴き直したところ、10曲目くらいで記憶が途絶えてしまいました。愛用のオーテクM50xBT2で、そこそこ爆音で聴いてたはずなのですが……、不思議と、デスメタルには子守唄的要素が含まれているのかもしれません。

 

まあ、英語が理解出来ると、歌詞がエグすぎて寝るどころじゃないのでしょうが……。

僕は「KILL」は輸入盤を購入しているので、対訳が無く、どれくらい歌詞がエグいのか分かりませんが、ひとつ面白いのは、歌詞カード(英文)の途中に「solo:Pat O'Brien」「solo:Rob Barrett」と、ギター・ソロを誰が弾いているか記載されていることです。※これは初期の作品から記載されています。

 

今作から、初期の頃にギタリストだったロブ・バレットが戻ってきていますね。

 

正直、デスメタルのような超絶テクニックを駆使する演奏の場合、あまりにも演奏レベルが高すぎて、奏者が変わってもホトンド気が付かない……と、僕は思っているのですが、そんなことないのでしょうか?

 

例えば、「KILL」に収録された楽曲と……

ギタリストがパット・オブライエンからエリック・ルータンに変わった楽曲を聴き比べて……

ギタリストが変わったらから作風が変わった……なんて分かったりするのでしょうか。

 

う~ん、もしかすると、カンニバル歴5~6年では、この違いを理解するには聴き込みが足りないって事でしょうか?

 

え?

それは、カンニバル・コープスが特別すぎるから?

確かに、30年以上、デスメタルの王道サウンドを鳴らし続けるバンドはカンニバル・コープスしか……と、言おうと思ったけど、そー言えば、僕はカンニバル・コープス以外のオールドスクール・デスメタルを聴いたことが無かったので……、どの口が言ってんだって感じですね。

 

ちなみに、僕は2018年頃からカンニバル・コープスを百科事典聴きで聴くようになったのですが、もしもこの「KILL」でのサウンドの変化が無かったら、ここまでカンニバル・コープスを好きにならなかったかもしれません。

 

個人的には、それくらいカッコいいアルバムだと思っています。

 

もしもこれからカンニバル・コープスを聴いてみようと思う怖いもの知らずのメタルキッズがいるなら、是非、この「KILL」から聴き始めるのをお勧めします。

 

 

 

 

 

アメリカのデスメタル・バンド

カンニバル・コープスのボーカリスト

ジョージ・フィッシャー

初ソロ・アルバム

CORPSEGRINDERを購入したのです。

※リンクが「アマゾン・ミュージック」になっているのは、既にアマゾンではCDが売り切れで「再入荷の見込み無し」となっているためです。

 

今から約2年前の2022年に発売された作品です。

 

発売された当時にCDを購入しようと試みたものの、何故か、アマゾンにもタワレコにもその他の通販サイトにも、どこにも売ってなくて……文字通り商品が表示すらされず、発売延期になったのかな? なんて思って、その後すっかり忘れていた作品です。

 

2年越しにアマゾンでCDを見つけ、速攻で購入しました。

※僕が購入する際に「残り1点」となっていたので……僕が最後の1枚を買ってしまったのかもしれません。

 

内容は……

デスメタルですっ!

期待を裏切ることのない、デス声吠えまくりのジョージ・コープスグラインダー・フィッシャー作品です。

 

本家・カンニバル・コープスと寸分違わない……と、言いたいところですが、オープニング曲の「ACID VAT」を聴いた瞬間から、カンニバル・コープスとは微妙に違う……

って言うか、デスメタルの楽曲を聴いて「違いが分かる」自分にちょっと驚いています。

 

5~6年くらい前に、初めてカンニバル・コープスを聴いた時は、全てのアルバムが……いや、全ての楽曲が同じに聴こえ、初代ボーカルのクリス・バーンズと現ボーカルのジョージ・フィッシャーの声の区別も出来なかったのに……

 

……と言っても、今回のソロとバンド(カンニバル・コープス)の違いは、演奏の雰囲気が違うのと、ミドル・テンポ※と言ってよいのか?の楽曲が多いことくらいでしょうか。

 

う~ん、これは説明が難しいですね。

 

ミドル・テンポの楽曲と言っても、基本はデスメタルなので決して「遅い」と言うコトではないし、緩急が混じった複雑な曲展開だし、何よりカンニバル・コープスよりドラムスのツーバス連打が多く感じるので、聴いてて退屈とは思わないから……。

 

ちなみに演奏の雰囲気と言うのも、イントロやギター・ソロが、カンニバル・コープスでは演らないタイプのアレンジってくらいで、全体的にはブラストビート(ツーバス連打)が多いカンニバル・コープスって感じでしょうか。

 

まあ、普段デスメタルを聴かない方には「???」なお話ではあるのですが。

▲ソロだとこんな感じなのが……

▼バンドだとこんな感じ。

 

え?

何が違うの?

 

って思う以前に、「こんなの音楽じゃない」って思われたら元も子もない話しだったりするわけです……けど。

 

まあ、個人的には、ジョージ・フィッシャーの「コープスグラインダー」は、カンニバル・コープスの作品と混ぜて聴いても違和感は無いって感じるくらいの良作でした。

 

ちなみに、

コープスグラインダーと言うのはジョージのステージ・ネームで、カンニバル・コープスの時はジョージ・コープスグラインダー・フィッシャーって名乗ってますね。

 

興味のある方は、是非、暑い夏の寝苦しい夜に、恐怖の音楽デスメタルを聴いてみるのはいかがでしょうか。

 

 

 

 

 

ここ最近……、

X世代のオジサンの心を鷲掴みにしている

イタリア出身のZ世代ロック・バンド

マネスキンをご紹介です。

まるで「ジョジョの奇妙な冒険~黄金の風~」の世界から飛び出してきたような、ロック・スター然としたグラマラスな佇まいが「そこにシビれる憧れるっ!」って感じの新世代ロック・バンドです。

 

そんな彼らが2018年にリリースした1stアルバム

Il Ballo Della Vita

アルバム発売当時、ボーカルで最年長のダミアーノが19歳、他のメンバーは17歳~18歳という若さだったのには驚きです……。

 

現在、このアルバムに収録された「Fear For Nobody」ホンダSUV ZR-VのCMソングに起用されてますね。先日、TVで流れていました。

 

さて、この作品

「イル・バッロ・デッラ・ヴィータ」ですが、内容的にはデビュー作ということもあり、2021年に世界的ブレイクを果たして以降のロック・サウンドとは微妙に違う、全体的にポップな雰囲気が漂うアルバムです。

 

例えば、2ndアルバム「テアトロ・ディーラVol.1」から顕著となる骨太ロックなギター・リフなどはまだまだ控えめで、どちらかと言うと、ポップでファンクなクリーン・トーンのバッキング・ギターが印象的な楽曲が多いと感じました。

 

特にアルバム前半は、男性アイドル・コーラス・グループと言われても「ふうん、なるほどね」って思うくらい、ポップでキャッチーでメロウな雰囲気の楽曲が並んでいます。

 

これは日本盤CDライナーにも書かれていましたが、当時の彼らはまだバンドの方向性が明確になっておらず、オーディションを勝ち上がった知名度を武器に作品を売るという所属レーベルの思惑なども絡み、様々な方向性を試しつつポップでキャッチーな曲を求められた……結果なのだとか。

※と言ってもライナー文も憶測的な記述でしたが。

 

う~む、確かに。

もしもマネスキンがこの1stアルバムの方向性のまま次作を出していたら、ロック好きオジサンである僕は、彼らの音楽に心を掴まれることはなかったかもしれません。いやまあ、オジサンは関係ないのですが……。

 

ただ、マネスキンのサウンドの面白さ※と個人的に思っているのですがである様々な年代のロックへのリスペクトはチラホラと見え隠れしている気がします。

 

収録曲は12曲です。

イタリア語の楽曲が多いので曲名はカタカナで紹介させていただきます。

 

ニュー・ソング

トルナ・ア・カーザ

ラルトラ・ディメンショーネ

シット・ブルーヴァード

フィアー・フォー・ノーバディ

レ・パローレ・ロンターネ

インモルターレ

ラッシャミ・スターレ

アー・ユー・レディ?

クロース・トゥ・ザ・トップ

ニエンテ・ダ・ディーレ

モリロ・ダ・レ

 

先ず、オープニングナンバーの「NEW SONG」を聴いて真っ先に思い浮かべたのは、QUEENの名曲「地獄へ道づれ」でした。

これは、「パクリ」とかそーゆーことではなく、過去の名曲に対するリスペクト……と言うか、「ああ、マネスキンのメンバーって本当にロックが好きなんだな」っていう、ある種の親近感を感じる的な……、そういう感じです。

 

その後の3曲は、ロックと言うよりはラテン的な雰囲気漂うメロウなポップ・ナンバーが続きます。

イタリア語特有の巻き舌歌唱が新鮮です。

 

そして、CMソングにもなった5曲目の「Fear For Nobody」でロック・テイストな曲へ戻り……

 

バラード・ナンバーの「レ・パローレ・ロンターネ」で前半の6曲が終了です。

 

正直、ここまで聴いた感想は、新世代ロック・バンドというより、どこにでもいるメロウ・ポップなアイドル・バンドって感じ。アマゾンのレビューにもありましたが、マネスキンはデビューEPの「チョーズン」以外は聴かなくていい……という意見も分かる気がします。

 

ただし、後半の6曲は、その後のマネスキンの活躍を予感させるようなバラエティ豊かなロック・ナンバーが続きます。

 

先ず、ラッパーのヴェガス・ジョーンズをフューチャーした「インモルターレ」で、ダミアーノのラップ歌唱的な早口イタリア語歌唱が披露され、その後もポップ・ロック、ラテン・ロック、ガレージ・ロックなどなど、幅広いタイプの楽曲で一気に最後まで聴かせてくれます。

 

もしかすると、意図的にそういう選曲になってるのかも?

 

レコードのA面はレーベルの意向に沿った一般ウケするメロウ・ポップで、B面はバンドの意向を反映したロック・ナンバー。

 

海外ではCDの需要はホトンドなく、アナログ・レコードの方が売れているって話を聞くので、曲順自体がそれに合わせた並びになっているのかもしれません。

 

実際、iTunesのプレイリストで2~4、6曲目の楽曲を抜いて、残りの8曲だけを聴くとアルバムの印象がガラリと変わります。

決して「チョーズン」に劣ることのないロック・アルバムになっています。

 

そして、なんと言っても、当時若干19歳のボーカル、ダミアーノの歌唱力の高さにぶっ飛びです。

 

基本的にはハスキーでロックなシャガレ声系の声質※僕が好きな声質なのですが、アルバム前半で「男性アイドル・コーラス・グループみたい」と感じた通り、甘い美声でも唄えるし、高音ファルセット・ボイスも出せるし、とにかく歌唱力が高いです。

 

最新アルバム「ラッシュ!」の日本初回盤にボーナス・ディスクとして付いていた初来日時のライブ音源を聴いても、ダミアーノの歌声にはブレがありません。

逆に……他のメンバーの演奏の未完成さ※演奏が下手という意味ではなく、ベテラン・バンドばかり聴いているオジサンの耳にはフレッシュな演奏に聴こえるという意味でが目立ってしまっていると感じるくらいの歌唱力です。

 

そしてもうひとつ。

 

これは個人的な好みなのですが、マネスキンの楽曲にはフェード・アウトで終わる曲がありません。まだ全アルバムを聴き込んでないのですが、多分、全曲フェード・アウトしないと思います。ここまで徹底的にフェード・アウト無しで演奏を完了するバンドは珍しい気がします。

 

逆に、アウトロがあまりにもアッサリしすぎてて、曲を聴き終った後の余韻のようなものは少ないかも?

 

でも、こういう拘りも、ロック・バンドとしてマネスキンがオジサンの心を掴んだ理由のひとつだと思います。

 

ただ、こういう曲構成に対し、一部では「似たような曲が多い」という意見もあるようです。

確かに、マネスキンを聴き込んでいない状態の僕自身も、「似たような曲」「曲の区別がついていない」と感じる部分はあるのですが、これに関しては、とくに気にすることはないと思っています。逆に、新しいバンドを聴き始めた時は、それが普通だとさえ思っています。

 

問題は、その「似たような曲」が好きか嫌いか……です。

 

似たような曲が多いけど、どの曲もカッコイイと感じたなら、多分、マネスキンのアルバムは全て好きになれるはず……です。

 

ちなみに、2017年に発売されたデビューEP「チョーズン」は、オリジナル曲2曲とカバー曲5曲の7曲入りで、全曲オリジナル・アルバム未収録です。

粗削りなロック・サウンド……と言うか、個人的には80年代後半~90年代初めのインディー・オルタナティブ・ロック(+ファンクを少々?)の殺伐としたギター・ロックの雰囲気を感じました。

 

いや、それ以上に、オープニング曲「チョーズン」で、いきなりバンド名を紹介しているのに思わず笑いそうになりましたが……、もちろん良い意味で。

今まで、スタジオ・レコーディングの楽曲で自身のバンド名を紹介したバンドって、ジョン・スペンサー・ブルース・エクスプロージョン米米クラブくらいしか知りませんから……。

 

ちなみにEP「チョーズン」収録曲にもフェード・アウトで終わる楽曲はありません。

 

興味のある方は、是非、新世代のロック・バンド、マネスキンを聴いてみて下さいね。

 

 

 

切っ掛けは、何気なく観ていたTik Tokのオススメ動画でした。

 

……ん?

レッチリ?

いや……違う?

なんだこのバンド?

 

それが、イタリアのロック・バンド

マネスキンでした。

ええと、最初に断わっておきますが、僕がマネスキンの動画に興味を持ったのは、決して……紅一点のベーシスト、ヴィクトリア嬢の過激な半裸パフォーマンスに目を奪われたからではありません……。う、ウソじゃないよホントだよッ!

 

ええと、最初に思ったのは……

レッチリのコピーバンド?でした。

ファンキーで勢いがあった昔のレッチリです。

いや、でも、それにしちゃポップでキャッチーだな……って。

それで、ハッシュタグについていた「MANESKIN」を検索してみたのです。

 

 

ああ、このバンドか。

CDジャケットに見覚えがありました。

何年か前に話題になっていた新人バンドだ。

でも結局「聴く」までたどり着かなかったバンドだ。

 

うん、これは完全に「音楽的無気力」の成せる業です。

人は33歳を過ぎると、それまで聴いてきた音楽ジャンル以外に興味を示さなくなるっていう……、アレです。

 

20代の頃なら確実に聴いていたはず。

 

いや、今はサブスク時代だから興味を持ったバンドは簡単に試聴できる時代なので……これはもう、時代に取り残された時代錯誤の老害CDコレクターの成せる業かもしれません。

 

そんな老害CDコレクターの僕が、まさかSNS経由で新たなバンドに出会うとは……。

 

ってことで。

Youtubeで彼らのMVを色々と視聴してみました。

平均年齢23歳※この動画の時は平均年齢20歳のZ世代バンドとして、来日公演のニュースがYahooにも取り上げられていました。

 

彼らが影響を受けたミュージシャンとして、アークティック・モンキーズレッド・ホット・チリ・ペッパーズの名前が挙がっています。

なるほど、初めて彼らの動画を観た時に感じた「レッチリ?」という感想はあながちハズレではなかったということです。

 

非英語圏のアーティストということで、楽曲によってはイタリア語で唄われる曲があったり、英語とイタリア語が混ざっていたり※英語もイタリア訛りが強いようです、今まで30年近く洋楽を聴いてきたオジサンの耳にもすごく新鮮な響きです。

 

ベースのヴィクトリア嬢はライブの際に上半身裸でニップレスのみという過激なパフォーマンスが有名らしく、日本公演でも演奏中にニップレスが外れ、しばらくそのまま演奏を続けた……なんてエピソードが紹介されていました。

テレビ放送ではしばしばヴィクトリア嬢の姿が映されないステージもあったりするそうです。

 

このスタイルには、性的マイノリティを公言しているヴィクトリア嬢の意思表明の意味も含まれているそうです。※バンド・メンバーのうち2人が性的マイノリティを公にしているそうです。

 

派手なメイクやセクシャルな衣装のせいで、薬物疑惑などが噂されたこともあるようですが、ボーカルのダミアーノは薬物以前に今はアルコールも飲んでいないと否定しているそうです。

 

それにしても……

既に絶滅危惧種かと思われていた「ロック・ミュージック」をこんな新世代の、しかも非英語圏のミュージシャンが演奏して高い評価と人気を獲得しているなんて……。

 

もちろん日本での人気も高いらしく、SONYミュージックからは国内盤のCDがボートラ入りで発売されてるし、最新作の「ラッシュ!」(2023)はデラックス盤として新曲4曲+ブルーレイ(ライブ)が追加された限定盤が販売。

通常「ラッシュ!」の初回盤には日本盤限定のライブCD10曲入りが付いているので、今からマネスキンを聴こうと思った人は、……いわゆる僕ですが、どちらのバージョンを買えばいいのか頭を悩ませてしまうという、そんな状況です。

 

……と、言ってもまだ新人※もう新人と言う時期ではないですがバンドでアルバムも3枚しか出ていないので、作品を集めるのには苦労しなくてすみそうですね。

 

興味のある方は、是非、聴いてみてくださいね。

 

あ、ちなみに僕は、先日アルバム3枚ともアマゾンでポチッたのは言うまでもありません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これが本当に最後?

 

アメリカのメロコア・バンド

NOFXの最新EP

HALF ALBUMを購入したのです。

 

2021年発売の「SINGLE ALBUM」

2022年発売の「DOUBLE ALBUM」

2024年発売の「HALF ALBUM」

 

 

 

バンド40年の歴史に幕を閉じ、2023年に解散すると表明(?)していたNOFXの2024年最新作です。

 

相変わらず?

輸入盤のみの販売で情報量の少ない……と言うか、ホトンド無い状態なのですが、アルバム・タイトルやジャケット写真から分かる通り、「SINGLE」「DOUBLE」に続く3部作的な5曲入りミニ・アルバムですね。

 

これが3部作なら、全25曲で1時間19分の大作アルバムが完結。

そして、NOFXは解散……

と、思ったのですが、アマゾンの海外レビューでは、あと2作の発売が予定されている(?)なんて情報も書かれています。

 

ちなみに、アマゾンの海外レビューには、今回の収録曲は2018年~2023の間にレコーディングされたアルバム未収録曲と紹介されています。

本来は1枚の作品になるはずだった「SINGLE」「DOUBLE」アルバムのアウトテイク集ってことでしょうか。

 

そのせいか?

ピアノとアコギの弾き語りによるバラードからスタートという意表を突くオープニングに驚かされました。

 

その後も、バラエティ豊かな楽曲が続きます。

 

これぞNOFX的なメロコア・ナンバー「I'm a Rat」、アコギ弾き語りバラードと思わせてからのメロコア全開ナンバー「THE QUEEN IS DEAD」、キャッチー&ポップなミドル・ナンバーの「THE HUMBLEST MAN IN THE WORLD」、そしてNOFXとしては長尺6分超えのラスト・ナンバー「THE LAST DRAG」

こちらは壮大なバラード系~ポップ・ミドル~メロコア~高速メロコアへと曲調が変化していくナンバーです。

 

トータル収録時間15分。

なのに、CDは2500円という割高価格……。

 

まあ……

販売価格に関しては、2021年には1600円だった「SINGLE ALBUM」が現在は3200円という倍の価格になっているので、円安の影響が大きいと思うのですが。

 

いや、もしかすると、日本以外では絶滅・オワコン・フォーマットとなっているCDという形態のせいかもしれません。

 

興味のある方は、是非、NOFXの最後のオリジナル作品になるかもしれない最新EPを聴いてみて下さいね。

 

 

 

 

 

SPOONは、

1996年にアルバム・デビューしたアメリカのテキサス州オースティン出身のインディー・ロック・バンドです。

ボーカル&ギターのブリット・ダニエルと、ドラムスのジム・イーノによって結成され、その後、アレックス・フィッシェルジェラルド・ラリオスベン・トロカンを加えた5人で活動中……と、ウィキペディアには書かれています。

……が、

実にお恥ずかしい話、僕は今までこのSPOONというバンドをホトンド聴かずにロック好きオヤジを名乗ってきました。

 

僕がSPOONをキチンと聴き始めたのは、2022年に発売された現時点での最新アルバム「ルシファー・オン・ザ・ソファー」だったりします。

 

いや、それ以前にも彼らの楽曲を耳にし、CDも買ってはいたのだけれど、なぜか心に響くことなく……1~2度聴いて「もういいや」って、CDラックの中にしまったきり……。

 

まあ、それは置いといて。

 

先ずは1曲、聴いてみて下さい。

できるなら、イヤホンを装着し、左右で、どんな音が鳴っているのか意識して聴いてみて下さい。

この、SPOON(スプーン)というバンド、ネットで調べてみると、ポスト・パンクとかモダン・ロックとか音響系とか色々な呼び方で紹介されているのですが、僕はどうにもこの手のジャンル分けというものが理解できず……と言うか、理解する気が無いのですが……SPOONを聴いて最初に思ったのは、(あくまで僕の中のイメージの音ですが)70年代のサウンドを今の録音技術で再現しているバンドってことでした。

 

例えば、ジョン・レノンの「心の壁、愛の橋」とか、デビッド・ボウイの「ハンキー・ドリー」とか、Tレックスの「電気の武者」とか、そういうサウンドです。

僕は90年代のグランジ/オルタナティブで洋楽にハマった世代なのですが、当時のロックは70年代の焼き直しと言わていたこともあり、90年代の(当時の)最新のロックを聴くのと同時に70年代の古いロックも色々と聴いていたのです。

 

と言っても、その頃はまだインターネットが無い時代だったから、聴いてる音楽は有名ドコロばかりだったのですが。

 

当時の僕は趣味のバンド活動なんかもしてたし、世の中はビジュアル系バンドがモテハヤサレていた時代で、そんな中で、誰も知らない(実は有名な)70年代のロックを聴いてる俺スゲーって、まさに重度の厨二病音楽リスナーだったわけです……。

 

音楽的無気力という言葉があります。

人は14歳の頃に聴いた音楽でその後の音楽的嗜好が決まり、33歳を過ぎると新しい音楽(ジャンル)を聴かなくなるという統計があるそうです。

 

僕の場合は14歳ではなく、10代後半で聴いた音楽ジャンルをオジサンになった今でも聴き続けている、その傾向が強い気がします。と言うか、明らかにそういう音楽ばかりを好んで聴いています。

 

ってコトで、

ある日、突然……

あれ?

SPOONって、

むちゃくちゃカッコいいぞ?

……と、オジサンになって気が付いたのは、まさに音楽的無気力の仕業なのかもしれません。

 

う~む、それにしても。

インターネットって便利ですよね。

 

90年代や2000年代初めには苦労して調べていたアーティストのバイオグラフィやディスコグラフィを簡単に知るコトができるんだもの。

 

そして、当時のコトを思い出しながら、「ああ、なるほど。だからあの頃はSPOONの音楽が心に響かなかったのか」なんて自己分析したりなんかして、客観的に自分の音楽的嗜好に向き合うことができる※SPOONを聴かなかった言い訳をしているだけなので実際にはそんな深く考えていませんわけです。

 

【ご注意下さい】

ここからの紹介文は、ネットで調べた情報をあたかも自分の知識のように書いているだけのシッタカ・バンド紹介です。

 

SPOONがアルバム・デビューした1996年は、カート・コバーン(ニルヴァーナ)の自殺という最悪の結末でグランジ/オルタナティブ・シーンが急速に衰退していった時代でした。

 

そんな中で発売されたSPOONのデビュー・アルバム「Telephono」は、ピクシーズに多大な影響を受けていることを感じさせるギター・ロック・アルバムです。

※ピクシーズは80年代に活躍したアメリカのインディー・ロック・バンドで、カート・コバーンが影響を受けたと公言していたバンドです。

アルバムのオープニング曲「Don't Buy The Realistic」です。

この曲を聴いた瞬間、

ピクシーズじゃんっ!

ってツッコミを入れてしまいました。

 

いや、ええと……、これは決して否定しているわけではなく、ある意味、一周回って、今聴くと逆にカッコイイって意味での「ピクシーズじゃんっ!」です。

 

ただ、96年当時は、オルタナティブ・シーンが急速に衰退していたこともあり、このアルバムは「え?今さらオルタナ?」って感じでホトンド売れなかったそうです。

 

でも、一周回って今の耳で聴くと「むちゃくちゃカッコイイ」って感じる通り、楽曲のクオリティはかなり高いのです。

 

実際、SPOONの音楽性(クオリティ)はインディーズ向きじゃないと言われ、メジャー・レーベルと契約することになります。

 

そして発売された2ndアルバム「A Series of Sneaks」は……まったく売れず、バンドはすぐにメジャー・レーベルからクビを宣告されてしまいました。

 

そしてバンドは誓います……。

二度とメジャーなんか行かないっ!

 

それ以降、SPOONは20年以上に渡りインディー・シーンで活動を続けています。

 

ただ、まったく売れなかった「A Series of Sneakes」は評論家からの評価は高く、カルト的な人気作品なのだとか?

 

で、ここでバンドはちょっと軌道修正……ではないのですが、世の中に「ガレージ・ロック・リバイバル・ムーブメント」が興ったことで、当然、SPOONはサウンド的にガレージ・ロック・リバイバルの括りに入っちゃったわけです。

 

でも、元々はガレージ・ロック・バンドではないので、そのムーブメントにもイマイチ乗ることができず……評価と作品クオリティは高いけどパッとしないバンドという肩書きのまま活動が続きます。

 

……はい、そーなのです。

 

グランジ/オルタナティブ

ガレージ・ロック・リバイバル

 

僕がリアル・タイムでドハマリしていた2大ムーブメントです。

その2大ムーブメントの両方に乗り切れなかったSPOONは、当時の僕にとっては「心に響かない」バンドの筆頭だったわけです。

 

そりゃあ、CD買っても「もう、いいや」って感じで、すぐにCDラックに並べちゃうはずです。

 

ちなみに、SPOONのサウンドは

ポスト・パンク

モダン・ロック

なんて呼ばれています。

 

調べてみました。

 

ポスト・パンクとは、1970年代にパンクが登場した後、その流れを引き継いだロックの事で、モダン・ロックとは、90年代のグランジ/オルタナティブ以降に登場した、ラジオやMTVで放送しやすい普段着のロック・バンドが演奏する音楽なのだそうです。

 

ただし、どちらも明確な定義があるわけではなく、音楽業界や評論家が理屈上のジャンルとして名付けたものらしいです。

 

SPOONが「孤高のモダン・ロック・バンド」と呼ばれるのは、メジャーで手痛い失敗を経験した後も、インディー・シーンで地道な活動を続け、少しずつ人気を獲得しながら、気が付くとインディー・シーンの最重要バンドと呼ばれるまでの存在に上り詰めたから……だそうです。

 

インディー・バンドでありながら、全米チャートの1位を獲得するようなバンドですもの、その楽曲のクオリティの高さは折り紙つきってことですね。

 

ちなみに、ここからは、僕が個人的に思うSPOONの魅力です。

 

先ず、SPOONのソングライターであるボーカル&ギターのブリット・ダニエル「UKロック好き&ジョン・レノン好き」ということもあり、ビートルズ(特にジョン・レノン)好きには刺さる楽曲が多いと思います。

ただし、テキサス州オースティン出身のバンドなので、楽曲にブルース的な雰囲気を感じるものが多いです。

 

個人的にはこの、UK好きのUSバンドという(あくまで勝手なイメージですが)ミックス具合がすごくイイ感じに思います。

 

UKのバンド……、例えばオアシスやブラー、2000年代ではアークティック・モンキーズやフランツ・フェルディナンドのようなこれぞUKロックというメロディラインとは違う、US特有のリズムで刻む歯切れのいいメロディが心地よいですね。

 

 

ちなみにコチラの「I Turn My Camera On」はフランツ・フェルディナンドの「Take Me Out」にインスパイアされて作った楽曲だそうです。

個人的には「Gimme Fiction」収録の「Sister Jack」を聴いた時に、「あ、このバンド……カッコイイ!」ってなりました。

 

 

サウンド的には初期のオルタナ・ギター・ロック時代もカッコ良いのですが、メジャー撤退後のピアノを導入し始めた頃の楽曲がビートルズっぽくて好きです。

 

 

ただし、個人的には前々作「Hot Thoughts」のエレクトロ路線と言うか、電子音強めの作品は苦手でした……

 

 

最新作「Lucifer on the Sofa」では、原点回帰的なバンド演奏で聴かせるロックに戻っています。

 

 

でも、なんと言っても、SPOONの人気を決定的にしたアルバム「Ga Ga Ga Ga Ga」が最もオススメですね。

アルバム・タイトルからは想像もしない(?)良質のモダン・ロックが鳴り響いている作品です。

 

 

それにしても。

今はサブスクで簡単に音楽が聴けるのが良いですね。

気になったバンドやミュージシャンの作品を「試聴」感覚でお手軽に聴けるこの仕組みが90年代や2000年代初頭にあったなら……。

 

興味のある方は、是非、音楽的無気力となる33歳までに、一度はSPOONを聴いてみて下さいね。

 

 

 

 

 

【ご注意下さい】

このブログは、あくまでマニックス・ファンによる思い出話し(記憶や思い出補正含む)が中心の「誰得?」な妄言ブログです。なので、実際のバンドの経歴等は公式サイトやウィキペディアで各自ご確認ください……スミマセン。

 

正直、僕にはこのアルバムのレビューは書ける気がしません。

 

Manic Street Preachers

THE HOLY BIBLE

 

僕にとってマニックスと言えば、この「R」の文字が全て反転したバンド・ロゴ、です。

曲名も全て「R」の文字が反転しています。

 

1994年に発売された3rdアルバムです。

 

■ソニー・ミュージックの作品紹介より。

マニックス史上、最も内省的な3作目。前作のサウンドから大きな変化を遂げており、英日ともに賛否両論を巻き起こした問題作と呼ばれているが、憂いを超えた悲壮感や疎外感を凄まじいまでのエネルギーに転換/凝縮された楽曲はまさしく"鋭利"であって、その鋭さと傷の深さ故に早すぎた名盤と呼ばれるようになった。「YES」「REVOL」「FASTER」「P.C.P.」「SHE IS SUFFERING」他、魂に触れるマニックスの修辞的世界観が散りばめられている。偽善を嫌い完全なる美や魂の純粋さに拘る、あまりにもピュア過ぎた詩人リッチー・ジェイムスは、本作発表後、自らの無様な自傷行為やアルコール依存などをメディア上に曝け出した後、一時的なバンド復帰を経たが、アメリカツアー出発前夜(95年2月1日)に失踪し、現在に至る。メンバー遺族共に行方不明という扱いでリッチーの復帰を願っている。現時点では、リッチーが参加した最後の作品となっている。(英国司法的には2008年11月24日に死亡宣告はされているが、メンバー遺族ともに依然死亡に関して否定している。)

※ちなみに紹介文でリッチーの名前がリッチー・ジェイムスとなっているのは、リッチーの本名がリチャード・ジェイムス・エドワーズだからです。

 

僕が、初めて聴いたマニックスのアルバムです。

今から……30年も前……の、お話ですね。

 

このアルバム、言葉で表現するなら

 

何が良いのか分からない。

それなのにカッコ良い。

 

静かなる狂気。

 

陰鬱なのにポップ

無機質なのにキャッチー

淡々としているのにメロディアス

 

これは「マニック・ストリート・プリーチャーズを聴いてみた」の第1回で書いた「ホーリー・バイブル」の感想なのですが、多分、僕にはこれ以外に表現のしようが無い……と言うか、僕はこれまでの30年間で「ホーリー・バイブル」と同じ類の作品に出会ったことがありません。※もちろんファンの妄言です。

 

例えば「ビートルズっぽい」とか「ストーンズっぽい」とか、そういう「~っぽい音楽」にはたくさん出会ってきましたが、「ホーリー・バイブルっぽい」音楽は「ホーリー・バイブル」でしか聴いたことがありません。マニックスの他作品でも「ホーリー・バイブル」っぽい楽曲は聴いたことが無いと思います。

 

ええと、ちょっと、言い過ぎたかもしれません。

そこまでスゴイ作品じゃないかもしれません。

 

ただ、1994年当時……

洋楽を聴き始めて3~4年の「洋楽初心者」だった僕には、それくらい衝撃的なアルバムに聴こえたってことです。

前作「ゴールド・アゲインスト・ザ・ソウル」で一般ウケする無難な作品に「逃げた」ことを反省して出来上がった作品……と言うより、バンドの精神的支柱だったリッチーの、鬱やアルコールやドラッグなどの様々なトラブルを抱えた状態がそのまま反映された作品……だと言われています。

 

歌詞の8割をリッチーが手がけたアルバムです。

イギリスの音楽雑誌が選ぶ「最も暗いアルバム、ベスト50」で堂々の第1位に輝いたアルバムです。

 

病みに病んだ鬱アルバムです。

病的なまでの悲壮感が漂うアルバムです。

なのに、ポップでキャッチーなメロディです。

 

……結果、リッチーは精神を病んで失踪し、彼の運転していた車が自殺の名所と言われる橋の近くで発見される……という悲劇的な結末をむかえてしまいます。

……が、

一説によると、リッチーは失踪後にイスラエルに渡った……という証言があるそうです。

 

リッチーは今でもマニックスのメンバー扱いで、バンドの印税はリッチーの銀行口座にも振り込まれているのだとか。

 

……と、「ホーリー・バイブル」は、リッチー・エドワーズの壮絶なエピソード無しには語れない作品なのですが、取りあえず今回は、リッチーの悲劇は置いといて……。

 

この作品を初めて聴いた時に思ったのは、

コンセプト・アルバム?

ってことでした。

 

その理由は、楽曲の冒頭やアウトロに挿入される「朗読詩的SE」の存在です。この「SE」が挿入されることで、楽曲全体に不穏な空気が溢れ出している……みたいな、そんな印象です。

 

とにかく気持ちがザワザワしてきます。

 

雰囲気的には、政治家の声明や哲学者の思想などを、古い録音をそのまま挿入したような、あるいは消え入りそうな悲痛な声でつぶやいたり、サスペンス映画のナレーション風だったり……、そんな感じ。

 

……うん、英語が分からない僕には、実際にこの「SE」が何を言ってるのか理解できないので、あくまで雰囲気の話なのですが。

 

そして楽曲全体を包み込む「無機質」で「冷たい」質感です。

 

デビュー作のグラム・ハードロック・パンク的な煌びやかさは一切無く、2ndアルバムの一般ウケする分かりやすさもなく、ただただ、静かなる怒りに溢れている……

 

静かなる怒り

なんて言うと、まるで楽曲自体が「静」の作品のように思われるかもしれませんが、収録曲自体は、比較的アップテンポな楽曲で占められています。

まさに、

病んだ路上の伝導者

Manic Street Preachersって感じです。

 

ってことで……

う~む、やはり僕には、このアルバムのスゴさは※初めて聴いてから30年経った今もレビューすることはできないようです……。

 

ロックが好きな方には、とにかく一度、聴いてほしい作品。

僕に言えるのはそれだけ……ですね。

 

ちなみに、オープニング曲「YES」がいきなりフェード・アウトで終わって驚かされますが、他の曲はフェード・アウトすることなく終了する楽曲ばかりです。

 

初期3作、アルバム収録曲41曲中フェード・アウトで終わる曲が2曲のみって、まさにロック・バンドの鑑のようなバンドです。

 

 

僕は今までに「ホーリー・バイブル」を4回購入しました。

 

1994年発売のオリジナル盤

評価:★★

全16曲収録。

 

日本国内盤は、オリジナル13曲にライブ音源「ドラッグ・ドラッグ・ドラッギー」「ローゼズ・イン・ザ・ホスピタル」「ユー・ラブ・アス」の3曲入り。再発盤は「ニュー・アート・ライオット」のライブ音源が追加された17曲入りです。

ちなみにこの「Revol」って楽曲、実在の政治家の名前を挙げながら「恋愛(性)」について唄っているのですが……、タイトルを逆にすると「LOVER」になるって、そんな言葉遊びが隠されているのを知った時に、詩人リッチーのスゴさを痛感しました。

 

評価が★2と低いのは、やはり音圧(音量)の低さが理由です。

 

 

2004年発売10周年記念盤

評価:★★★★

全17曲入り。

2004年リマスター盤

 

オリジナル13曲に「ザ・インテンス・ハミング・オブ・イーヴィル」「4st 7lb」「イエス」「オブ・ウォーキング・アポージョン」のライブ音源4曲収録。

ディスク2に「ホーリー・バイブル(US Mix)」のリマスター音源とデモ&ラジオセッション音源5曲、ディスク3はライブDVDの3枚組。

長らくコレクター・アイテムとして高額取引されてきた「ホーリー・バイブル(US Mix)」が再発リリースされました。

オリジナル盤に比べ、厚み(リバーブ等)が増した迫力のある音になっており、その分、繊細さが減少した印象です。

 

個人的には、単独なら「UK Mix」が好きだけど、他のアルバム楽曲とシャッフルして聴くなら「US Mix」の方が違和感なく聴ける気がします。

 

★4評価なのは、アルバム未収録曲が一切収録されていないためです。

 

音圧はかなり高くなっており、現行の20周年記念シリーズとホトンド変わらない音量になっています。

 

 

2009年発売日本独自企画紙ジャケ盤

評価:★★★★★

全17曲入り。

10周年記念盤と同内容のリマスター盤。

10周年記念盤のディスク1と、日本独自企画のレア楽曲収録のディスク2の2枚組。アルバム未収録楽曲2曲とリミックス&ライブ音源の8曲を収録。

 

上記楽曲「4st 7lb」は、拒食症患者に命の危険が迫るリミット体重のことなのだとか……。当時のリッチーの状態がそれだったそうです。

 

やはりこの紙ジャケ・シリーズは「神ジャケ盤」ですね。

今では入手困難なアルバム未収録楽曲が聴けるのは(配信&ダウンロードは知りませんが)この紙ジャケ盤と20周年記念盤のみです。

 

 

2014年発売20周年記念盤

評価:★★★★

全13曲入り。

2014年リマスター盤。

 

ディスク2は「US Mix」2014リマスター。

ディスク3はシングル・カップリング集&レア曲16曲。

ディスク4はアナログ・レコード。

 

アマゾンのレビューでは10周年記念盤との音質の差は僅か……と書かれていますが、僕の愛用するモニターヘッドホンで聴くと明らかに音質の違いが分かります。

全体的にメリハリがあり、高音の抜けが良くなり、細かな音が聴きとりやすくなっています。

 

ただし、この音質の差に10000円以上の価値があるか……と言われると、評価が★4になってしまいます。

 

音圧は10周年記念盤と同レベルですが、高音の抜けが良くなった分、こちらの方が音が大きく迫力を感じます。

 

2024年現在は入手困難で、タワレコやHMVの通販のみ、在庫僅かって感じのようですね。

 

ただし、これもアマゾンのレビューにありますが、輸入盤のみの商品でCDの収納が簡易的なため(しかもCDが裸で収納されています)輸送時にCDが外れる&盤面に傷が付いてい可能性が大。

 

僕が購入したモノもCDのディスク2が外れていて……幸い、盤面に傷が無かったのは運が良かった……って感じです。

 

音質&収録内容は文句なしの内容です。

 

 

と、言うコトで。

価格や入手しやすさを考えると、10周年記念盤がお勧めかな?

10周年記念盤は中古で比較的安価に入手が可能です。

 

興味のある方は、いや、ロックが好きな方は、是非、一度聴いてみて下さいね。

 

 

 

 

 

【ご注意下さい】

このブログは、あくまでマニックス・ファンによる思い出話し(記憶や思い出補正含む)が中心の「誰得?」な妄言ブログです。なので、実際のバンドの経歴等は公式サイトやウィキペディアで各自ご確認ください……スミマセン。

 

1993年に発売された

Manic Street Preachersの2ndアルバム

Gold Against The Soulは、僕が最も熱心に聴いたマニックスのアルバム……かもしれません。

解散宣言撤回表明と共に届けられたマニックスのセカンドは、前作の延長線上にある一段と丁寧に作り込まれたポップ・ロック・アルバム。 "解散宣言"などのギミックなしでも、彼らが聴き手の胸を打つパワフルで美しい音楽を鳴らすことのできる集団であることを証明した作品。ジェームスの感傷的なメロディーや艶の増した歌唱力、リッチー&ニッキーの時に内省的、時に叙情的な散文/詩篇は初期マニックスの楽曲制作レベルの高さと繊細さを窺い知ることができる。そんな卓越した才能は音楽だけでなく曲名やアートワーク、自分たちのビジュアルの見せ方まで細部に渡って"美"こだわっていた。本作にはそんなセンスを感じさせる初期の名曲「FROM DESPAIR TO WHERE」「LA TRISTESSE DURERA」「ROSES IN THE HOSPITAL」他収録。92年の初来日に続き、本アルバムを引っさげたジャパン・ツアーも行われ人気を博した。本アルバム発売当時、初回盤には92年に行われた初来日公演の熱狂をおさめた貴重なライヴCD[5曲収録]が付いていた。(ソニー・ミュージックの作品紹介より)

 

今では伝説の「デビューアルバム解散宣言」を撤回して発表された2ndアルバムです。

 

……と言っても、すでに30年以上前の話だし、しかも「デビューアルバム解散宣言」を真面目に受け止めていたのは日本のメディアくらいで、他国では「そりゃあそうだよね」って、意外と軽いノリだったとか?

 

そもそも、デビューアルバム制作時点で、所属レコード会社とはアルバム6枚分(だったと思います)の契約をしてたって話もあったりします。※あくまで個人の記憶です。

 

そんな事もあり?

マニックスの「解散宣言」を真面目に受け止めた日本のメディアだけに向けた長文の「解散撤回宣言」を発表し、届けられたのがこのアルバムです。

 

Gold Against The Soul

 

 

デビュー作のグラム・ハードロック・パンク的なサウンドとはガラリと変わり、無駄をそぎ落としたカッチリとしたUKロック・サウンドです。

 

収録曲も10曲と※デビュー作は18曲入りでした余計な曲は一切収録しない、そんな完成度の高い作品です。※個人の感想です。

 

全英チャートも8位と前作を超える好成績。

……が、

それが裏目に出たようです。

 

あれだけハチャメチャな言動で周囲を掻き回したお騒がせバンドが売れ線に逃げた……と、メディアからの評価は否定的。

 

マニックスのメンバーも素直にそれを認めていたようです。

 

正に、バンドにとっては

黒歴史のようなアルバムなのだとか。

 

実際、2012年から始まった「アルバム発売20周年記念」アニバーサリー企画で、「1st」「3rd」「4th」「5th」アルバムは発売されたのに、この「2nd」アルバムだけはリマスター再発されないままでした。

 

正直、僕は「ゴールド・アゲインスト・ザ・ソウル」のリマスターは出ないと諦めていました。

 

ところが、アルバム発売から約27年後の2020年に、ファン待望のリマスター再発盤が発売されます。

 

まさに、

待望の

リマスター再発です。

 

少なくとも、僕にとっては「待望」でした。

 

デビュー作「ジェネレーション・テロリスト」にあったグラム・ロック感やハード・ロック感はグッと減少し、グランジ&オルタナティブに影響を受けた90年代UKロックって感じが全編に漂っています。※個人の感想です。

いや、多分、そんなの関係無く、アルバムのオープニングを飾ったこの「Sleepflower(嘆きの天使)」のカッコよさにハートを鷲掴みにされた……のだと思います。

 

全曲、捨て曲無しの名盤っ!

 

……と、言いたいところでしたが、個人的に、シングル・カットされた名曲「ローゼス・イン・ザ・ホスピタル~囚われた快楽~」だけはイマイチ好きになれませんでした。

……なぜ?

自分でもずっと疑問だったのですが、最近になって(リマスター盤を聴き直して)気が付いたのですが、実は「ゴールド・アゲインスト・ザ・ソウル」の収録曲の中で、この曲だけがフェード・アウトで終わる曲だった……。

 

多分、これが理由だと思います。

 

え?

そんな理由で?

 

と、思われるかもしれませんが、いや、僕自身も思いますが、当時はそれくらい音楽に影響を受けていた…ってことでしょうか?

まさに、僕の青春時代の音楽ってコトですね。

 

最近見たネットのレビューには、このアルバムを「メタル的」と紹介している記事もありましたが、個人的にはこのアルバムにヘビメタ感は一切感じたことはありません。

 

オープニング曲「Sleepflower」のイントロに入るギター(だと思います)のフィードバック(残響ノイズ)のせいもあり、僕はずっとオルタナティブ的な作品だと思っていました。

 

でもまあ、言われてみれば……

カッコいいイントロのギターリフやギターソロなど、へヴィメタルの要素が有ると言われれば……そんな気もします。

……が、

やはり、このアルバムに漂うのは、後に「マニックス節」とさえ言われるフックの効いた秀逸なメロディに尽きると思います。

この時点で、すでにマニックスの個性(メロディセンス)は完成されているように思います。

 

ちなみに、マニックスはこのアルバムを「ボン・ジョヴィみたいになった」と評価されたことにショックを受けた……なんて話もありますが※個人の記憶です、僕には一度もボン・ジョヴィに聴こえたことはありません。

 

 

僕はこのアルバムを2回購入しています。

 

先ずは……

1993年のオリジナル盤

評価:★★★

収録曲は全10曲。

 

マニックス史上、日本国内盤にボーナス・トラックが未収録なのはこのアルバムだけじゃないでしょうか?

 

初回限定盤はライブ音源付きの2枚組、リイシュー盤にはボーナス・トラックとしてアルバム収録曲のリミックス音源が追加収録されました。

 

残念なのは……2009年発売の日本独自企画紙ジャケ2枚組を購入しなかったことですね。購入しなかった理由は、僕はこの時期の作品はシングル盤を購入しており、アルバム未収録楽曲をほぼ網羅していたためです。

 

★3と評価が微妙なのは、音圧(音量)が低いためです。

ただし、2020年にリマスター盤が発売されるまで、この盤は★5の最高評価でした。

 

 

2020年発売リマスター・デラックス盤

評価:★★★★★

収録曲は全20曲。

 

デラックス盤はアルバム収録曲全曲のデモ音源&ライブの17曲収録のディスク2付き。完全生産限定盤なので、在庫があるうちに購入をお勧めします。

 

現時点で、僕の中ではこのアルバムのデラックス盤以上の高評価盤は存在しません。

アルバム未収録楽曲9曲もリマスター収録されています。

 

音圧も高く、何より、他の20周年盤とほぼ同じ音量で揃っているのは嬉しい限りです。

 

ただ……オリジナル盤に比べて明らかに中・低音の厚みが増しているので、オリジナル至上主義の方には、2009年の紙ジャケ盤※現在は入手困難の方が良いかも?

2009年の紙ジャケ盤にもアルバム未収録楽曲が5曲と初回盤のディスク2に収録されたライブ音源が付いています。

 

ちなみに、2020年デラックス盤に収録された「ローゼス・イン・ザ・ホスピタル」のデモ音源はフェード・アウトで終わらない完全演奏版が収録されています。う~む、できればこのヴァージョンのスタジオ盤が聴きたかった……。

 

ちなみに②、アルバム未収録楽曲にもフェード・アウトで終わる曲は無く、デビュー作の「ジェネレーション・テロリスト」からここまで(僕が知る限りでは)フェード・アウトで終わる曲は「ローゼス・イン・ザ・ホスピタル」のみ……

 

僕の「フェード・アウトで終わる曲嫌い」※ただしバンド演奏に限るはここから始まったのかもしれません。

 

と、言うコトで。

Manic Street Preachers

Gold Against The Soul

お勧めは2020年リマスター盤一択ですね。

 

興味のある方は、是非、聴いてみて下さい。

 

 

 

 

 

【ご注意下さい】

このブログは、あくまでマニックス・ファンによる思い出話し(記憶や思い出補正含む)が中心の「誰得?」な妄言ブログです。なので、実際のバンドの経歴等は公式サイトやウィキペディアで各自ご確認ください……スミマセン。

 

 

Manic Street Preachers

通称マニックスは、

イギリス(ウェールズ)出身のロックバンドです。

僕が個人的にスゴク好きなバンド……

最近の言い方だと「推し」のバンドなのですが、残念ながら日本での知名度は……

 

かなり高いと思います。

↑高いんかぁ~いっ!ってツッコミをお願いします。

 

うん、割とマジで。

 

若い音楽リスナーには知らない方もいるかもしれませんが、ロック好きオジサンの間では、かなり有名なバンドだと思います。

 

だって、デビューから30年以上が経ってるバンドなのに、いまだに新作CDは日本国内盤が発売されていて、しかも、国内盤には律儀に日本限定ボーナス・トラックが追加収録されてるんだもの。これで知名度が低かったら……「え?」って感じですよね。

 

人気の高さ。

その理由はズバリっ!

日本人ウケするメロディーです。

※あくまでファンの妄言です。

 

先ずは、聴いてみて下さい。

現時点での最新アルバム「The Ultra Vivid Lament」(2021)からの1曲「オーウェリアン」です。

ポップでキャッチーな美しいメロディが、仕事で疲れてササクレ立ったオジサンの心を癒してくれる……

 

と、思いきや、楽曲タイトルの「オーウェリアン」とは「管理監視社会」のことで、メディアによって言論が曲解される現代社会への危機感を唄った歌……って、超・社会派で硬派な楽曲です。

いわゆる、SNS社会への警告歌ですね。

 

そうなのです。

マニックスは30年前から変わらず、政治や社会への不満を美しいメロディに乗せて歌うロック・バンドなのです。

 

いや……

30年前は社会派ではなく、単なる大言壮語のくそ生意気な新人バンドでした。

 

「30曲入りの2枚組のデビューアルバムを世界中でNo.1にして解散する」とか「ジョン・レノンは失敗の象徴」とか「活動歴が長いだけで才能が枯れたバンドはロック・バンドじゃない」とか暴言吐きまくりで、自分たちの本気度を見せるためインタビュー中に自分の腕にカミソリで「4REAL(本気だ)」って傷をつけて病院送り(18針を縫う大怪我)とか……

 

そして発売されたデビュー・アルバム

GENERATION TERRORISTS

 

あれだけ暴言吐きまくって発表された作品なら、さぞかしハチャメチャな内容だろう……と思ったら、ポップでキャッチーでメロディアスなグラマラス・ハードロック・パンクでした。

この手のキャッチーな曲、正に日本人好みですよね。

 

しかも、ギターのリッチーとベースのニッキーがビジュアル系バンドさながらの妖艶イケメンです。

日本の女性ファンが黙っちゃいませんっ!

※お笑い芸人の永野さんが「永野チャンネル」の中で、リッチーがボーカルかと思ったら地味なジェームスがボーカルで「お前かよっ!?」って思ったって言ってましたね。

 

まあ、僕は、マニックスを聴き始めたのが3rdアルバム「ホーリー・バイブル」だったこともあり、この当時のハチャメチャ時代はCDライナーの解説でしか知らないのですが……。

 

とにかく、この時期の作品は聴きまくりでした。

多分、僕が最も音楽を聴きまくっていた時期だと思います。

 

当時はスマホもSNSもインターネットも無い時代だったから、暇さえ有れば音楽を聴いていた気がします。

 

まあ、それは置いといて。

 

前回のブログでも書かせて頂いたのですが、当時の僕はまだ、洋楽を聴き始めて3~4年の「洋楽初心者」でした。

 

そんな僕が、何故、マニックスにハマったのか?

それは、先にも書きましたが、このバンド、とにかくメロディが良いのです。

 

しかも、アップテンポな楽曲が多いのもポイントが高いです。

 

アップテンポなのにメロディアス!

 

それは多分、マニックスがイギリスのバンドだからというのが大きい気がします。

 

これはあくまで僕の持論なのですが、イギリスのロックと日本のロックには同じ匂いがする……。それはズバリ、ブラック・ミュージックの影響が少ないから……です。

 

つまり、イギリスのロックはブルースやR&Bやヒップホップの影響が少ないってことです。

 

子供の頃から「生」でブラック・ミュージックの演奏を聴いているアメリカのミュージシャンと、テレビやレコードで聴いて影響を受けるイギリスや日本のミュージシャンでは、根本的な部分での影響力に差が出る……と、何かの本で読んだ記憶があります。

 

マニックスの場合、デビュー・アルバム「ジェネレーション・テロリスト」は全英チャート13位という、新人としてはかなり好成績の売り上げだったそうです。

 

……が、アメリカでは鳴かず飛ばず。

 

マニックス自身も「そもそも俺たちはアメリカ市場は視野に入れていない」と負け惜しみ発言をしたくらい、アメリカでは売れなかったそうです。

 

でも逆に、そいうい音楽だったからこそ、日本では人気になったのだと思います。

 

マニック・ストリート・プリーチャーズは、

ボーカル&ギターのジェームス・ディーン・ブラッドフィールド、リズムギターのリッチー・エドワーズ、ベースのニッキー・ワイアー、ドラムスのショーン・ムーアの「幼馴染4人組」で結成されたバンドです。

 

彼らが育ったウェールズは炭鉱の街で、映画館も無い田舎街だったそうです。幼少期は教会で賛美歌を歌う、一般的な労働階級の家庭で育ったそうです。

 

その後、イギリス政府の政策で次々と炭鉱が廃止となり、職を失った人々は政府への抗議活動を展開し……敗訴。

 

マニックスの楽曲に「社会批判」「政治批判」「反体制」「労働階級の現状」等の歌詞が多いのは、幼少期に見た大人たちの姿が影響していると言われています。

 

ちなみに、歌詞が知的なのは、作詞担当のリッチーとニッキーが大学で政治歴史学の学位を取得しているインテリだから、という話もあります。

 

まあ、これはあくまで、ネットで知ったお話です。

関西人ならここで「知らんけど」と締めくくるべき余談です。

 

この話をネットで読んだ時は、なるほど、マニックスのメロディが美しいのは「讃美歌」に影響を受けたからなのか……なんて、妙に納得してしまいました。知らんけど。

 

ところで。

僕はマニックスのデビュー作「ジェネレーション・テロリスト」CDを3回購入しているのですが、ここで、それらについて、お勧め度「★5段階評価」も合わせご紹介したいと思います。

 

先ずは……

1992年に発売されたオリジナル盤です。

評価:★★

収録曲は全19曲。

 

19曲目は日本盤ボーナス・トラック「死の展望」。

「死の展望」はメジャー盤シングル「You Love Us」のカップリングに収録された楽曲です。

 

評価が低いのは楽曲クオリティではなく音圧の低さです。

この盤は、とにかく音圧(音量)が低いです。

 

収録曲に関しては、マニックスの楽曲自体に対する好みもあるでしょうが、僕の個人的な好みを言わせて頂けると、フェード・アウトで終わる曲が一切無いのが最高です。

これ、僕にとってはかなり重要なポイントです。

 

全曲捨て曲無し。

90年代屈指の美メロ楽曲と言われる「享楽都市の孤独」はこのアルバムに収録されています。

この美しいメロディの歌詞が、まさかこんな……

 

 

2009年発売日本独自紙ジャケ2CD盤

評価:★★★★★

収録曲は全19曲。

リマスター盤?

 

19曲目は日本盤ボーナス・トラックですが、この盤はリイシュー盤が採用されており「モータウン・ジャンク」に差し替えされています。

 

……が、最高★5評価なのは、先ずはオリジナル盤から音圧がぐっと上がっていること、そして、ボーナス・ディスクに自主制作楽曲「スーサイド・アレイ」を始めとしたアルバム未収録のレア曲が10曲収録されているためです。オリジナル盤収録のボーナス・トラック「死の展望」もボーナス・ディスクに収録されています。

 

ボーナス・ディスク収録曲も音圧が調整されており、名目上「リマスター」と表記されることのある盤ですが、もしかすると、マスター音源ではなく、日本盤音源をリマスターしているのかもしれません。※以前、ジョニー・ウィンターの作品が「日本独自技術リマスター盤」として高音質再発されていたので……。

 

ただし、★5評価ゆえに……

現在はコレクター・アイテムとして入手困難&価格高騰中。

中古市場で比較的安価で見つけた際は、即決での購入をお勧めします。ゲットしても転売はしないで下さいね。

ボーナス・トラックの「モータウン・ジャンク」は、ベスト盤にも収録されてるのでレア度はありません……。

 

 

2012年発売20周年記念デラックス盤

評価:★★★★

収録曲は全19曲。

全曲公式リマスター音源。

 

19曲目は日本盤ボーナス・トラック「テーマ・フロムM.A.S.H」に差し替えられています。リイシュー盤ボーナス・トラックの「モータウン・ジャンク」はディスク2に収録。

ただし、ボーナス・ディスクはレア曲ではなく、アルバム収録曲のデモ・ヴァージョンが中心です。

 

ここに、紙ジャケ盤と同様のアルバム未収録楽曲が入っていれば、★5段階を飛び越えて★10くらいになっていたと思います。

 

この20周年記念盤は、発売当時はアルバム未収録楽曲の少なさにガッカリして「評価:★★」だったのですが、その後、現在まで続く20周年記念盤シリーズの音圧がほとんど均一に揃っているという神仕様リマスター企画だったことで評価が爆上がりしました。

 

と、言うコトで。

Manic Street Preachers

GENERATION TERRORISTS

入手し易さと価格で「総合的」に見ると、やはり、20周年記念盤が最もオススメってことになるのでしょうか。

 

興味のある方は、是非、聴いてみて下さいね。

 

 

 

 

ええと、ちなみに今回の(勝手に企画)「○○を聴いてみた」シリーズのタイトルが、頭に【第2回】と付いているのは、単にバンド名が長過ぎて、後ろに「第2回」と付けるとタイトルの回数が見えない……という、やんごとなき理由が発生したからです。

 

ちなみにパート2、今回貼りつけたYoutube動画は「HTML表示」の貼りつけ※アメブロ・スタッフブログ参照方法を使ってみました。表示が変だった場合のクレームは……アメブロ・スタッフ様、ヨロシクオネガイシマスネ。

※ジョークなので本気にしちゃダメですよ。